VAPE MOD研究所

電子タバコのMODの計測と評価…というニッチなジャンルの日記

2016年03月

こんにちは!rujiAです。

本日も、Starplat基盤搭載RUSMODの解説記事の続きを書きたいと思います!
(予告記事から間あいちゃって、ゴメンナサイ!)

00-00


■過去記事■
[Mod Analysis]RUSMOD (Starplat) vol.1


今回の解析記事も、Dicodesの記事同様に、VAPECHKさんに
提出したレポートベースで、書き足りなかったところを補足する構成で参りたいと思います。
では、早速コットンの空焚きテストから参りましょう! 


 
2.RUSMOD(Starplat)解析レポート

02-001


2-0.目次
02-002


2-1.Cotton Burn TestによるTC検証 
02-010
 
ひとまず、CBTについては当然のように出来ていますね。

当Blogで検証しているMODの中では焼けが強く見えますが、問題ないです。
これは検証用のコイルを、今まで3.5mm径だったのに対して、
今回は細めのコイルで組んでしまったためかな、と思っています。

01-00


CBTはコイル温度は同一でも、コットンの量等で焼け方が変わってしまいます
本テストで重要なのは、コットンの焼け方が、設定温度に応じて焼け方が強くなっているよね?
 →焼け方が強くなっている=ちゃんとTCしてるね!ってことです。


そういう意味で、本MODはちゃんとTCできており、問題ありません。

ちなみに、同一条件でHB40(DNA40)の結果と並べると、こんな感じです。

01-02

この環境だと、むしろ本MODの方が、DNAより焼けは弱めですね。


余談ですが、同じ設定温度でも、コットンが焦げる、このことはつまるところ、
コイル径や使用している線材の材質、太さ、使用するコットンに応じて、
温度の設定は適宜変えるべきである、ということを示している、と考えています。

言い換えると、たとえ設定温度と出力上限が一定であっても、
アトマやビルドの違いで、味が変わるということが言えます。

この辺の、「TCってこう考えて、運用するべきである!」的なことについては、
もっとフォーカスしていずれ別記事にしようと思っています。


2.-1CBT波形考察
で、出力出力がこちら。

02-011


…とりあえず、ものすごい高周波のノイズが乗っています。

しかしながら、ノイズの中心にある本来の出力と思われる波形は、
乱れがみられないことから、制御基盤上にはノイズはのっていないと推測できます。

すなわち、たとえて言うと…





「え?怪我?いや全然平気だよ!(ジュースこぼしちゃった)」
02-013


みたいな話です。(なんのこっちゃ!)

見た目がとても大変なことになってるように見えますが
笑顔で返信してくれてるってことは、
ほんとに大丈夫そうだね!良かった!的なこと…なのか?w
(ゴメンナサイ、いい例え&いいフリー素材が見つかりませんw)


ノイズについては後述しますが、rujiAとしては、
Starplat側には問題がないのでは?と考えています。
その証拠に、ノイズの中心にある、MODの狙い出力は
とっちらかっている様子がありません

ノイズもusecオーダーで上下しているので、
実際のコイルの挙動に対しても、悪さをしていない
考えています。


本Blogの解析の対象としてはMODの制御手法に焦点をあてているのですが、
こうノイズでガッチャガッチャしてると本来みたい波形がわからないので、
本記事においては、必要に応じてローパスフィルタを適応して
制御の分析をしていきます。


で、ローパスフィルタを適応すると、こんなかんじになります。


02-012 CBT Filt


注目すべきは、オレンジの点線でかこった、B-seq後の挙動です。
参考に、DicodesとDNA40ではB-seq後こんな感じになっています。

<Dicodes No.6>
02-014 Dicodes


<DNA40>
02-015 DNA


拡大して並べると一目瞭然ですが、
B-seq後最低電圧に一気に急降下してから急上昇しているDicodes,DNAに対し、
本MODは、最低電圧に突入する前に、出力が持ち直して再浮上しているような、
有機的な出力カーブを描いています。
02-016 DIFF


これは、本MODの制御設計は、

出力カットのような電圧急降下 = ミスト濃度が薄くなるから好ましくない

という思想で設計されていると推測しております。


また、昇圧時も、なだらかに再浮上するような動きであることから、
弱めのPIDゲイン+FF成分強めな制御設計ではなかろうか?と推測しています。


PID制御(FB制御)と、FF制御の協調制御という点で言えば、
Dicodesと同様ですが、本MODは、DicodesよりもFF制御の成分が
相対的に強そうな雰囲気です。


例えて言えば、

02-04

DNA40は、「加速も減速も全力!」レーシングカー




ae90cdaa39c64272ad464fb51167a87d_s
Dicodesは、「加減速はゆったり!安定した挙動!」高級リムジン




で、本MODはというと…


02-017
「減速は基本回生ブレーキだぜ!」の、電車


といったところでしょうか?


それぞれ、思想の違い的なところがあるので、
一概に良し悪しは語れず一長一短な部分があるのですが、
本MOD(Starplat)は、より出力の変動が少なくしたい!という
設計思想なのだと思います。


上記思想は、Vapeの用途では、セッティングが上手く決まっていれば、
より味が濃くて、電池が長持ちする方向に貢献しそう
ということが言えます…けど、

私が吸った感じは、味の濃さは、

Dicodes >>> RUSMOD ≧ DNA40 

のような感じで、Dicodesに比べるとソコまで違う感じはしない
ただDNA40たまに急にミストが薄い感じになるのに対して、
本MODはそういうのがなく、相対的に味が安定している様に感じる、
といったところが実際です。


といったところで、コットンバーンのみならず、
若干具体的な制御の考察まで足を突っ込んでしまいましたが、
次回は、制御のもっと細かい部分について、
DNAの波形と比較してレポートの補足をしていきたいと思います!




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こんにちは!rujiAです!

本日は、Modderさんの間で話題の制御基板、Starplatを積んだ高級MOD
RUSMOD#5の解析記事 になります!

00-01
 
今回の解析記事も、Dicodes No.6同様、
VAPECHK社のご依頼で実現致しました!


VAPECHKさん、有難うございます!!

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1.RUSMOD#5概要

RUSMOD#5(以下、本MOD)は、
ロシア人ModderさんがFace bookページ、
RUSMOD box MOD等で販売しているMODになります。
(…で合ってるよね?)


特徴は、スタビライズドウッドと呼ばれる、
木材と樹脂の合剤で構成されたボディ、

そしてなんといっても、
制御部にModderさん大注目
シングル18650 バッテリー対応の制御基板、
Starplat を搭載しているという点でしょう!

1年ほど前では、Modderさんにとって、基盤単体で購入できる
製品としては、DNA40が最もメジャーでした。

dna40


当時はTC基盤としては唯一無二の性能を誇っていたことは、
当blogの解析記事にも書いたとおり。


時は戻って現代ではどうかというと、
TC基盤の性能としては、まだまだ一級品のDNA40

しかし、時代はTi,SSのコイルを使用したTC機が一般的で、
Ni200のTCのしか対応できないDNA40は、若干古臭さを感じます

現在のEvolvの主力製品は、DNA200
当然のように、Ni,Ti,SSに対応している上に、
パソコンに繋げることで、TCR特性をプログラムできるので、
任意の金属製のコイルに対応することも出来ます!

しかしネックは、電圧調整回路が降圧のみの対応のため、
基本的に2セル以上のLI-POバッテリーを推奨した設計であるということ。

つまり、Vaperの皆さんが親しみある18650が基本的に使えません
(使えるけど、放電曲線のプログラムなどが必要です。)

加えて、Li-poバッテリーは、生セルタイプの電池よりも、
扱いにノウハウがいるらしい。

…なーんて神経質な話も重なり、
Modderさん方は現在DNA200搭載製品を敬遠している傾向が有るようです。



そこで巻き返してきたのが、SX350jに代表される、
YiHi社の制御基板。

00 YiHi


18650シングルでも30[W](互換の有る[J]でYiHiは表していますが)で
運用が可能で、デュアルスタックだと、50[W]まで使用することが出来ます。


しかし最大の懸念は、
製造元が中国であるということだと思います…。


私は中国製品大好きですが、まぁそこは人それぞれというところで、
どうやら、敬遠する人もいるらしい、ということでw


で、そんな現代の制御基板業界に、
新星の如く現れた、本MODのに搭載されている、
ロシア製のStarplat!
00 SP



こちらは、18650一本で、50[W]にまで対応しています!

しかも、DNA40では対応していないTiコイルによるTCに対応している上に、
DNA200ほど緻密ではないものの、ユーザーが自分で
TCR係数を指定して、任意の金属のコイルに対応することも出来ます


そして、極めつけは、この小ささ

00SP

 液晶含めて、だいたい10円玉と同じくらいのサイズしか有りません!
スゴイ!

これだけ小さければ、MODの形状にかなり自由度があります


といったところで、世界中のModderさんの心の隙間を埋めるべく
して登場した、ロシア製のStarplat

その性能を評価してみて欲しい
とのことでVAPECHKさんから本依頼が来たわけです

これはもう、制御屋冥利につきる!といった具合の依頼でしょう!



というわけで、次回から解析記事に入りたいと思います。w


ちなみに、私、週末はオフ会には行けないのですが、
別件で関東方面にプライベート出張の予定がありまして、
更新は不定期になる予定です。ゴメンナサイ 


オフ会に行かれる皆さん、

道中気をつけて! & 楽しんで下さい! 



RUSMOD販売ページ@VAPECHK

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こんにちは!rujiAです!

本日は、UD BALROG7.0のレビューと、MODの解析を行います。 

00-00packa


本BALROG7.0は、海外のVAPEショップ
HEAVEN GIFTS様に提供して頂きました!
HGlogo


Thank you very much for the this offer!

 
0.BALROG7.0概要

BALROG7.0は、Goblin mini等でお馴染みの、
VAPEグッズの総合メーカー、UD社の販売するスターターキットです。
当記事では、このキットに付属しているMODを、BALROG、
もしくは本MODと呼ばせて頂きます。


00-01pack



キット内容としては、
本MODの他に、

1.BALROG TANK
 01-00Atm

 ゴブリンミニをプリメイドコイル対応
 したような背の低いアトマイザー。
 
 01-01Atm

 このアトマ、ジュースホールの高さが絶妙で、
 タンクが干からびる直前までリキッド供給できます。 


2.1.8Ωカンタルプリメイドコイル

3.0.15ΩNiプリメイドコイル

4.USBケーブル
 02USB
 フラット&マグネット付き&コンパクト設計で
 たたむとかなり小さくなるオシャレ!

5.Mod用ストラップ
 03slp
 MODにネジ止め出来ます。

6.BALROG TANK予備ガラス

7.510ドリップチップ用ヒートシンク

8.リキッド漏れ対策替えコットン

がついてきます。

キット内容は、至れり尽くせりですね!
かなりお得感のある内容です。

それでは、まずは見た目から評価していきましょう!


1.外観、使い勝手等 

04mod


画像は、最近購入したTOPTANKと合わせたトコロ。
この状態で1週間ほど使用しました。

マッドブラックなボディにワンポイントで
赤いロゴが入っていて、かなりかっこいいです。
トップタンクの黒とも相性抜群です。

私は、黒-赤な色の組み合わせが好きなので、
かなり気に入りました。

05SW

スイッチの操作感もすごくいいですね。
ストローク短めで、押すと、キチ!キチ!
節度感のある押し心地です。

あと、ボディ自体にかなり工夫が見られます。



まずは、リキッド漏れ防止用のコットンリング
510コネクタ周辺についています。なかなか画期的です。

06CTR

電池蓋は、もちろんマグネット式
07btc

電池はポジティブ側が下になるので、間違えないように注意が必要です。
蓋には親指でパフボタンを押すように握りこんだ時に
人差し指が収まりやすいように窪みが有ります。

質感も悪くなくて、至れり尽くせりな設計は、流石UDといったところ。
 
さらに、MODのメニューの設計もよく考えられています。
08menu

5ボタンで電源OFF、3ボタンで設定メニューは、
はわりと標準な構成ですが、
TC or VWを選択した後のメニューの展開は、
必要項目を入力してから
必ず一本道でExitに行けるようになっていて、
直感的かつストレスなく操作することが出来ます。
確実にDNA系よりわかりやすいし、使いやすいと思います。

ほんと、こういうきめ細やかさはUDのいいところだと思います。


2.コットンバーンテスト(計測不可)

コットンバーンテストを行おうと思ったんですが、
本MODはドライコットン検知ロジックが入っていて、
行うことが出来ませんでした。
取り敢えず、試しにやってみた30[W]、 400[degF]時の
波形が、こちらです。

09CBT

ちょっとB-seq(プリヒート)時の
ノイズっぽい波形が気になりますね。

およそ4秒程度でドライコットンを検知して
通電が自動OFFされました。

10noliq

ひとまずこの波形でわかるのは、
本MODのはどうやらDC-DCのリニア出力ではないっぽいということです。

あ~、どうりでつかってても、凄く速い速度でシュワシュワと
いっていたわけだ、と思いました。

追記しておくと、ドライ検知は秀逸で、
上記テストの結果、コットンはほとんど焦げてませんでした。

11drycttn

 

3.TC波形

TC時の波形です。

30[W]、250[degF]時の波形がこちらです。

【TC波形 30[W] 250[degF]】
12TC

前項CBTを試みた際の波形でわかっていましたが、
やはりリニア昇降圧ではなく、パルス的に
出力変動させるタイプの方式のようです。

しかし、VAPEの電圧調整で一般的な
単純にDuty比を指定するタイプではなく、
周期も変化させるタイプの制御方式のようです。

拡大した画像がこちらです。

【TC波形 30[W] 250[degF] 1div=20[ms]】
13TCzoom

コイル温度昇温を狙っていると思われる画像左のオレンジの周期は
約34[ms]で有ることに対して、
降温を狙っていると思われる画像右のシアンの周期は
約49[ms]であり、明らかに制御周期が異なります。

1[ms]程度を周期誤差であると仮定するならば、
プログラム上の処理周期で、最小単位5[ms]にて
パルスの周期を随時演算しているのではないか、と推測します。


リニア昇降圧でない理由は、単純にDC-DCコンバータを
ケチっているからだと予想できます。


でも、何故周期まで変える方式なのか…?
恐らく、コイルの抵抗値計測を、
出力オフ時の低電圧で行いたかったからではないかと予想します。


80mv

本MODでは、電圧調整時において、
出力オフの時でも約80[mV]程度の弱電圧を出力しています。
この時に、コイルの抵抗値を計測しているのではないか?と推測します。

リニアな昇降圧ができないコストの安いハード構成で、
TC成立のための正確なコイル抵抗値を計測するための
工夫である可能性があります。

もしそうなら、なかなかチャレンジングな制御設計かなと思います。

私は、解析対象のMODは、計測する前に1週間程度
実際に使ってみてから計測するのですが、
ぶっちゃけ、本MODはDicodes以外の他のTC-modと比べて、
味が特に薄いとかは感じませんでした。

過去解析した、M80+eGo one VTは、低出力をPWMでやっているから、
温度検知の精度が確保出来ず、TCの性能が、
からきしだったり、イマイチだったり
していたと予想していますが、
このModはパルス的な出力波形にも関わらず、
これら2つのMODはと違い、TCが成立しているといえます。

そういった意味では、低コストとTC成立は実現できているので、
効果のある設計思想だったのではないかといえます。


そして、繰り返しますが、少なくとも、私が使った限りでは、
他のTCMODとくらべて吸ってて味が微妙とは思いませんでした。

Kangxinのように、リニア出力で波形がブレブレというのとは、
違って、かなり高速でON/OFFしてるから、
コイル温度がブレてるわけではないのだろうと推測します。




4.BreathingTest

リニア出力ではないMODに対して、本テストをやっても、
結果の評価がかなり難しいんですが、取り敢えずやってみました。

【30[W] 400[degF]】
15BT

とてもわかりづらいですが、
息を吹きかけたあたりで、
パルスのON時間がすこし変わっているので、
一応TCによる昇圧は出来てはいるようです。
M80とは違いますね。

電圧波形からはレスポンスは評価できないけれど、
液晶表示を見る限りはDNAやKangxin並の
レスポンスとはいかなさそうでした。

でも、eGo-one VTよりはマシです
実用上は問題になりにくいレスポンスかな、とは思います。




5.VW

まずは、MAX波形行きましょう。
【0.5[ohm] 70[W]】 
16MAX

…ガッチャガッチャしてますね。
収束後は4.5[V]~8.0[V]の範囲でかなりブレています。
この収束時の波形を100万分の1で拡大してみます。

【MAX拡大波形 1div=1[us]】
17MAXZ
 

4.4[V]~8.0[V]で6.5[us]周期(160k[hz])で昇降圧してますね。
ただ、昇圧と降圧のピークで所謂リンギングノイズっぽいのがでてます。
このノイズが、ガチャガチャの原因ですね。
私、ハードにはあまり詳しくないのですが、
もうちょいナントカならんかったんだろうか…と思います。


で、次にMIN波形です。

【0.5[ohm] 5[W]】
18MIN
 

…かなり嫌な予感がします。

 
正直、いまだかつて無いほどのノイジーな低圧波形です。
しかも、ノイズがGND突き抜けて、マイナス側にめり込んでいる
ようにみえるけど、大丈夫なんだろうか…
20万分の1に拡大するとこうなってました。

【MIN拡大波形 1div=1[us]】
(マイナス側出力を見るために、0[V]ラインを中央付近にオフセットしてます)
19MINZ


【1周期クローズアップ】
19MINZ1




!?



 
普通のパルス降圧波形じゃない?
なんかウニョウニョいいながら最後にでかいノイズがでてる! 


ノイズの波形にクローズアップしてみたのがこちら。

【MINノイズ拡大波形】
20MINZ2
 

カットオフした時に、
お釣りで-6.0[V]まで逆方向に電圧が発生しています。。。
 
多分…とても短い時間なので、
部品の実力から言えば問題ないぜ!
…ってことだとは思いますが…、

かなり、イケてない設計だと思います。

ウニョウニョも、周期から推測するに、非常に高速でおきているので、
設計者が狙ってやっているわけではなく、基盤のハードウェア的な
要因で起きていると推測します。

 

以下私の妄想なのですが…
多分、電気回路設計あんまりやったことない人が、
安請け合いして回路設計してるんじゃないかなぁ。。。
 
他のTC-MODとは、TCがのやり方が違ったことからも
推測するに、他のMODの出力波形を解析した経験も
無いのではないかと思います。
 
…VWに関しては、当Blog的には、
あまりいい印象ではないのが正直な感想です。  

 

6.総括 


ん~…

なかなか結論を言いヅライ結果となってしまったなぁ、
といったところです。


見た目は超いいです。
価格から言っても、このクオリティで美味しいアトマ付きで
この価格は、かなり良心的な値段だと思います。

ただ、VWが微妙とあっては、
現在の選択肢としてはかなり微妙と言わざるをえないです。

TCはからきしでも、高VW機としての性能は十分なM80+とは違い、
本機種はVWがイマイチなので、使うならTCメインの用途になるでしょう。

…ところが、そのTCの性能は、独自の波形過ぎて、
良し悪しの判断が難しい…、
なので、当Blogの趣旨からすると、
手放しでオススメとまでは行かない印象です。


強調しておきますが、悪くはないです。
私が計測前に一週間持ち歩いて使っても、
特にTCのに不満は感じませんでした。



ただ、例えばDNAやiStick40、
そしてDicodesのTC波形のように、
波形でみて、すごく良いね!ということを
言える決定打がありません。
(これは、ある意味、私の知見不足です。ごめんよUD…



繰り返しますが、見た目や、リキッド漏れ対策の機構など、
外観の設計はピカイチです。
 
さらに、メニューの構成なんかも使いやすくて
そういう気遣いは、正にUD!流石だね!というべき点です。

UDの中の人は、VapeMODの見た目、操作感はこうあるべき!
という信念を持った人なんだろうと思います。



ただ…っ、制御システムを請け負った人は、そうではなかった。



そういう意味では、UDはまだ独自基盤に手を出すべきじゃなかったと思います。

まずは、Kangxinとかの激安DNAもどきのチップでも採用して、
DNAとくらべてどうか?しゃぶり尽くす期間があってもよかった
んじゃないかと思います。


…ほんともったいない。せめてEleafみたいな波形であれば
話は違って、「超おすすめです!今はこれです!」みたいに
言えたのになぁ。。。


ともあれ、デザインや機構側の工夫はUDならでは!といった
高いクオリティであるのは確かです。


なので、熱狂的なUDのファンや、
自宅用のハイエンド機の代替で普段使いのVAPEセットを
安価で一式揃えたい人、あるいはMODコレクターなあなたには、
おすすめできる逸品です。


私はというと…、

制御面でパワーアップしたUDの次回作に期待したいと思います。w


こういう、システム設計を歩み始めたメーカーの
成長を、出力波形を見ながら見守ることも、
波形解析の醍醐味ですね。



UD BALROG7.0
$68.00
HEVEN GIFTS



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こんにちは!rujiAです!

本日も、一部で話題のハイエンド機、Dicodes社No.6の解析記事の続きです!



00-06

さて、今日はサクサク行きましょう!


前回は、
・本MODは降圧時になにか制御的な小技を使ってるっぽい!
 その小技のおかげで、味の濃さを実現してるのではないだろうか。
 →エリッヒさん(仮名)すごい。

と言った感じで次回へ続く、としたわけですが、
今回は、BreathingTest によるレスポンス評価の結果と、
計測波形を踏まえながら、その辺の小技について、
制御設計の観点から妄想考察してみたいと思います。 

それでは、参りましょう!


■過去記事■
[Mod Analysis]Dicodes No.6 Vol.1 - 語句解説
[Mod Analysis]Dicodes No.6 Vol.2 - コットンバーンテスト
[Mod Analysis]Dicodes No.6 Vol.3 - [vsDNA40]TC波形






 2.Dicodes No.6解析レポート

2-3.[vsDNA40]Breathing Testによる制御レスポンス評価

01-08


波形計測の結果からいうと、以下の事が言えます。

・息を吹きかけてからの応答性(レスポンス)に関しては、
 本MODも、DNA40も、同等レベルと言える。

ピーク出力は、DNA40の方が高い
 →但し、本MODは前回記事で解説したとおり、降圧波形が緩やか。
  →故に、ピークは低いものの、要求性能としては双方問題ないレベルである。

・外乱印加(息吹きかけ)後の収束性能は、Dicodes圧勝!

これを表にまとめると、レポートの表(下表)になるわけです。

00-07

比較した際の本MODの特徴としては、収束速度が速い!ということが言えるわけです。 


何故か?というところを考えると、
前回記事でも話題に上げた、降圧時の出力波形に違いが有ることがわかります。

01-09



ちょっと丁寧に解説すると、

DNA40は息の吹きかけでコイル温度の低下を検知した後
高いピーク電圧にむかって一気に昇圧していますが、
その後の降圧時に、大きく出力がアンダーシュートしています。



01-09-01


これは、この場面だけ切り取って言うと、
DNA40はPID制御のP項とD項がハイゲイン過ぎ(≒張り切りすぎ)て
温度を上げ過ぎちゃっている、といえます。

毎度おなじみの車の運転に例えると

高速道ををクルージング中に、
前のペースの遅い車を一気に抜こうと思ったら、
必要以上にアクセルを踏みすぎちゃって
前走者を抜いた後にブレーキも併用して減速している
ような感じとでもいいましょうか。


対して、本MODの波形は、コイル温度が安定したと思われる
後半の3回については、目立ったアンダーシュートがありません
01-09-02

こちらは、まるで絶妙なアクセルワークで、節度よく踏んで
じんわりアクセルをリリースしながら優しく元のクルーズ速度に収束させる感じ。 

実にエレガントですね。


これを、実際にどうソフトウェアにどの様にやらせているのか、というと、


そう!vol.1の解析記事で書いた、
フィードフォワード制御を使用している!と推測しています。


昇圧時→高圧時のDNA40の波形の拡大図が、こちらです。
01-09-03

昇圧時と降圧時の波形が、同じような傾きです。
これは、一般的な普通のPID制御の特徴で、
電圧を上げる時も、下げる時も同じゲイン(=加減)
コントロールする制御系であると推測できます。

eVolvの当時の設計思想では、
普通のPID制御でも、セッティングの努力だけで十分TC出来るさ!
という考え方だったのだろうと思います。

当時のDNA40はTC-MODの思うのトップバッターですからね。
まずはベーシックな制御系で!というのは、理解できる考え方です。

例えると、

02-04

アクセルの加減も、ブレーキの加減も、俺の操作速度なら、
同じ位の調整加減でやれば、ドライブできるさ!
…そう思っていた時期が僕にも有りました
」 



しかし、後発のDicodesのエリックさん(仮名)は違います!

コイルってのはなぁ!
降圧するときの職人の微妙な加減が大事なんだ!」

と言ったかどうかはわかりませんが、
Dicodesの波形はこちらです。

01-09-04

DNAと比べると、昇圧の山の高さが低いことも有りますが、
一番の特徴は、ピークを境に、左右非対称な傾きである、ということです。

そのおかげで、降圧時に、アンダーシュートが殆ど無いという、
制御系においては理想の波形を実現しています。
 
実にエレガント


この、非対称な傾きですが、単純なPID制御では実現することが不可能です。
従って、私の推測では、Dicodesは、

・昇圧時は、フィードバック制御(PID)のみ。
・降圧時は、 フィードフォワード制御+弱めのフィードバック制御の協調制御

というように、昇圧時と高圧時で、制御ロジックを持ち変えるような、
少し凝った制御系(小技)をするように設計していると考えています。


例えるならば、
ae90cdaa39c64272ad464fb51167a87d_s

加速するときは、スピードメーターを見ながらアクセル踏んで、
 減速するときは、スピードも横目で見つつ、
 タコメータやエンジンの音を聞きながら
、アクセルをゆっくり抜く。
 …それが上質な車内空間を生むのさ!」

…といった芸当をして、無駄な減速G(=薄いミストの発生) を最小限にする
といったことをしているようなイメージですね。

ゆっくり減速することを考えると、追い越しのための
アクセルの踏み込みも最小限でいい…

そんな感じです。

どちらのほうが、車両(コイル)挙動が安定しているか
おわかりいただけると思います。

もしかしたら、ハイゲインのDNA40の方が、
冷却したコイルが再び目標温度に到達するスピードは速いのかも
しれません。

しかし、私は、TCのメリットは、ミスト濃度の安定ドライコットンの防止
の2つにあると考えています。


だから、ミスト濃度を安定させるために、
ピーク電圧を低くして、出力の変動をなるべく抑える、という
Dicodesの設計思想は、
eVolvよりも私の理想のTCに近いと考えます。


制御設計にフィードフォワード制御も取り入れる、という思想は、
今後のTC制御開発において、トレンドになっていくだろうと思います。



では、次行きましょう!




2-4.VW波形計測
01-10

 
結論から言うと、VWは普通のMODです!w

特に優れている点は無いと思います。 

VWに関しては、過去のDNA40計測の結果と比べると、
DNA40の方が優っていると言えるかもしれませんね。 

出力設定を高くすると、
それに応じて、通電可能時間も短くなる
ように
制御設計しているようです。

もしかしたら、TC時の高精度なリアルタイム出力調整を可能な
DC-DCコンバータだと、VWの精度がトレードオフに
なったりするのかなぁ?
と考察しております。
 

2-5.[総括]Dicodes No.6

長ったらしいので、カットしますw
言いたいことは、このあとの3.まとめで書きたいと思います。 

レポートの総括をお読みになりたい方は、
VAPECHKさんの下記販売ページから
私のレポートが全部読めますので、そちらからどうぞ。w

Dicodes No.6販売ページ@VAPECHK



01-12



以上で、レポート解説終了です!



3.まとめ

Dicodes No.6の解析記事、いかがだったでしょうか?

私としては、制御波形から制御設計者のVape愛が感じられて、
大満足
の解析でしたw


私としては、今後フィードフォワード制御を
もっと積極的に使ったTC-modの登場に期待しています。

Vol.1の記事で、フィードフォワード制御の挿絵に、
スイカ割りしてる間抜けな感じの画像を使ってしまったので、
FF制御にいい印象を持っていない方が多いかも?と思っていますが、

私の考えでは、究極の制御は、
FF制御メインの弱FB制御との協調を、全域で行う制御だと思っています。

なぜならば、FF制御は、テキトーに作ってしまうと、"やりっぱなし"に
なってしまいますが、
条件を絞って完璧に制御ができれば、
”未来予測制御”と呼べる完成度になるからです。

反対に、フィードバック制御は、
結局は「起こった事実」に対してしか動けないので、
どうしても制御内容が後手になってしまうという
仕組み上の限界があります。

ましてや、リキッドでひたひたのコットンなんて、
マイコンの処理速度と比べるとゆっくり温度が伝わるので、
温度の計測周期を高速にしても、やっぱりFB制御では限界があります。

なので、現在の更に良いTCシステムを、テクニカルMODに求めるならば、
過去と現在から、ある程度確定的な未来を推定して、
FF制御をメインにしないと
これ以上のTC機能の進化は望めないと考えます。

そして、予定調和とズレてる!となった時に、
目標を修正するために、弱めにFB制御を利かせる制御こそが、
究極のTC制御である!と考えています。


そういった意味では、本Dicodes No.6は、
一歩踏み込んだシステムを搭載した、革新的な1台だといえると思います!

以上で本MODの解析記事を終わります!




Dicodes No.6販売ページ@VAPECHK

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こんにちは!rujiAです!

本日は、一部で話題のハイエンド機、Dicodes社No.6の解析記事の続きです!



00-05


本日の日替わり画像は、MOD底面の写真です!
半つやのステンレスの質感がポリッシュとはまた違う高級な雰囲気ですね。

ちなみに、私はEfeast26650を使用して計測しましたが、
バッテリー蓋が2スレッド分めり込みます
ニップルトップでも使えるようにとの配慮なんでしょうかね?





さて、前回の記事では、「Dicodesは見たことないくらい安定した出力波形だ!!」
みたいな終わり方で尾を引きながら、次回に続く、としたわけですが、
 
本日は、皆さんお待ちかね!TC時の波形計測です。
Dicodesの制御の確信に迫る内容の記事です。

それでは解析記事の続きを書いていきましょう!

■過去記事■
[Mod Analysis]Dicodes No.6 Vol.1 - 語句解説
[Mod Analysis]Dicodes No.6 Vol.2 - コットンバーンテスト







2.Dicodes No.6解析レポート

2-2.[vsDNA40]TC波形計測/評価


Dicodesを使って、TCでVapingしたことのある方なら
皆さん感じているのではないかな、と思っていますが、
 
DicodesはTC時のミストとても濃く
リキッドの味がよく出ているような印象が私はありました。

計測前は、そのメカニズムは、

「どうせこんな感じで…

01-06-00

ブーストシーケンスのピークを高くして、
時間も長くして、収束温度時の
目標出力をちょっと上乗せ気味に制御してるんだろうな~。

てか、どうせ制御でできることなんて、その程度のことしかないだろうしな…
アコギな世界だよな、Vapeも…

…な~んて、皮肉めいたことを思っていたら、


 

あれま!
Dicodesさんやっぱり只者じゃなかったよ!





という内容の波形だったのです…。

(こういう、「どうせこうだろ!…と思っていたら、ぜんぜん違う」という瞬間が
堪らなく楽しくて、私はVapeの波形計測をしています。w)








下記レポート中の波形は、本MODと、DNA40を、
同じNiのコイル、同じ目標温度、同じ上限出力、で計測した波形になります。

01-06


いや~…………………………

まぁいろいろ驚いたんですけれども…

まずは、結果の1.に書いたとおり、
やっぱり凄く安定しているね、と。
DNAのような細かいハンチングが全くと言っていいほど無い




そして、一番びっくりしたのが、
B-seqから収束波形までの軌跡が、
DicodesとDNA40であまりにそっくり過ぎる
んですよね。



全然別のメーカーなのに、こんなことって有るのかよと思ったんですが、

私の考察では、 DicodesがDNA40のロジックを真似ているのではないか?
と思っています。

これつまり、Dicodesが、
「究極のTC制御システムを作るぞ!」と意気込んで選んだベンチマークが、
eVolvのDNA40だったんではないかということです。





そして、こんなに滑らかな出力は、
制御=(ソフトウェアの工夫)だけでは実現がとっても困難
むしろほぼ不可能だと思っています。


おそらく、所謂CPUも、DNAよりもっと速いものを使っているし、
DC-DCコンバータも、調整レンジがかなり細かいものを
使っているのではないだろうか?と私は推測しています。

私の解析したMODの中では、eVolvがハードウェア面では
最上級の構成のものだろうと思っていましたが、
Dicodesはそれを圧倒的に上回ってるんじゃないだろうか?
と思っています。


実際のところは、基盤の解析とかを生業にしている方に
聞いてみなければ、私にも事実はわからないんですけどね。w 




お寿司で例えると、スシローの大トロ超うまいとおもっていたら、
築地の寿司ざんまいの大トロが、更にぶっちぎりでうまかった!

みたいな話でしょうか?
(例えがチープですみませんw) 






しかし、ネタ(=ハードウェア)も素晴らしい物を使っていそうだけど、
さらに、Vapeが好きすぎる、職人肌の設計者(※妄想です)
握り方で小技を使って、旨さを追求している!というのがDicodesの真髄です! 


冒頭にも書いたとおり、DicodesはTC時、とてもミストが濃いです。
その理由を、出力波形から考察してみました。

01-07
 

注目していただきたいのは、
ブーストシーケンスから TCに切り替わる時の波形です。


DNA40は、下図のように、ブーストシーケンスが終わると、
「カクッ!」と鋭角に(急に)TC時の目標電圧に降圧しています。 

01-07-02





他のTC-MODでもそうなのですが、
TC時に、パフ後1秒ほどで、
ミストの濃度の急激な変化を感じる事があります。

恐らく、上記図でカクッ!と出力が落ちる瞬間に、
発生するミストの量が減っている
のではないかと推測しています。


対して、Dicodesはどうでしょうか?

01-07-03
 B-seq後の降圧の軌跡が、緩やかなんです。

これは、今まで計測したTCの波形には見られない、
特徴的な出力変動です。







車で例えると、DNA含む普通のTC-MODは、
高速道路に合流した際に、アクセルをガツン!と踏んで、
ガーーッ!っと加速し、合流したら直ぐにアクセルを抜いて
ガクンと車両挙動に減速Gが現れているイメージ

対して、Dicodesは、
ガーーッ!っと加速し、合流した後に、
急激な減速Gを嫌い、スーッ…と優しくアクセルペダルをリリースしている。

アクセルペダルで狙ったエンジンブレーキを再現できるなんて、
レーシングドライバーでも中々いないよ!!

みたいな話なわけです。





その結果生じる出力の面積差が、
Dicodesの味の濃さの秘密!なのだと思います。

01-07-04



…なんていうか、好きこそものの上手なれなんてことわざがありますが、
Dicodesのキーマンになっている技術者は、それを地で行っているような
人なんだろうなと、感じました。




多分、設計者は、DNA40を吸いながら、
「こうだったらもっといいのになぁ~…(プハー)」と
普段から理想の制御のことを頭の何処かで考えているような
Vape馬鹿なんでしょうね。(もちろん最大限の褒め言葉です)






金さえ稼げればいいとしか思っていない、
安いMODのマニュファクチャラーにはなかなか出来無い芸事だと思います。

私は、高いハイエンド機よりも、安いMODが好きですが、
こういう場面に直面すると、ハイエンド機の開発者には
心の底から敬意を抱かざるを得ません。



…そんな思いに胸をはせていると…





「馬鹿野郎!一体何回言わせるんだ!!

TC中のコイルは、どうして欲しがってるんだ!?

B-seq後のコットンはどうして欲しがってる!?


いいか!
もっと感じるんだ!
コイルの気持ちになれって言ってるだろうが!!」




…そんな風に、若いMODエンジニアに怒鳴りつける、
職人気質のキーマン、エリッヒさん(仮名)
の姿が目に浮かぶようです…。 


と、本日はここまでにしておきます!

次回は、Breathing Test(息吹きかけ試験)による、
レスポンス評価の波形から、
このあたりの制御構造について、考察してみたいと思います! 


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こんにちは!rujiAです!

本日は、一部で話題のハイエンド機、Dicodes社No.6の解析記事の続きです!

ちなみにこのMODのレポートは、全部で12ページに及びました。
私としてもかなりミッチリ見た結果なのですが、
なかなか考察のし甲斐のあるMODでして、
12ページでも、語りたいことが語り尽くせない!というのが正直なトコロです。

ですので、本MODの解説記事については、
レポートをベースに、解説を追記しながら、
分割してちょこちょこと更新していこうと思います。
(平日更新ということでご了承願います。w)

00-04


画像は、510コンタクトの接写。

スレッドの精度も素晴らしくて、アトマがクルクルキュッ!っとはまります。
ハイエンドならではの精度です。

スレッドの近くには、シリアルナンバーらしきものが印字されています。
300番代なので、レアとは言いつつも、世界中に300人以上愛好家がいるみたいですね!

今回の記事からは、
”この出力波形なら、300人以上の違いが判る愛好家がいる理由もわかるぜ!”
とでも言った感じの内容になります。

では、早速前回の記事の続きから参りましょう!

2.Dicodes No.6解析レポート

2-1.コットンバーンテスト(CBT)

念のために、コットンを空焚きして、TCの有無を確認しておきました。
ちゃんとしたメーカーなんで、やるまでもない、とも思いますが、一応。 

というわけで、結果はこちら。

01-04
 
本MODは、250[degF]から600[degF]まで設定できるのですが、
500[degF]の時点で出火しましたので、 試験はソコまでとしておきました。

ちょっとヤキメが付気味に見えますが、まぁ、こんなもんでしょう。
私の環境は、計測ハーネス分で若干抵抗値が上がる方向にずれているので、
実際の運用ではもっと焦げが少なめになるはずです。
(そのうち低抵抗のハーネスを作りたいと思っています。)

重要なことは、設定温度に応じて焼き目が変わっている、
つまり確実にTCしてるねってことです。

で、波形も計測したんですが、それがもう…ビックリ!な波形でして… 

そちらの考察がこちら。


01-05
もともと、ここで言いたかったとは、ブーストシーケンスの
継続時間と収束出力が、設定温度別にちゃんと変わっているし、
ブーストシーケンスの時間とピーク電圧の設定が、DNA40より細かくていいね!って
ことなんですが…

それよりも、一目瞭然のとおり、DicodesはDNA40と
比べて収束後の波形にハンチング(波形の上下振動)が少なく
圧倒的に安定してヌメヌメした波形を出力しています。

この時点で、「こいつ、只者じゃねー!!」と一人でビックリしていました。


これは、DNA40の波形に、ノイズが入ってる!…とか言うことではなくて、
Dicodesは、出力波形がものすごい細かく調整できるし、
温度の計測や、出力の計算の処理周期が、段違いで速い周期で行われている!
…んではないかなと考察しています。


 
車のアクセルの量でたとえると、
DNA40は、アクセルを全開~全閉間で7段階程度で調整できているのに対し、
Dicodesは、20段階くらいで調整しているような感じです。
レーシングドライバーかよ!みたいなことです。

要は、すごく緻密!!

ちなみに、その例で言うと、
Kangxin等のTC黎明期の安い中国産MODは、
アクセルを全開と真ん中と全閉の3段階くらい
でしかできてないような感じです。w

こんな感じで、終始大きな振幅振動的な波形ですからね。

あ、ちなみに、DNAの名誉のために補足すると、
このページの波形だと、各温度を重ねあわせて表示しているので、
DNA40の波形がやたらガチャガチャして見えますが、
これでもDNAはかなり優秀な方なんです! 

この辺についても、次のスライドでもっと詳しく語らせていただきましょう。

…と、いうわけで、次回に続く!

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こんにちは!rujiAです!

本日は、一部で話題のハイエンド機、Dicodes社No.6の解析を行います! 


00-00

 今回の解析記事は、通販Vaperさん御用達の、あの!
VAPECHK社のご依頼で実現致しました!


VAPECHKさん、有難うございます!!

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1.Dicodes No.6概要

Dicodes No.6(以下、本MOD)は、ドイツのDicodes社のMODになります。

こちらの会社は制御基板から自前開発しているメーカーのようでして、
代表製品のひとつであるDicodes2380Tは、海外で解析屋さんの間でも、
「制御波形がかなり安定している!」ということで話題だったようです。


…と、私が知ってるのは、伝え聞いた話でこんなもんで、
他には情報は一切存じておりませんw


世界的にもそこそこレアな商品なようで、
国内での入手先としましては、依頼元のVAPECHKさんが確実かと思います。

Dicodes No.6販売ページ


特徴としましては、

・26650電池仕様
・出力:5 - 60[W]
・最大出力:12[V]
・最大電流:20[A]
・TC対応(Ni200, Ti,
そしてNi-Fe)
 ※Dicodes社は、自社で製造している
  Ni-Feワイアの使用を推奨しているようです。
・人間工学に基づいたデザイン

といったところでしょうか!


この人間工学に基づいたデザインですが、
かなり握りやすくて使いやすいです。

00-01


VaporFlaskのように窪みがあるので、親指ががジャストフィットします。


また、VaporFlaskと違って、ボタンが側面にあることで、
パフボタンと上下ボタンが、人差し指と中指と薬指に
これまたジャストフィットして、操作しやすいですね! 

00-02
 

太さも、26650だから大きすぎるかなぁ?と思っていましたが、
むしろこのくらいのほうが持ちやすいと思います。 

液晶の表示が逆になってしまうことが気にならなければ、
左手で持ってもこれまたジャストフィットします!

00-03

人間工学流石です!


個人的には天井面に液晶が有るということがポイント激高です!

なんでもっと天井液晶の機種増えないのでしょうね?
皆さん、Vaping中の出力変動とか興味ないのかな?(無いのか…) 
天井液晶のDNA200がでたら、即買するのに…と、
私は常々思っております。w 


とまぁ、見た目の話題はこんなもので、実際の解析に移りましょう。 

2.Dicodes No.6解析レポート

さて今回VAPECHKさんからは、
"DNA40と比較して、本MODはどういう位置づけなのか知りたい"
とのことで依頼を受けましたので、
特にTC機能についてDNA40と徹底比較するような形解析レポートを作成しました。 

ですので、本記事も基本はこの解析レポートの記事に添って、
若干補足するような構成で書いていきたいと思います。

表紙

01-00

目次
01-02



2-0.語句説明

このページでは、実際に解析結果を解説する上で、
前置きとして説明したほうがいいだろうなぁ、と思ったことを解説してみました。
01-03

【補足】ブーストシーケンス(B-seq)って?

本記事中でブーストシーケンスと呼んでいる状態は、 
TC開始直後に、高めに出力してコイルの温度上昇を
サポートしてあげる制御状態
を指しています。

私が今まで解析したTC-MODは全部この機能がついています。


02-01 B-seq

車で例えると、一般道から高速道路に入った際に、
高速道路本線の流れに乗るために、アクセルをたくさん踏んで加速している状態
とおんなじような感じです。

この場合、
アクセルの踏み具合は電圧
目標速度はTCの設定温度、 
自車の現在スピードはコイルの温度、とするとわかりやすいかもしれません。

そのとき、ぐーっ!っとアクセルを踏んで加速して本線の流れにのったら、
アクセルを緩めて100[km/h]に巡航するためにエンジンパワーを調整しますよね?
 
この、ぐーっ!っとアクセルを踏んでる状態とおなじように、
TC時に通電し始めでは、MODがぐーっ!っと電圧を上げているんです。

この状態を、私はブーストシーケンス(B-seq)と呼んでいます。 
ちなみに、わたしが便宜上勝手に名づけてるだけなので、
もっと適当な名前があるかもしれません。w

【補足】フィードフォワード制御って?

以前の記事では、「オープン制御」と呼んでいたこともありますが、
今回の記事では、フィードバック制御と対義する形で表現するべく、
フィードフォワードと呼ぶことにしました。(コレは一般的な制御用語です。)
ひとことで言うと、"やりっぱなし制御"です。

フィードフォワード制御は、実行されるとお構いなしに決められたように電圧を調整します。
現在のコイル温度とかは関係ありません。

02-02 FF


スイカ割りで例えるなら、「真っすぐ歩いて5歩先にスイカ!」と十分に測量してから
当てに行くスイカ割りの出来レースみたいなものです。

理論上、スイカの位置が変わらなければ、
速く、簡単で、確実に目的を得ることが出来ます。



【補足】フィードバック制御って?

フィードバック制御は、電子タバコでいうと、もっぱらTCのことを指します。
コイル温度のことを計測しながら出力を調整するように、
常に自分の目標と、今の自分の現在状態を比較しながら出力を決める
制御のことを言います。

02-03 FB



車で例えると、 常にメーターとにらめっこしながら、
目標速度に合わせているような状態
です。


…と、ここまで聞くと、
「どう考えてもフィードバック制御のほうがハイテクだろ常考!」 と思われるかもしれませんが、
そうとも限りません。

SUBOHMのコイルを使用するVAPEのTC環境では、
車で例えると、
何百馬力も有る車で、人通りの多い道を神経使って
速度調整している
ような状態と似ています。

ちょっと踏むと、スピードオーバーしちゃう!はみ出して人轢いちゃう!

…そんな場面では、メーターとにらめっこなんか出来ませんよね?

そういう時に、人間は、「このくらい踏めば、このくらい進む!」と、
無意識のうちに考えて、自分の車線場を見ながら自動的に
自分の操作量=アクセルの踏み加減をフィードフォワード制御しているといえます。

車の例えを多様してきたように、実際に車を運転しているときに、
運転者は、フィードフォワード項とフィードバック項を、
状況に応じて高度に協調
しながら運転しています。

さらにいうと、運転の上手い人ほど、フィードバックよりも、
フィードフォワードの成分が強い!
と言われています。
一般的に、「職人の勘と経験」なんて呼ばれるものは、
いわゆるフィードフォワード項です。

と、いうわけで、一概にフィードバックが優れている!とはいえず、
ある程度制御対象の挙動がわかっていれば、
フィードフォワードの方が優れている場面もあるんですね! 

ちなみに、ちょうど1年ほど前に流行っていた、SMOKBT50に搭載されていた、
時間あたりのVWの出力をプログラマブルできるモードは、
こてこてのフィードフォワード制御です。

あれは、自分の使っているカンタルコイルの比熱なんかをわかっていれば、
カンタルコイルで究極のFF-TCできる可能性のある機能で、
個人的にはとても気に入っていました。
ま、その直後にTCが流行って一瞬で廃れましたが…

…と、大事だと思ったのでちょっと前置きが長くなってしまいました。
今日はこの辺で切り上げて、 明日また続きを書きたいと思います。w

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