VAPE MOD研究所

電子タバコのMODの計測と評価…というニッチなジャンルの日記

2016年04月

こんにちは!rujiAです。

更新頻度が遅くて申し訳ないです。 
本日も、Starplat搭載MODRUSMODの解析記事の続きを書きます!


00-03

■過去記事■
[Mod Analysis]RUSMOD (Starplat) vol.1
[Mod Analysis]RUSMOD (Starplat) vol.2
では、前回の続きから書いていきたいと思います。
前回は、下記画像の特徴1.についてお話させて頂きました。

03-00



2-2.本MODはハンチングが少なく安定している。

ハンチングというのは、電圧があげすぎたり下げすぎたりして、
とっちらかっちゃってる様子です。


最近のTC-MODは、リニア昇降圧タイプのDC-DCコンバータだと
あんまりKangxinのような酷い例はないように思いますが、
その辺を差し引いても、DNAよりも電圧変動が少なく、安定しているように見えます。

このことから、温度制御の加減のセッティングは、それなりに
セッティング(適合)工数がかかっていると思います。




 

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/恒例の脱線w_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 
当blogでよく言う表現、「ハンチング少なくていいね」ってのは、
FB(フィードバック)制御系での話です。

FB制御システムにおいて、操作量のハンチングが少ない状態、というのは、
目標物が常に目標に追従できており、理想的な制御状態であると推測できます。

実際ハンチングの多い/少ないが、味でどういう差が出るの?
というと、電圧が降下した時は、ミストが薄く、味気なく感じます

フッ!と急に味が抜けるような感じですね。

故に、出力の変動が少なく、安定している波形というのは、
吸い始めから吸い終わりまで、ミストの濃さ=味が安定している
と考えられるわけです。

これはつまり、MODの違いで、味に差が出る!ということが、
実際にいえるであろう、ということです。

要は、MODで味は変わります!

味が変わる気がする…と思ってたあなた!
それ、多分気のせいじゃないよ!!
(TCなら。VWはたぶんあまりかわらない。w)

ただ、逆に最近ちょっと思っているのは、
週間少年ジャンプで連載している人気料理漫画で、
 03-05
味の濃い薄いが不均一な料理のほうが、
 料理全体で均一な味の料理よりも、人間の味覚は、より濃厚な味に感じる
みたいなことを語っているシーンがありました。
(通称:たまごかけごはん理論) 

ですので、例えばわざと狙って出力を定期的に外すような制御の
TC-modなんかがでてきても、面白そうだな~なんて考えています。
そういうモードが選べる基盤なんかも面白そうですよね。

ハンチングしてるように見えるけど、実は狙ってやってるんだぜ!(ドヤ
…みたいな。w

そういうMODは、温度の外乱を与えてやれば
わかると思うので、 Breathing Testの結果が面白い感じになるんだろうなぁ…
という妄想でした。w 

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/以上脱線w_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/



 

3.本MODはB-seq後の降圧波形がなだらかである

これは、DNA40とDicodesの比較の際に上げた寒天と同じような話ですが、
Starplatはもっと顕著に特徴が出ています。

ここで、DNAとDicodesの差をおさらいしてみましょう。

【DNA40 TC波形】
03-02 DNA

DNAは、「はいここまでB-seqね!ガー!スッ!」って感じで、
出力をガッツリかけてガッツリ抜いています。
そして、「はいここからTC!!」て感じで、TCの開始タイミングも明確です。 

【Dicodes TC波形】
03-03 DIC

Dicodesは途中まで一緒だけど、抜くところがガッツリしてなく、
尾を引くように緩やかに引いています。
「はいここまでB-seqね!ガー!スゥーッ…」
って感じですかね。この、スゥーッ…という降圧具合が味噌で、
B-seq後の急激な電圧の急減がないことから、
DNAでたまに感じる味の抜けが無い、という考察は、
前回レビューした通り。

【RUSMOD(Starplat)TC波形(フィルタ済み)】
03-04 RUS

そして、本MOD。
B-seqの降圧状態と、その後のTC開始タイミングの
状態遷移がシームレスで境目がわかりません。
(どこで降圧が終わり、TCのに移行したか、出力波形からわからない) 

「B-seqやってまぁ…TC中~」の様なかんじでしょうか?
(伝わるかなぁ…?)

本MODの設計の観点にひとつは、「降圧時のミストの抜けを防ぐ」であると思います。
B-seq後の降圧に限って言えば、Dicodesの設計思想に近い考え方といえます。

しかし、本MODは、B-seq終了から、TCへの波形の推移の仕方が、Dicodesと違う特徴があります。

降圧はなだらかながらも、
明らかに、「はいこっからTC!」という波形のDicodesに対し、

本MODは、どこからがB-seqの降圧シーケンスで、どこからがTCをしている状態なのか、
はっきりとした境目が見当たりません。

本MODのこの特徴は、
「降圧中のミストの抜けも良くないけど、同様に急に昇圧するのも、
味にブレがでてしまうから、良くないはず!」
という設計思想によるものだと思います。

同じ効果を狙いながらも、手段が違うというのは、
とても面白い結果ですね!


最後の特徴、
4.温度計測、目標出力算出の制御周期は250[ms]周期であると推測できる
ですが、詳しくは次ページで解説いたしたいと思います。

で、次ページ

04-00


このページを要約すると、
フィルタ前の波形をよぉーく観察すると、ノイズの中心に、
一段の長さが250[ms](0.25秒)の階段状の波形があります、ということです。

で、それってどうなのよ?といいますと…
私がコレまで見てきたTCの制御周期としては、ぶっちぎりで遅い周期です。
制御周期の遅さは、制御系としては、良くない方向に働きます。

ただ、本来だったら、遅い制御系は、現在のコイル温度に対して、
制御による出力調整が後手に回ってしまうので、
出力波形が大きくうねる様にハンチングするのですが、
本MODは、そういった挙動がありません

つまり、制御周期が遅いなりに、うまく動くような、
具合のいいソフトウェア設計&セッティングが施されていると推測できます。


さらに、この「制御周期が遅い」ということは、
実は、悪いことだけではなく、我々ユーザーにとってうれしい効果もあります

それは、安いCPUを使う事ができるということです。


実際に使ってみても本MODは特に制御周期の遅さは感じることはないし、
コットンバーンの結果も、十分TCができているという範囲だったことは、
本解析記事のNo.2に書いたとおり。 

つまり!

Starplatは、TCに必要な制御周期を見極めた上で、
安いCPUを、使いこなし、低価格な制御基板を目指しているのでは?と、
私は考察しています。



毎度おなじみ、車で例えて言えば、
良いCPUを使っている制御基板は、スポーツカーだとすると、

Starplat技術者の考えとしては、

「スポーツカーとか普段使い(Vape用途)でいらなくね?
 それよりも、軽自動車(安いCPU)を
 腕の良いドライバー(良いソフト/制御)が乗りこなせばいいじゃん!

的な感じですかね!


で、実際に、常人が乗ったスポーツカーの組み合わせ(便宜上DNA40)に対して、
軽自動車に乗った腕利きドライバーの組み合わせ(本MOD/Starplat)が
同じパフォーマンスになるのか!?

…というところが、


次のページ、”3.[vsDNA40]Breathing testによる制御系の評価”

になるのですが…


次回を待て!




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こんにちは!rujiAです。

最近、お仕事の終了が遅くて、更新がまた滞り気味になって申し訳ありません!
本日も、Starplat基盤搭載RUSMODの解説記事の続きを書きたいと思います!

00-01


■過去記事■
[Mod Analysis]RUSMOD (Starplat) vol.1
[Mod Analysis]RUSMOD (Starplat) vol.2

2.[vsDNA40]TC波形計測/評価
 
では、解析の中でもメインディッシュ的なコンテンツ(だと私は思っている)、
TC波形のDNA40との比較です。

03-00


こちらの波形は、前記事で書いたとおり、
見やすくする目的でフィルタ処理しております。

まずわかるのが、出力の収束電圧に差があります
これは、DNA40と本MODとで、抵抗に応じた温度推定の
ロジックに違いがあるためだといえます。

結論から言うと、同じ設定温度にしても、
本MODはDNA40に比べて、低めに出力する傾向があります。

この傾向は、前記事CBTにてDNA40のほうがやけ気味だね!って
結論とも一致いたします。


従って、Starplat基盤のMODでVapingする場合、
DNA40よりも気持ち高めの温度設定するべきである、
ということが言えます。


どっちが温度正確なの?という事が、気になる方もいらっしゃると
思いますが、私はコイルの温度を測ることができる計測器
を持っていないので、私としては、解りませんというのが
正直ベースの答えになります。


ちょっと脱線w_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

【TC-MODの温度計測性能について】

現在のTC-MODを初めて使用する場合、

設定温度何度にしようかな…?
何度が一番美味しいの!?

皆さんちょっと悩んだんではないかな、と思います。

rujiA的には、
とりあえず400[degF]で吸ってみて、
薄ければ20[degF]ずつ上げて様子見、
濃ければ20[degF]ずつ下げて様子見、
という運用がいいんじゃないかな?と思います。

で、例えば
「○○○のリキッドは、30[W]の480[degF]がうまい!」

みたいな話が合っても、あくまで参考程度にして、
結局は自分でうまいと思う温度を見つける必要があると考えています。

それは、2つの理由があるからです。
1.MODに応じて温度の推定方法が異なる
2.結局はフィードバックの目標値はコイル抵抗値

1.に関しては、本解析が示すとおりで、
基盤の設計メーカーごとに、温度推定の考え方がいくつかあるからです。
例えば、今回でいえば、StarplatsはTCRを温度と抵抗は線形の比例関係だと
考えているし、Evolvは、コイル抵抗vs温度の関係を、非線形の
2次元関数だと思っているから、表のデータでもっています。

簡単に図示すると、こんなかんじ

【イメージ図】
03-01


つまりは、MOD作ってる人によって、温度の算出の考え方が違うから、
”おすすめの設定”があっても、その人の使ってる環境と
同じ環境(MOD)じゃないと、
実際のコイルの温度違うくなるよ!=味も同じじゃないよ!

てことです。
 
とはいえ、目を細めて判断すれば、
MOD違っても温度は大体同じようなところに
あるだろうから、参考にはなりますけどね!

まぁだからこそ、おすすめ設定はあくまで、ひとまずの出発点
としておいて、鵜呑みにしないで、
結局は自分のMODやアトマで、
お気に入りの設定を見つけるべきだよ!
っていうことです。
 

特に、融点の違う色んなフレーバーがいっぱい混ざってて、
設定によって味がコロコロ変わるお高いリキッドなんかは、
特にこのことが言えそうだな、と思っています。
リキッドによっては、10[degF]違えば、意外と雰囲気変わりますもんね。


…で、ここで「とはいえ、どっちが温度としては正確なの?」という話ですが、
多分、Evolvは実測値に近いデータを入力していると考えられるため、
Evolvの方が正確だと思います。
 
でも、私は、このどっちのMODの方が温度計測が正確?
という話題は、とてもナンセンスなのではないかと思っています。

ぶっちゃけ、推定温度なんて、「大体あってるっぽい」
っていうレベルでいいんです。

何故か?という理由が、
2.結局はフィードバックの目標値はコイル抵抗値
だから!ということになります。

我々はTCを行う際に、温度を設定していますが、
MODさんは、実際は

「今、自分が通電しているアトマの抵抗値が何Ωだ。」

ということしかわかりません。
(実際には電圧しかわからないとか言う話は割愛w)

けど、我々TCユーザーは、「目標△△Ωで!」という指示をしようにも、
いまいちピンとこなくて、使い勝手が良くないから、
MODさんと我々の意思疎通の共通言語的なものとして、
我々に馴染みの深い、”温度”を使用しています。

我々に、「目標◯◯◯[degF]ね!」
と指示されたMODさんは、制御基板の中で、
プログラムの中に書かれている、
抵抗値と温度の変換表と、設定温度が書かれた注文票を
にらめっこしながら、

「フムフム…オイラのご主人は◯◯◯[degF]を所望していると…
で、オイラに乗っかってるコイルの室温での抵抗値と、
この変換表から逆算すると…△△△Ωを目指したらいいのね!了解!」

…てなかんじで、都度温度に応じて変化するコイル抵抗値を、
電圧をかけたり抜いたりしながら、一定になるべく保とうと、
出力の加減を繰り返しているわけです。


この、「共通言語が温度だ」ということが事の本質なのですが、
少し困ったことに、"1.MODに応じて温度の推定方法が異なる"で
前述したとおり、MODさんによって、同じ温度設定でも、
受け取り方が違います。

アメリカ人と、イギリス人とで、
同じ単語でもニュアンスが違う!みたいな
話だと思ってくれれば良いですね。
 

でも、言語なんて、相手に通じればなんでもいいんです。


だから、有り体に言ってしまえば、

「このMODの、ちょっと設定温度が
 思った感じとずれてる気がするなぁ…」

…そんなことがあっても、
そこをその子の個性!と受け入れて、

今よりミストを熱くして(濃くして)ほしいか?→じゃあ温度上げよう。
それとも冷やして(薄くして)ほしいか?→じゃあ温度下げよう。
…くらいにシンプルに考えちゃって運用していい話なんですよ!

…ていう話です。

DNA40でTi運用されてる方なんかは当たり前の話ですね!

個人的には、コイルの素材の違いによるTCRの変化と同じように、
コイルの金属量に応じたPIDパラメータの切り替えなんかも
できれば有効そうなのになぁ…とか思っていますが、
そのへんはまた別の機会があればまた脱線したいと思いますw
 

以上脱線w_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


ちょっと脱線がながくなっちゃったので、
1ページすら語りきれてませんが、続きは次回とさせて頂きます。(オイッ!

 


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