VAPE MOD研究所

電子タバコのMODの計測と評価…というニッチなジャンルの日記

2015年03月

こんにちは。rujiAです。

今回はですね…
いい加減X6のシリーズを終わらせたいと思います。
DSC_0354-02

当Blog開設時から、やってきた本X6シリーズですが、
ちょっとダラダラやりすぎたな、と内心反省しております。

最近は、書きたいものが沢山あるので、
X6の話は本記事でサクッと終わらせます。

さて、まずは毎回恒例のおさらいです。

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【解析結果】Kamry? X6はこんなMODでした

1.電圧調整方法は、PWM制御によるもの。
2.PWMの周期は25[ms](0.025[秒]/周波数40[Hz])。
3.出力電圧の考え方は、実行電圧値。(Vrms。非Vavg。)
4.最大パフ時間は10[sec]。
5.抵抗計測はしていない。(少なくとも制御には使っていない)
6.アトマイザ断線検知/バッテリーショート等のフェールセーフ機能はない。
7.バッテリー保護のための低電圧検知制御有り。
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これまで、過去記事にて、1.~5.まで説明しました。

過去記事はこちら↓。

早速、続きの説明に移ります。

【6.アトマイザ断線検知/バッテリーショート等のフェールセーフ機能はない。】 

例えば、DNA30なんかは、
アトマイザの抵抗が在り得ないくらい高い時に、
アトマイザの断線を検知して、↓のように警告文を出してくれます。
DSC_0353-02

しかし、X6は、"5.抵抗計測はしていない。(少なくとも制御には使っていない)"でも
説明したように、アトマイザの抵抗に応じて、制御を変えるようなロジックが
実装されていないため、特になにもしません。

故に、断線で通電ができなくとも、低すぎる抵抗値になったとしても、
X6の残バッテリーなりに、ありのままの振る舞い
をします。


…上記を読んで、X6でSUBOHMアトマイザを使おうとした人ならば、
違和感を覚えるかもしれません。

「いやいや、低すぎる抵抗だったら検知するよ。だって俺X6でSUBOHM使えなかったもん」と。

その通りで、X6はSUBOHMのアトマイザを使うと、自動で出力をカットしてしまう機能があります。

しかしその動作は、実は抵抗値検知による動作ではないのです。

詳しくは、事項"7.バッテリー保護のための低電圧検知制御有り。" で説明致します。



 【7.バッテリー保護のための低電圧検知制御有り。】 
これは、そのままですね。
バッテリー出力が、 約2.7[V]程度まで低下した際に、
(多分)過放電によるバッテリー死亡を防止する目的で
通電を自動でカットする機能があります。

リチウム電池の放電終止電圧は、2.75[V]とされるケースが多いので、
そのあたりの電圧を狙って上記閾値を設定しているものと思います。

…さて、ここまで読んでお気づきの方がいらっしゃるかもしれませんが、
"6."で書いた、"X6はSUBOHMのアトマイザを使うと、
自動で出力をカットしてしまう機能"の正体は、
実はこの定電圧検知制御によるものなのです。

実際にSubohmに通電した時の下記出力波形を見て下さい。

 【出力設定:高() アトマイザ抵抗0.5[ohm]】
■500[ms/Div]
青波形

つまりは、X6のバッテリーの最大電力性能に対して、アトマイザの抵抗が低すぎて、
電圧降下が起きている状態になります。

PWM制御を行っている状態においても、同じです。

 【出力設定:高() アトマイザ抵抗0.5[ohm]】
5Ω 500ms 電圧降下する

【最後の部分を拡大】
5Ω 10ms 最後の方面白い
もう、最後の波形なんて、大分0[V]に引っ張られており、
電池さんに対して、かわいそうな気持ちになってきます。

お恥ずかしい話なのですが、rujiAは実はあまり電池の仕組みや現象については
詳しくないので、上記に関して、これ以上の説明はできませんが、
電池の気持ちになって考えてみると、

電池「うわーん、流しても流しても、全然間に合わないよ~!」

なんて言いながら、
最後に過労死寸前で定期健診で引っかかって会社からの業務指示による強制有給取得
のような状態だと思うので、多分、ものすごいブラック企業良くない状態なんだと思います。

例えば、V2アトマイザだけ使っていれば、
特に気にする問題でもないかとは思うので、
X6が設計された当時の仕様としては、そんなもんでも十分だったんでしょうね。


ここ半年ほど、X6は良くないと言われる場面が多いですが、
rujiAとしては、操作の不都合なんかよりも、昨今のSUBOHMのクリアマイザーが
簡単に手に入る状況においては、バッテリー性能を超える低抵抗を検出できない
という設計が、最大の欠陥だと思っています。

設計がX6位古いMODでは、概ね言える問題なのかもしれませんが、
X6の罪深い点は、今でも楽天のランキング上位に入るくらい
無駄に流行っている点
だと思います。

つまり、無駄に流行っていて、そして値崩れした現在においては、
よくわからず入門用にX6を買ったビギナーが、次のステップとして
SUBOHMをくっつけてしまうことが、頻繁に起きえます。
→最悪、訳もわからず爆発事故につながる可能性あり

そんなことにならないように、
rujiAは毎晩神様にお祈りしてから寝ております。


【X6について感想】
と、いうわけで最後は、ネガティブな話になってしまいましたが、
個人的には、SUBOHMさえ使わなければ、
そこまで悪いMODじゃないんじゃないかな、と思っています。

02


今となっては、私が使うことは皆無と言っていいほどありませんが、
「電子タバコってどうなの?」と興味を持ってくれた知り合いへのレンタル用に、
二軍落ちしたシングルコイルのドリッパーとともに、レンタル用に活躍中です。

改めて握ってみても、サイズ的には手頃だし、
VAPEに興味をもった人にも、引かれたりしない良いサイズだと思っています。
(やっぱりいきなりBOXMODだと、抵抗が有るようで、引いちゃうことが多いですね)


てなわけで、総評としては、
入門用には、そこまで悪くない(でも、SUBOHMは、勘弁な!)

てなとこでしょうか。
これにて、長きに渡ったX6の解析記事を終わりにいたします。


【次回予告】

次の解析記事の対象MODですが、
すでに先日、Vapor Flask V3 DNA40 Clone (Flask-KX)について記事を書いてしまいましたが、
メインでの解析記事は、HANA MODS DNA30について書きたいと思っています。

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私の初BOXMODーMODにして、今でも前線で活躍する機会の多いMODです。

機能としては、オーソドッグスではあるものの、
BOX-MODの草分け的存在ではないかとおもうので、
今後様々なMODを評価する際のベンチマークにする意味でも、
まずはこのDNA30の評価を行う必要があるに違いない、と考えています。


最後まで本記事を読んでいただいて、ありがとうございました。

こんにちは。rujiAです。

…これまで数回に渡り、X6についての解析記事を書いていて、
未だ完結に至っていない当Blogですが、ここで別のMODについての記事を書いちゃいます。

なぜなら、新しいMODが昨日届いて、個人的に今HOTな話題だからです!
X6の記事も、そのうち完結させますが、まずはさわりの部分だけ、
このMODについて記事を書かせていただきます。

今回は、最近の日本のVapeシーンで流行っている
温度フィードバック機能(以下温度FB)MODである、↓について書きます!

 DSC_0322

このMODは、本家温度FB基板であるDNA40を搭載した、
Vapor flask V3 を模した 製品です。所謂Cloneですね

Cloneについては、いろいろな意見がありますが、
当ブログでは、あまりその辺に触れずに書かせていただきたいと思います。


この製品の制作は、KangxinというChinaの企業で、
MODの挙動を観察した限り、中身の基盤もDNA40とは別のものが入っている様です。
その辺を主張したいのか、電源投入時のオープニング画面で、"KX-40D"と表示されます。



00 opening 基板名


本Blogでは本家Vapor Flask V3と呼び分けるために、
便宜上このCloneを、Flask-KXと呼ばせていただきたいと思います。

今回は、このFlask-KXのファーストインプレッションについて書くことにしまして、
出力特性については、以降の記事にて詳しく書きたいと思います。


では、早速書いていきましょう。


ちなみに、購入は、下記サイトで行いました。
VF V3 Style Temperature Protected 40W Clone - Black@Focalecig.com



【パッケージ】
DSC_0311
VAPEグッズでありがちな、厚手の紙でできたパッケージです。
ところどころボコボコと打痕のような凹みが有り、私の手元に来るまでの
長旅の様子を想像させます。

【開けたトコロ】
DSC_0314
なんでか、"もしかして、店頭でディスプレイしてた?"と思うくらい、
ホコリが表面につきまくってました。なんか、糊のようなものでベタベタしている部分もあったので、
パーツクリーナーで拭いておきました。The 中華!ってかんじで、なかなかワクワクさせる演出です。w


【見た目や大きさ等】

手にとってまず最初に感じた印象は、
"あれ?意外と小さいんだな"という事です。
18650サイズの電池を2つ使うし、
形状から、本物の酒壺くらいだろうから、
Nintendo DSくらいのサイズかと思っていましたが、
実際には、手のひらに収まるサイズと言っていいと思います。

BT50と比べると、確かに横幅が有りますが、
格で言えば、個人的には、HANAのDNA30やBT50と同じクラスと思ってもいいと思います。
DSC_0315

そして、何よりこの酒壺の形状が、最高に絶妙です。
指がMOD全体を覆って、人差し指に丁度パフボタンがきて、
裏側は、親指の腹が丁度ハマってホールドしやすいようになっています。

本当に、酒壺の形状でVape作った、本家Flaskmanさんは天才だと思いました。
DSC_0347-2
…、と思ったけど、よく考えたら、
そもそも酒壺の形状を作った人が、まずは天才ですね。w

とにかく、この形状は、デザイン重視のものではなくて、
ホールド性を追求した結果の究極の形と言っても過言ではないと思います。

まぁ、そんなわけで、見た感じはバリとかもないですし、
適度に重みもあって、質感はそんなに悪く無いと思います。

けれど、外見上の残念なポイントが一つありました。

【残念ポイント1:電池蓋】
私はFlask-KXに、フラットトップの電池を使っているんですが、
背の低いフラットトップでも、電池蓋が締まりきれなくて、少しはみ出ています。
SANY0007-2

なんていうか、Cloneらしいといえばらしいんですが、
てっきりガワは完全コピーかと思っていたのに、なんでこんなことになっているんだろう…
海外の比較記事でも、"Cloneは本家Flaskよりも、若干背が小さい"との記載があった気がしたので、
ここにそのしわ寄せが来ているのかもしれません。


【中身】
外見は、そこそこ立派なんですが、
中の処理がテキトーだと、感電するかも…と少しばかり恐ろしくなりまして、
早速開けてみました。

DSC_0338


液晶のガイドステーの精度とかは、問題なさそうです。

DSC_0339

中身の配線は、お世辞にも丁寧とは言いがたい仕事です。
線も、ムダに長くて押し込めてあったりするし、
ポディング材も、取り敢えずてんこ盛りです。

まぁでも、無いよりはてんこ盛りのほうがいいし、
一応ポディング対象の場所を見ても、
絶縁のためのツボは抑えてありそうだったので、
開けてみてひとまず安心しました。


ただ、この感じだと、このCloneがある程度流行ったりなんかして、ラインの負荷が上がると、
作業者的にはどんどん雑になっていくと思うので、
Flask-KXの全部が、平気か?といえば、確実にNoだと思います。

本物のVapor Flaskは、このへんはもっときれいなんじゃないかな、と思います。
(WEBで分解写真探しましたが、無かったので確認はできず)

中身に関しては、値段なりと言ったところでしょうか。

基板も引き抜いて見た目の写真を撮ろうかと思いましたが、
引き抜いたら後戻りが大変そうだったので、やめておきました。

【残念ポイント2:充電ポート】


これね…ほんとうに残念なんですが、

無いんですよ。充電ポート…。



DSC_0316-02

本家は、背面に有るようなんですけどね…
rujiAは、BOX-MODはUSBで充電して、
電池を入れ替えずに運用するスタイルだったので、
ちょっと不便です…。

そして、まともな充電器を持っていなかったので、
昨日さっそくAmazonで充電器を購入しました。(お急ぎ便でw)

<余談>
多分、私が購入したFocalecigは、この点について気づいているようで、
私の購入したMODのページでは、↑のような背面の写真の公開がありません。
全部、表側だったり、絶妙に手で隠したりしていて、気づかないように写真を撮っています。
…よく考えていますね。w



【その他】
ひとまず、すでに買ってあったNi200でコイルを巻いてみました。
DSC_0320
はじめての非Microcoilのビルドでしたが、
意外とうまくいきました。ただし、抵抗は若干低めの1.1[ohm]となってしまいました。
Niは、冷間時の抵抗値が本当に低いですね。

で、肝心の温度FBですが、液晶の挙動や、煙の出方を見る限り、
ちゃんと機能出来ているようです。

そして、昨日から丸1日かった限りでは、
急にリセットしたり、吸い始めでバッテリーの警告がでるようなこともなく、
安定して運用できています

その他、細かい挙動もチョイチョイ本家DNAとは
違う部分があるようなので、おそらく、現在発覚している、
本家DNAのSoftware bugなんかも、コイツに限っては、
無いんだろうなと思っています。

Kangxinさん、なかなかやりますね…
(摂氏表示の切り替え機能はなかったが。w)

Vapor Flask DNA40のCloneについては、いくつか種類があるようですが、
私の手元にあるFlask-KXは、パッケージこそ違うものだったものの、
その他の特徴から、下記の物と同じものではないかと考えています。

Vapor Flask V3 Clone Review@Vaping Cheap
Vapor Flask DNA 40 Clone Review @Youtube

Flask-KXについては、海外では上記以外にも、
レビューされている方が多くて、しかも、以外に好評が多いです。

本家Vapor Flask DNA40の最大の特徴である、
温度FBがちゃんと動作しているためだと思います。

 
かくいう自分も、1日つかった限りでは、思っていたよりもデキがよく、
割と気に入っているというのが正直なところです。
(ステッカー貼っちゃったりしてます。w)
SANY0006-02


ただ、個人的には温度FBが、コーヒーリキッドでタール状の物質が発生する現象
に対する決定的な解決策になったらいいな、と期待していたのですが、
いろいろ試した限りでは、あのドロドロは温度に関係なく、リキッドの消費量に対して、
比例して発生するようですね…

DSC_0351-02

まぁでも、普通のBOX-MODとMicrocoilでガンガン吸うよりは、マシなのかも?
もう少し、いろいろ試して検討してみるつもりです。


ひとまずは、こんなところでしょうか。
ファーストインプレッションとしては、ひとまず以上になります。


[余談]
次のMOD解析記事を、X6の最終編にするか、Flask-KXの性能評価編にするか、
 それともDNA30の記事にするか、迷っております・・・。

今だったら絶対Flask-KXの方が旬だよなぁ~…なんて思ってはいますが… 
うふふのけいちゃんさんからも、試験のリクエストが有ったので、
DNA40の記事かなぁ、やっぱり。 

こんにちは!rujiAです。

さて、今回で4回めになるX6の解析記事になりますが、

なんやかんやで長引いてしまっていますねぇ。
私の記事を書くスピードも早くなくて、ちょっとまったりしすぎかな、と思います。
(申し訳ないです。)

そもそも、X6なんて終わってるMODに時間かけてんじゃねーよ!」って
思ってらっしゃる方もいるとは思います。

ですが、まずは、私のVape遍歴の最初のMODであり、
他のMODの評価の基準となっている(た)X6に対して
じっくり語っておきたいと思っています。

ちなみに、X6について語ったら、
次はDNA30について書きたいと思っています!
(乞うご期待!)

ひとまず、前回までのおさらいで、解析結果言えること↓。
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【解析結果】Kamry? X6はこんなMODでした

1.電圧調整方法は、PWM制御によるもの。
2.PWMの周期は25[ms](0.025[秒]/周波数40[Hz])。
3.出力電圧の考え方は、実行電圧値。(Vrms。非Vavg。)
4.最大パフ時間は10[sec]。
5.抵抗計測はしていない。(少なくとも制御には使っていない)
6.アトマイザ断線検知/バッテリーショート等のフェールセーフ機能はない。
7.バッテリー保護のための低電圧検知制御有り。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

これまで、過去記事にて、1.~3.まで説明しました。

過去記事はこちら↓。
[Mod Analysis]Kamry?社 X6 Vol.1
[Mod Analysis]Kamry?社 X6 Vol.2 -PWM制御解説編-
[Mod Analysis]Kamry?社 X6 Vol.3



では、さくさく進めたいと思います。

【4.最大パフ時間は10[sec]。】

そのまんまですね。
通電時間が10秒以上あった場合は、自動でカットしてくれる機能があります。
制御設計マニアとしては、設計者に10秒っていう時間の妥当性
を問い詰めたいところですが、まぁ概ね10秒も吸い続けるような人なんて
おらんやろ、ってことなんでしょうね。

このへんは、EleafのiStickも同じく10秒で自動で通電が切れます。

クラウドチェイサーな方は、いらんことしやがってとなるんでしょうかね。

ちなみに実波形はこちら。↓

何れも下記設定で測定しております。
■アトマ抵抗値…1.5[Ω]
■1time/div…2000[ms]

【出力設定:低()】 
5 10sec

【出力設定:中()】
5 10sec

【出力設定:高()】
5 10sec


[Note]
【出力設定:中()】にて波形が縞模様になっているのは、
モアレとよばれる表示上の現象のためで、
独特の制御をしているとかいうわけではありません。 


5.抵抗計測はしていない。(少なくとも制御には使っていない)
これは、以降の6.と7.にも関係ある話なんですが、
書いている通り、X6はアトマイザの抵抗値に合わせて、
出力を調整するような機能がありません。

X6の公証出力電圧とは、
あくまで、抵抗無し時のX6からコイルへの入力電圧が、
各出力設定値、(4.2/3.8/3.3 [V])なのであり、
真の回路(コイル)に対する出力電圧は、出たとこ勝負な設計となっています。


まぁでも、VVなMODってもしかしてみんなそうなのかな?
すくなくとも、手持ちのDNA30は、目標Wに追従するために、
コイル抵抗に合わせて、MODの出力を調整しています。

(他のVV機種については、将来的に、
iStickの解析記事の時にでも掘り下げてみましょう。)


以下、例として、各コイル抵抗時における出力高()
実際のコイルに対する電圧値の実波形を載せます。
 
画像の波形画面左下あたりにある"Vmax"の数字に注目してみてください。

【コイル抵抗:∞[ohm](アトマイザ無し)】
0Ω 10ms


【コイル抵抗:1.5[ohm]】
5Ω 10ms


【コイル抵抗:1.0[ohm]】
0Ω 10ms

【コイル抵抗:0.5[ohm]】
(!注意!X6のサブオーム通電は、推奨外です。よいこはまねしないでね!)
5Ω 10ms


もちろん、出力波形の周期とDutyは、各抵抗値の波形すべて変わらず
25[ms]の73.3[%]です。

X6は、PWM制御でのパルス変調のみを電圧の調整手法として
いるようですので、この時点で、アトマイザのコイルの抵抗の
ことは、特になーんも考えてないんだろうな、ということがわかります。

Vmaxを表にすると、↓のようになります。
【Vmax表】
00-00 Table

もし、抵抗に応じて、回路に対する電圧を常に、設計電圧としている設計ならば、
せめて1[ohm]より上の抵抗時はすべて同じ出力になるかと思いますが、
上記結果では、そうはなっていません。

まぁ、つまり、出たとこ勝負な設計なわけです。

…まぁ、当時はこれでもよかったんでしょう。
私は当時のことは知りませんが、VVが出た時点で、かなり革命的だったようですしね。

メカMODチックに、とにかくバッテリーの実力やヘタリ具合なりに出力
するしかないようなものから考えれば、三段階出力が調整出来るだけマシです。

その点、 最初に昇圧回路とフィードバック機構を取り入れた
テクニカルMODは優秀ですね。
最近は、温度F/B制御が、VAPE界の最新トレンドですが、
当時はかなりのイノベーションだったと思います。
(私もリアルタイムではないけれど、DNAを最初に触った時は、"すげー!"って超びっくりしました。)

最初に開発した人(会社)は、一体誰だったんでしょう。
レベルの高さで言えば、Evolv社なのかなぁと思っています。 


【ちょっと脱線】

bernoul

VAPECHKさんで、
VAPECHK「ぼくの考えたさいきょうのMODを買う権利をやろう」係というのを
やっているようなんですが、次のVAPEの電子制御のトレンドについて、考えてみました。

以前もちょっと書きましたが、いずれ流行りとして来るのは、
エアフローフィードバックコントロール(以下AirF/B)かな、と思います。
狙いは何なの?というと、「ミストの濃さを自動調整してくれる」ということです。

現在トレンドの温度フィードバックの狙いは、極端な話、
焦げの防止」が最大の目的だとrujiAは認識しています。

これっていうのは、焦げ=マズーと考えると、温度制御は、
不味いを防止する受動的な機能であるとrujiAは考えています。

上記に対して、AirF/Bは、美味さをアクティブに実現することができる機能
になると確信しています。

美味さは、ミストの好みの濃さである、とrujiAは思っています。
つまり、AirF/B制御は、ミストの濃さを任意の濃さにコントロールするんです。

じゃあ、濃さってどうやってコントロールできるの?というと、
要は人が吸っている量に対して、コイルの通電時間や
出力電圧を調節してあげればいいんです。

具体的な手法としては、例えば、下記のようなのを考えています。

_/_/_/
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1.ユーザーが、アトマを加えて、吸い込む
2.その際、アトマイザ内のセンサにて、時間あたりの吸入空気量([g/time])を算出
3.上記、吸入空気量に応じて、予めユーザーが設定した好みの濃度になるように、
出力電圧/通電時間を算出して、コイルに通電。
4.いつ吸っても、丁度いい濃さでウマー!
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


…どうですか?もちろん、乗り越えるべき課題は多いですが、
Vapeが美味くなるために進化し続けていくならば、必然的に辿り着く手法に違いないと、
rujiAは考えています。


当然、一番のネックになるのは、アトマイザ内に設置するセンサでしょう。

多分、アトマイザのサイズで吸入量を算出するなら、
薄い金属片に歪みゲージを貼り付けたセンサで、アトマイザ内の空気圧を
測定する方法(一部ではSpeed dencity方式と呼ばれています)を使用することになると
思いますが、日本国内のセンサメーカーによる空気圧計は、そこそこのお値段がします。
(末端価格で1万円くらい?)
それだと、アトマ単体でもへたしたら3万とかになっていまうかもしれませんね。

なので、チャイナのメーカーさんが、そのへんをどう安く作ってくれるか?
というところにかかっていると思います。
アトマのエアフローを、実測したことはないので、
なんとも言えませんが人の肺活量の範囲をかんがえたら、
実は作っちゃったら安くできちゃう可能性もあるんじゃないかな、と思います。

もし実現するなら、Evolvみたいに、自社で開発した技術を
いろんなMODメーカーに提供するスタイルがいいんじゃないでしょうか。

絶対高くても、現在のVAPE沼にハマってらっしゃる方々をみていると、
買う人は絶対いるだろうな~と思います。


未来の技術を提案(妄想) するのは、どんなジャンルでも面白いものですね。

VAPECHKさんにお願いすれば、作ってもらえるのかな?w
 

こんにとは!rujiAです。


【雑談:温度フィードバックについて】
dna40


 BLOG:my VAPE noteさんで、DNA40等の温度フィードバック機能について
とてもわかりやすいの説明図がありました。

狙いの動きについて、直感的にわかりやすくて
凄くいいグラフの絵だと思います。

温度フィードバック制御の狙いは、
VAPECHKさんのBlog記事にもある通り、

ユーザーの欲しいものは、美味しい蒸気であり、出力ではない。
→ 美味しい蒸気 = リキッドに応じたコイル温度


 というところが背景で、だったら温度を直でセンシングできればいいじゃん!ということですね。


ただ、個人的には制御の手法としての温度F/Bよりも、
温度の検出方法に興味があります。
特に、ユーザーのいじわる操作対策がどうなっているのか
という部分が気になります。


温度F/B機能に対して、コイルの材質に指定されている
Ni200(通称純ニッケル)は、電気抵抗の温度係数が大きいことが
特徴の一つのようです。 <参考:東京抵抗線株式会社>

ざっくり探してみましたが、残念ながらニッケルの温度あたりの抵抗値に関する
データシートは見つけることができませんでした。(あとで、腰を据えて探してみます。)


まあ多分、こんなかんじの特性なんじゃないかなと思っています。
下記図はあくまで私の勝手な予想の特性図(要は妄想)なので、
話の参考のみにとどめて下さい。

 ニッケル線温特

つまり、温度に対して、二次曲線であがっていく特性。
これなら、コイル温度が0[deg]のときの抵抗値がわかれば、
コイルの抵抗値から温度がわかります。


しかし、逆に言えば、0[deg]の時の抵抗値がわからないと
たとえニッケルであっても、抵抗値からコイル温度を算出することができません

要は、使用しているコイルの抵抗値と温度を事前にプリセットされていないと、
結局は温度がわからない
のです。

もっというと、パフボタンを押したその瞬間のコイルは、
あるときは、持ち主の寝起きの一服目だから、
部屋の快適温度(例えば20度)かもしれないし、

あるときは、ガンガンすって、バッテリーが死んだ直後、
満タン充電の電池にすぐに入れ替えたときで、
300度とか、熱い状態かもしれないし、

りゅうくんが、罰ゲームの氷風呂に入りながら吸っていて、
凄く低い温度なのかもしれないし、

ただ単に抵抗値を算出しているだけだと、
DNA40の制御用マイコンは、いくつの抵抗を
基準に温度を算出したらいいかわからない
んです。


rujiAの予想では、バッテリー温度と、
MODの出力電圧に対するニッケルの抵抗値の
時間あたりの立ち上がりの特性から、うまく相関関係に基いて、
ニッケルコイルの素の抵抗値を算出しているんじゃないかな~
なんて予想しています。


ああ~!もう解析したくてしょうがない!!!!!


珍しい制御を見て、あれこれ試して反応を見たくなる、
ドSデバッカー性癖をこちょこちょとくすぐられている気分です。


思えば、好きなあの子にイタズラしたくなる、
あの日の感情に似ているかもしれません。

 

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