こんにちは!rujiAです!

本日は、VAPTIO社のレギュレーテッドMOD、S150の解析を行います!

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本MODは、海外のVAPEショップ
HEAVEN GIFTS様に提供して頂きました!
HGlogo


Thank you very much for the this offer!


1.S150概要

S150(以下本MOD)は、VAPTIO社が設計、製造を行っている
温度フィードバック制御搭載のMODです。

VAPTIO社ってどこだろう?聞きなれないな。
と思った方がほとんどなのではないでしょうか?
私もその一人です。w

なんでも、アメリカ設計、中国製造のメーカーなのだとか。

公式サイトはこちら。


本MODの主な特徴等は、
まちゅりさんの秀逸な記事を見ていただくとして(手抜き)
最大の特徴は、ATC:Accurate Temperature Controlという機能でしょう。
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"Chip in Coil Design"と書いてあります。
直訳すると、「チップ内蔵コイル設計」。
で、絵には、いかにもプロセッサがチップ内部に入っている、
とでも言わんばかりです。

ん~、ほんとかなぁ?
というのが私の最初の感想。

でも、こういう新テクノロジに挑戦していく姿勢、
私きらいじゃないヨ!w







2.外観等

箱はこんなのに入ってきます。
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裏側。白もあるんですね。
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中身。
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で、こいつが本体です。
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超かっこいい!


私黒ベースのワンポイントで赤みたいな
色合いが超ツボなので、見た目は完全に気に入りました。
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バッテリーは、18650のデュアルスタックです。
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握った感じも、手のひらにアールがかった側面が
フィットして、大きさはちょうどいいなと感じます。
やっぱ、側面はアール形状がいいですね!

 
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ボタンも、握ったまま操作しやすいです。
シンプルな見た目に見えてますが、
ちゃんと考えてていいと思います。
 
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スターターなんで、アトマがついてきます。
例のATC対応コイルが装着されているクリアロマイザーです。
 
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コイルには、飛散防止の網がついてます。
 
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リキッドチャージは、上部の蓋がこんな感じで開きます。
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シリンジボトルやユニコーンボトルであれば、
チャージしやすくていい方式ですね。

オーリングも色んな所に入っているし、
いろいろたくさん考えてくれているみたいで、
好印象な設計でした。

さて、では、外観の話はこの辺りにして、
メインディッシュにいきましょう。

3.-1 TC計測
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普通のニッケルのRDAで、目標温度400FでTCしてみました。

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うーん?…いくつか解せない点が有ります。

ひとまず、良い点としては、ノイズがほぼ無いと行っていい綺麗な波形ですね。
ハード的な設計は、ちゃんとしてそうです。

ぱっと見の印象としては、プリヒート後のガッツリ降圧な部分がないので、
Starplatの波形にちょっと似てるかも?FF成分多めか?と
思いましたが、右肩上がりの波形で、
また違った観点の制御設計思想なのかな、と思っています。
 
(普通は、TC中のコイル温度は高止まりになる傾向なので、
殆どのTC-MODでは、通電時間に応じて出力を絞っていく方向になる。
 →普通は右肩下がり。)

解せない点としては、ノイズではなく、
波形が小刻みに波々と振動しているのも気になります。

もしかして、なんか凄いことやってる…?


と、ここまではどっちかっていうとポジティブな印象だったんですが、
一番意味不明なのは、ここのカットオフです。

 
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私は、この波形計測時に、約20秒間パフボタンを押しっぱなしなのですが、
約11秒で、「Over 10s Protection」と画面に表示されると同時に、
↑のカットオフを開始します。

ソコまではいいんですが、そのままボタンを押し続けていると、
何食わぬ顔して、2秒後また通電し始めます。

多分、ソフト的には、11秒でカットオフ制御の割り込みが
入っているのですが、割り込みが入っている裏では、普通に通電ロジックが
動いている様な構造なのだと思います。
まぁ…ぶっちゃけていうと制御仕様に起因するバグの可能性が高いと思います…。
ちょっといけてない。

ちなみに、10秒プロテクションなのに、11秒かかっている理由は、
定周期タイマーで0秒から数えちゃってるからだと推測します。
(0~10まで数えたら、数11個数えてる。w プログラマあるあるですね。w





3.-2 BreathingTest

これちょっとのせるのが心苦しかったんですが…

とりあえず、波形を見てもらいましょう。


空焚き状態のコイルに対して、息を吹きかけてみました。
その波形がこちら。

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赤い点線部分が、私が息を吹きかけた部分です。

フッ!フッ!フーーッ!と、
三回息を吹きかけて、最後は長めに息を吹きかけました。


…ところが、本MODは、私の息の吹きかけに対して、
全く反応致しません。


FB系を行っているならば、PIDのP項とD項が極端に低い、
ということなのかもしれませんが…
なんか、そういうことでも無いような気が…

前項で、FF成分多めかも?と書きましたが、
むしろ、FF成分とI項のみで制御しているのかもしれません。

かなり斬新な制御設計ですが、
フィードバッグ系としてはかなりイマイチだと思います。





3.-3 VW計測

さ、気を取り直して、VW計測の計測です。

まずは、MINの波形から。1[W]狙いの設定で計測です。

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VWでも波々してますね…

矩形波じゃないので、傾き分も考慮すると、
波のピークが0.92[V]。
ボトムが0.68[V]程度で、RMSだと0.789[V]程度です。

使用した実負荷(擬似コイル)が、0.647[ohm]なので、
実測値で0.962[W]くらいです。

そこそこ優秀ですね!


次に、60[W]
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こちらは、波のピークが6.36[V]。
ボトムが5.68[V]程度で、RMSだと6.00[V]程度でした。

同じく実測値でいうと、55.64[W]くらいのい出力になります。

こちらも、そこそこ優秀ですね!
VW機種としては、普通に使えそうです。



ちなみに、VWを計測していて分かったのですが、
計測中に、液晶に表示されている抵抗値の表示が、
0.8[ohm]ほど周期的にちらついていました。

このことから、出力の波波しているゆらぎは、
MODで認識している抵抗値のチラつきに起因しているのかも?
と推測しています。

他のMODに見られない特徴であることから、
もしかしたらATC用のコンタクトの構造等に起因しているのかもしれませんね。





4.ATCコイル分解

ほんとにプロセッサが入っているのかなぁ?と、凄く気になったので、
いろいろ調べてみました。

とりあえず、このMODは510コネクタに少し特徴があって、
ポジティブピンの真ん中に、何かの端子があります。
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便宜上、ATC端子と呼ばせて頂きます。


アトマ側で、この真中の端子の抵抗値をかみてみたところ、
およそ94,000[ohm]ありました。
 
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明らかにVapeのコイルの抵抗値じゃあないですね。

で、これが、ATCコイル。

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コイルをひっくり返したのが、下図。真ん中の金色のところが、
ATC端子部分に接続されるようになっています。

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ATCコイル端子部分と、プラス端子は、
6.2M[ohm]の抵抗値です。
ま,不導体と思っておいていい抵抗値でしょう。
 
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で、分解してみました。

プラス極側を引き抜いてみたら、ATC端子から、
何かがぴょいんと伸びています。

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更に分解してみます。

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この線の先にくっついている球上のものが、いわゆるチップなのか…?
でも明らかにプロセッサではないでしょう。

マイナス極側も分解してみました。

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ああ、なるほどな…

飛散防止網をみて、なんとなくやりたいことが分かってきました。

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何かの金属が、網に絡めてあります。


恐らく、私が引き抜いた時に、ATCコイル端子側から伸びてる線から、
ちぎれてしまったけど、本来はつながっているものだと思います。


私の考える、ATCコイル制御の正体は、ひとことで言うとこうです。


"飛散防止網の温度を、専用センサにて高精度でセンシングしてTCする。"


つまり、コイル温度ではなく、ミストの温度を計測しよう!
という試みなのだと思います。

昨今のTCは、コイルの抵抗値から、温度を推定しています。
つまり、普通のTCだったら、コイルはコットンに熱を与える
アクチュエータであり、かつ温度を計測するセンサーの役割もあるわけですね。

しかし、Vapeのコイルは、いわゆるサブオームのような、
超低抵抗である場合が殆どなので、精度よく温度の推定を行うには、
高精度な抵抗計測が出来る高級なハードウェアが必要です。
 
しかも、工業製品ですので、構成部品の抵抗のバラツキなども考慮すると、
場合によっては製造工程で部品を全数検査をして、
捨てなければならない部品が大量に発生するかもしれません。

さらに、かなりのW数を出力しながら計測するので、
ソフト的にもすこし小難しいロジックが必要だと思います。


そこで、VAPTIOは、

「より高精度に温度を計測するなら、アトマイザーに対して
 コイルとは別にセンサーを埋め込むべきだ。」

と考えたのだと思います。
さらに、
「センサー自体が、温度に対して大きく抵抗値が変化すれば、
 きっと部品のバラツキも相対的に小さくなって、無視できるぞ。
 それなら、高い部品も必要ないし、捨てる部品も発生しないかも!

と思ったのでしょう。

そして、
「どうせセンサで温度図るなら、
 ミストの温度を見たほうが、味に寄与しそう!」と思い、
飛散防止網を通過するミストの温度を測ることにしたのだと思います。


なかなか良い発想だと思います!
私も、アトマに別のセンサを仕込む手法は、
今後のTC系を激的に進化させる方法の一つだと思っていました。


ただ、なぜそれで「チップ内蔵設計コイル」ということに
なってしまったのかは、不明。www

営業さんが先走っちゃったのかな?w


5.総括

VAPTIO S150、如何だったでしょうか?

TCが、正直いい制御とは言えないシステムではあるものの、
ATCコイルの仕組み自体は、やったことに価値があるシステムだと思います。


そして、VW機としては、そこそこの性能を有していることから、
マニアな貴方のコレクション用に、オススメしたい逸品です。

見た目は結構かっこいいので、見た目が気に入っていて、
かつ「どうせ俺TCの使わないし」というVeperさんなら、
不便なく使うことが出来ると思います。

個人的にはこういうチャレンジングなメーカーは大好きなので、
これからもVAPTIO社の製品は、
積極的にWatchしていきたいと思っています。 


VAPTIO S150
$65.00
HEVEN GIFTS