こんにちは!rujiAです。


長らくお待たせいたしました!

本Blogの6記事目にして、やっとこさのメインテーマ(への導入)記事になります。



今回の解析対象は、以前から予告している通り、
私が初めて買ったMODである、Kamry? X6になります。

00 x6計測


Kamry X6については、ここをご覧になっている皆さんは、
ご存じの方がほとんどだと思いますが、 一応簡単に解説しておきます。


Kamry X6は、ペンタイプの内蔵バッテリーMODです。
はじめに日本で売り始めたお店が、上手にプロモーションしたためか、
つい最近まで、もしくは今現在において、良くも悪くもVapeの入門機として
爆発的なヒットとなりました。

しかしながら、最近ではより高性能かつ低価格なMODが登場してきたため、
いまとなっては、中級者以上のVaperさん方の間では、当時の高評価が見直されつつあります。




まぁ、それはさておいて、このX6、ものすごい流行っただけ有りまして、
巷では、"偽物が数多く出回っている"という噂が広まりました。

【参考記事】
X6の偽物に注意(THE VAPE SHOPの入荷情報)
電子タバコ「VAPE X6」に本物と偽物がある!?(VAPE COLLECTION)

まぁ、もともとが中国製ですからね。
特に、本物を真似て作られた製品が、"クローン"なんて呼ばれて普通に取引されている
Vape業界にとっては、まぁ当然っちゃ当然の流れかな、なんて思います。


と、まぁ、X6についての簡単なご紹介はこんなところにして、
話は私のKamry?社 X6の話になります。
私のX6は、去年の8月ころ、ヤフオク!にて5000円程度で購入いたしました。

…ここまでを読んでいただければ、"?"が付いている理由お察し頂いていると思いますが、
私のX6は、十中八九、パチ物であると考えられます。

怪しいポイントは、そりゃあもう山の様にあります。

【怪しい その1:510スレッドの中に、穴が開いていない】

↓まぁ、ご覧のとおりです。

01no-hole

…ところで、オリジナルには開いていると言われる、
510の穴ってそもそも何なんでしょうね?
まさか、ベントホール?
んなコタないと思いますが、ベントホールだったら、
なかなかシャレで済まない位置だと思います。(^_^;)
まぁ、ベントホール開いてないのも、危ないですが…

_/_/_/15/02/16加筆_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
Twitterにて教えていただきましたが、
オートバッテリー用の穴だそうです。

さすがに、ベントホールなんてことは、有りませんでした。
ちなみに、X6自体にオートバッテリーの機能はない
ので、「余った部品を安く仕入れて使っていたんじゃないかな」
とのことでした。
(蒸気機関さん、教えて頂いてありがとうございました!)
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【怪しい その2: なんか、ケースが変】

↓Webで見かけた本物と言われているX6のケース
02 original case


↓私のケース
03 my case

お分かりいただけますか?
X6を入れる側と、反対側のポケットが何故か逆です。

X6の向きと、反対側に入れるリキッドの向きを合わせられないし、
…通りで使いにくいと思ってました。



【怪しい その3:そもそも、ケースにKamry社のステッカーがない】

↓まぁ、見ての通りです

04 no-label




…とまあこんなかんじで、ここまででも、
どう考えたって巷で出回ってるKamry社のX6とは別物なことは明らかですが、
もう一点、上記以外に、決定的に他のX6とは異なる点があります。

しかも、私にとってはむしろ好印象な本物との違いになります。

それは、

【怪しい その4:電圧調整時のクリック数の違い】
です。




X6の仕様における特徴として、出力電圧を三段階で調整できることがあります。

三段階は、それぞれ、

低出力:3.6[V]。ランプの色は赤。
05 red


中出力:3.8[V]。ランプの色は紫。
06 purple


高出力:4.2[V]。ランプの色は青。
07 blue

となっています。


この出力調整の方法なんですが、付属のマニュアルでは、
"素早く(時間失念)5回クリックにより、出力が変わる"となっていたと思います。

私は、友人が使っている正規品と言われているX6についても使用したことが有りますが、
これが、また使いにくい…

何故かと言うと、電源ON、電源OFFも5回クリックなんです。


つまり、電源OFF状態から、高出力で使いたいときは、
電源ONで5回、出力切り替え低→中→高で10回を押さないと、
高出力設定までたどり着けません

この点については、上記にて上げたJapan VAPE TVのYuuさんも、
X6がアカン理由のひとつにあげているくらい、野暮ったくてイケてない仕様です。



…そんな本家X6に対して、私のパチもんX6は、
何故か出力調整のイベント発生が3回にて設計されています。
しかしながら、電源off、電源onのコマンドは、5回に設計されています。

さらに、私のX6の優れている点は、電源ON時に、前回電源OFFした状態の
出力設定から再開する点
です。


つまり、日頃から4.2[V]ばかり使っている人でも、
毎回15回クリックする必要がなく、一般的な今どきのBOX MOD同様、
とり出したら5回クリックで、いつもの設定で吸える状態になるのです。


此処から先は、私の個人的な推測になるのですが、
私のX6は、所謂パチ物には間違いないと思います。


しかし、上記の出力調整コマンドの違いについては、
おそらくパチ物の製造元の
設計者による、いわゆる粋な計らいなんではないかと。


この、パチ物X6の設計者は、おそらくJapan VAPE TVの Yuuさんと同様、
Kamry社のオリジナルX6の電圧調整のイケてなさに、
憤りを感じていたのだと思います。

そこで、
どうせパチ物つくるなら、オリジナルより良い物作ってやるぜ!!」といった心意気で、
電源のON-OFFのイベントとは別に、
別コマンドによる電圧調整のイベントを用意したのだと思います。

ここまで読んでらっしゃる方は、
またまた…たかがちょっとした違いに対して、大げさだなぁ…」なんて
思ってらっしゃるかもしれませんが、
このちょっとした違いを実装するには、
設計段階での大変さがぜんぜん違うのです。

後に語る、計測結果の特徴から判断するに、少なくとも私のパチ物X6の制御部分は、
電気回路によるアナログ的な制御ではなくて、マイクロコントローラーによる電子制御、
つまり、プログラムを使用した電子制御設計が行われているものと思います。
(注:本物はX6についてはわかりません。)


私の経験上、この電源ON-OFFイベントが5回/出力調整が3回のプログラムを設計仕様は、
オリジナルの電源ON-OFFも出力調整も5回の仕様とくらべて、ソースコードの行数で考えると、
ざっと見積もって3倍以上違いがあると思います。

つまり、そんな面倒くさい仕様変更は、どう考えたって、
X6の動作をコピーした担当者のミスによるような
偶発的なアクシデントによるものでは在り得なくて、

明らかに電子制御系を設計した人間の、意思入れがある、ということになります。
(実際は状態遷移のパターンもそんなにないと思うので、長く見積もったって、
プロのプログラマならデバッグも含めて1weekで終わる仕事量とは思いますが…)


とはいっても、パチ物を生業にしている企業は、手っ取り早く儲けたいから
パチ物に手を付けるわけで、そんな中で、オリジナルよりも、
よりよいものにするために、もう一手間を加えているというのは、紛れも無い事実…。

この考察に行き着いた際に、私は、このパチ物X6の電子制御系の設計者に、
同じ技術者として何かこみ上げるものを感じました。

それまでの、中国の偽物、といったら、
より多く売るために、より安価に製造するべく、
安全を犠牲にし、オリジナルの見た目だけ似せて、
改悪して、それでいて責任なんて取るつもりもない、
といったような製品を思い浮かべていました。


たしかに、クローンや、パチ物は、産みの苦しみの末に製品を送り出した、
オリジナルの開発者からしたら、親の敵並に許しがたい存在には違いないでしょうが、
その場合、憎むべきはパチ物の販売会社のTOPや商品企画をした人が第一であり、
諸悪の根源なのではないかと思います。

このパチ物X6の電子制御系の設計者は、上記のようなただ儲けたいだけの悪い人たち
比べたら、私は完全に悪とは思いません。
当然、社会的にも、道徳的にも、パチ物は許される存在ではないし、
その技術者も、パチ物作成の一翼を担っていることには違いはありませんが…

しかしながら、少なくともこのパチ物X6を設計した技術者は、
「今より良い物つくろう!」と考えている、本物の技術者だ!…と思い、
ちょっと熱くなったわけです。

そんなリアルエンジニアが、パチ物製品を作っている会社にもいるのなら、
いつか、かつての日本製品がそうなったように、中国製品が価格も品質でも、
世界一になる日も、もしかしたら、来るかもなぁ
、なんて思いました。




…と、だいぶ話が脱線しましたが、以上が前置きになります。

ここから評価記事を書こうと思いましたが、
大脱線により、かなりの長文になりましたので、
とりあえずこの前置きをX6評価記事の第一部と致します。(ぉぃ