こんにちは!rujiAです。

本日は、Starplat搭載MODRUSMODの解析記事の最終章です!

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■過去記事■
[Mod Analysis]RUSMOD (Starplat) vol.1
[Mod Analysis]RUSMOD (Starplat) vol.2[Mod Analysis]RUSMOD (Starplat) vol.4

では、前回の続きから参りましょう!

3.[vsDNA40]Breathing Testによる制御系評価

さて、前回の記事では、
DNA40を、 常人が乗ったスポーツカー
かたや、本MODことStarplat基盤を、
腕利きドライバーが乗った軽自動車に例えて表現しました。


ポイントは、
1.DNA40の方が、制御周期は速い
2.Starplatは、制御周期はすごく遅いけど、予測制御してるっぽい

 (車の運転の例えで言うと、玄人ドライバーの長年の勘、的な) 
3.Starplatの開発者は、普通のVaping用途だったら、
 ソコソコの制御周期で予測制御すれば十分TCが成り立つはず!と考えていると思う。


といったところかと。

で、本章では、実際ガチンコで比較したらどうなんだろうね?
ってところに迫る内容になっています。


それでは、本編を語らせていただきましょう!レポートのスクリーンショットです。


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特徴の表を拡大したものがこちら!

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先に、ちょっと補足しておくと、
当Blogでお馴染みのBreathing Testですが、
RUSMODにはとても分が悪い評価方法となります。

なぜなら、既に制御周期が遅いとわかっているStarplatに対して、
反応速度の速さを評価する試験であるからです。

先の例で例えると、 スポーツカーと軽自動車のアクセルベタ踏みした時の
加速力を比べるようなものです。

なので、この表の結果も、Starplatの結果については、
若干甘めに評価をしているのが正直なところです。


それを踏まえても、結論としては、
TC時の温度の追従性や、反応速度に関しては、
明らかにDNA40の方が優れている、といえます。



特に、Starplatは反応速度が段違いで遅いです。


コイルに対して、息をフッ!とした時に、
DNA40は体感同時くらいの速度で出力が上がりますが、
本MODは、一呼吸おいてから昇圧し始めます。

しかも、ピーク電圧に達するまでに、
制御周期で3サイクル程度かかっているので、コイルの温度が下がってから、
目標の温度まで昇温するのに概ね1秒近くかかっていると考えられます。


1秒というのは、人間の感覚から言っても、
十分体感できる遅延で有ると思います。



なんでそんなに遅いのよ?

というと、Starplatは外乱に対する反応性能を、
そんなに重視していない設計方針
なのだろうと思います。

制御周期を250[ms]にすると決めた時に、
反応性能が悪い結果になるのはわかりきった結果だったはずです。


でも、Starplatの開発者はこう考えたのだと思います。

「温度の追従性能って、そんなに重要か?
 普段使いの軽自動車に、ゼロヨンのタイムとか求めないでしょ?」 

と。

確かに、普段使いの軽自動車に対して、スポーツ性や、
過剰なレスポンスを求める人は、少ないと思います。

TCでVapingする際に、求められるものといえば…
「安定した味だろ」、と考えたのではないでしょうか。


一方evolvはというと、
コイル温度=ミストの発生量=味なのである。
 だから、安定した味を求めるのならば、
 どんなコイルでも、リキッド保持量でも、吸い方でも、
 設定温度へ全力で追従するシステムこそ目指すべき姿なのである!

と考えていたのだと思います。


これ対してStarplatは、温度がビッタリ追従している状態でも、
出力電圧が抜けた際に、味が抜けることに気がついたのでしょう。
で、こう思うわけです。

「実は、コイル温度って、そこまで重要じゃないんじゃないか?
 それよりも、急に電圧を抜くような動きをさせると、味が抜けるから…
 コイル温度が急変しても、急に応答しないほうが実はいいんじゃないか?

と。

で、

 温度のフィードバックなんて、概ね追従できてりゃ良いと思う。
 むしろ出力はあんまり急変しない方がいい。
 
 

 じゃあ、制御周期はそんなに早くない方がいいよね。
 だから250[ms]の制御周期でいいや。

 

 あ、じゃあ安いCPU使えるじゃん!


みたいな流れだったんじゃないかと思います。



実際に、この応答性の悪さが影響する場面は
どういう場面かというと、
ドライ気味のコットンで、じわじわ焚いている時に急に吸うと、
ミストは薄いし、遅れて立ち上がって最後イガるようなことが
あると思います。

でも、実際の運用では、そうなる前に、味の薄さで気づいて
リキッドをチャージする人が殆どだと思うので、
実際そんなに問題にはならないだろうことは容易に想像できます


 
まぁ、つまるところ、本章をまとめると、

・フィードバック制御系としては、本MODはDNA40よりも劣っている。
・でも、実際吸った時がどうかというと、DNA40と同等レベルの性能は有ると思う。
・むしろ、出力が暴れない分、味は濃いかもね。

といったところですね。 






4.VW波形計測

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VWは、優秀な感じですね。
誤差考えても、18650一本の運用だったら、十分優秀と言える性能が有りました。









 5.出力波形のノイズについて
この章は、正直濁すべきか、かな~り迷ったんですが…

でも、ありがたいことに、依頼主のVapechk様に、
掲載許可を頂きましたので、書かせていただきたいと思います。

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vol.2の記事にも書きましたが、本MODは、ものすごいノイズが多いです。
もともと、Vape用のMODは、4.2Vの電池から、高速でOn-Offして
高電圧を取り出す構造なので、ノイズが発生しやすい性質を持っています。

そんななかでも、本MODは、
正直、私がこれまで計測したMODの中で段違いでノイズが多かったです。


でも、出力波形を見る限り、ノイズの中心にある本来の出力は
全然とっちらかっている様子がなかったので、恐らく制御基板上は、
ノイズがのっていないのだと推測しているのは、以前の記事でも書いたとおり。


じゃあ、このノイズはなんなのよ?というと、
恐らく、木製のボディに起因していると思っています。


私の今まで解析したMODは、大体がアルミや真鍮、
ステンレス等の金属製のMODでした。

金属はそもそも電波を通しづらい特性があることから、
制御基板が発生する電波(ノイズ)は、金属ボディによって
シールドされて、外に漏れていなかったのだと思われます。


一方、木や樹脂は、電波を通してしまいます。
当然、木材と樹脂から作られている本MODのボディも、
じゃんじゃん電波を通してしまうわけで、
私の計測環境は、このノイズを拾ってしまったのだと考えられます。


ノイズも、ものすごい奥が深い分野ですので、
私ではこんな程度の考察しか出来ませんが、
まぁ、そんなところで考えています。


仮に、MODの中で、制御基板を金属のケースやアルミの膜等で
閉じ込めてある構造だったら、殆どノイズは外には出ないであろうと思われます。


あ、ちなみに、本レポートのページや、既に前記事でも書いたとおり、
本ノイズは、Vapingする分には、殆ど影響がないと考えて良いと思います。

影響があるかもしれないのは、むしろ使用環境の外部の機器に対してで、
例えば
・医療機器の近く
・音や映像を収録する機材の近く
などでは、特に使用を控えたほうが良いと思います!







6.[総括]RUS MOD(Starplat)

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解析をしてみて、感じたことなどです。
書いてある通りですね。


DicodesとStarplat、
同時期に発売された独自制御基板のMODで、
全然別の人が作ってるのに、フィードフォワードとフィードバックを強調させる、
という同じ手法にたどり着いたってのは、面白い事象だとおもいます。

しかもそれでいて、波形がぜんぜん違うし、
「TCのてこう在るべきだろ!」ていう思想も、全然違ってて、
ほんと、出力解析って面白いなと思いました。

貴重な機会を頂けました、Vapechk様には、
本当に感謝しております!


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以上、RUSMOD(Starplat)の制御解析レポートでした。

いかがだったでしょうか?


超小型、かつ18650駆動で、いろいろな素材のTCのに対応している
Starplatは、Modderさんにとっては、とても興味深い品だと思います。

しかも、制御系のレポートでしたので、触れていませんでしたが、
Dicodesでは対応していないUSB充電にも対応しているので、
個人的には、この基盤を使った、
かっこいい普及機に登場してほしいなと思っています。


いまや、テクニカルといったらTC出来なきゃ話にならない、
みたいな風潮にありますが、
TCつきなら全部一緒かって言うと、全部のメーカーがぜんぜん違う波形で、
ほんと、面白い時期ですね!

しかも、多分、作ってる人たちも、「…ぶっちゃけTCってどういうのがいいんだろう?」と、
迷いながら設計しているところもありそうな雰囲気、と個人的には感じていて、
2016年は、独自基板メーカーがTCのストラテジをブラッシュアップしていく年
なるんじゃないかな、と思っています。

そんな中で、Starplatは、
「コレまでのTCののやり方は、
実際の運用で考えると、ちょっとやりかたズレてるんじゃねーの?」

と、一石を投じるような設計に感じました。

一方で、最近発売が発表されたDNA75は、
18650単体に対応したDNA200の改良機、といったところで、
最近のevolvは守りに入っちゃっているのかな~と感じています。

なので、個人的には、Starplatのような、常識に切り込んでいくような
メーカー同士が、競いあうように、どんどん新しい物を生み出して
切磋琢磨して欲しいと思っています。
(メシの種でやってる本人たちからしてみたら、溜ったもんじゃないだろうけど…w)





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