こんにちは!rujiAです!

今回は、Elea社fのiStick TC 40Wの解析を記事にさせて頂きます。

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このiStick TC 40W(以下iStick40または本機種)は、Twitterで何時も仲良くさせていただいている、
うふふのけいちゃんに、8月にあったJapan Vape Meet2015で提供して頂きました。

けいちゃん、何時も有難うございます!
そして、3ヶ月も引っ張ってごめんなさい…。

今度、うなぎパイ送らせて頂きます…。



1.iStick40概要

本機種は、小さいVW MODとしてVaperの間ではおなじみの、
iStick20iStick30のメーカー、Eleaf社の製品になります。

私も、3つ目に購入したMODには、iStick20でした。
小さい割に、堅牢な作りで、そこそこ気に入っていましたが、
サブΩ対応していなかったことも有り、Vapeに興味があった
後輩に譲りました。今でも元気に最前線で活躍しているようです!

本機種の詳しい事はVape Biginerさんの秀逸な記事
参考にしていただくとして
、(w)特徴は、
なんといっても、小さい!TC対応!そして安い!事でしょう。
日本の店頭価格でも、5千円を切ることが珍しくない本機種、
そして老舗メーカーEleaf社の製品ということで、
TCの実力にはとても興味がありました。

それでは、早速解析記事に入りたいと思います。



2.【波形解析】 Ni向けTCモード

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計測用実負荷は、コイルはNiのコイルで行いました。


では、早速計測波形です。

【Ni-TCモード波形】
 目標温度:300F
DS0009_300F

 かなりノイジーな波形ですが、いやぁ、驚きました


 Kangxinの基盤のような、出力のハンチング全くありません
 

DNA40
とくらべても遜色が無いほど、安定した出力波形です。 
とても良く制御系がチューニングされているのだとと思います。 

当然、出力設定を上下に振ると、
ソレに応じて出力波形も変わります。

300F設定の出力波形と
250F設定の出力波形を、
ノイズを除去して重ねあわせて比較してみました。

下の画像の
黄色が300Fの波形
マゼンタが250Fの波形です。 

【300F設定と250F設定の比較】
001 300F(Y) vs 250F(M)

目標温度を下げると、その分出力電圧が下がって
それでも安定したハンチングしない波形であることがわかります。 

Eleafの設計者は、evolvのようにしっかり時間を掛けて
開発した
のだと思います。
いや、むしろ後発製品故に時間を掛けたのか…

「打倒evolv! 打倒YiHi!俺たちは安かろう悪かろうじゃねぇぞ!」
という設計者の魂の叫びが聞こえてきそうです…。

コレを見た時、私は、
このMOD、安売りすること無いのになぁ」と思いました。

 …いい仕事してますね。

息吹きかけテスト

当Blog毎度恒例、息の吹きかけテスト(カッコイイ呼び方募集中w)です。

コットンを抜いて、空焚きしているコイルに対して、
息を吹きかけてやった時の出力電圧から、
制御のレスポンスを評価するテストです。

【息吹きかけテスト波形】
002 300F息吹きかけ


ピンクの点線で囲った部分が私が息を吹きかけた箇所になります。

きちんと、息を吹きかけた瞬間に出力が昇圧されています
1回めと2回めでは、
「フッ…!フッ…!」
と短めに息を吹きかけて、
3回目と4回目の時は、

「フーッ!…フーッ!」と、
長めに息を吹きかけましたが、
ちゃんと吹きかけ方に応じて、一瞬だけ昇圧したり、
少し尾を引くように昇圧したり
していますね。

レスポンスも何の問題もありません。

いいっすね! 

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/閑話休題:MOD研究所的TIPS_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
[波形の安定と、レスポンスの話]
"出力のハンチングが全く無い"や、"安定した出力波形"で、iStick40は
セッティングに時間をかけている良い制御だ!、みたいなことを書きましたが、
一概にはそうと言えない時があります。

Feedback(FB)制御においては、「安定性」と「レスポンス」は
相反関係にある
と言えます。


つまり、レスポンスをかなり諦めることで、安定した出力波形は
簡単に実現することが出来ます。
(具体的には、FB制御の基本である、PID制御のP項をかなり弱めに
設定する)
しかし、その場合、eGo one VTのレポートで書いたように
「御年85歳のシルバードライバー」のように、環境の急な変化に
対応できない、トロトロしたシステム=レスポンスが極端に悪く
外乱の変化に弱い特性
になります。

すなわち、真の良い制御は、
・ハンチングの少ない安定した出力波形
・レスポンス
の2つが両立出来ている特性であり、
本Blogで行っている息吹きかけテストは、
そういった手を抜いている制御を見ぬくことが出来ます。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/閑話休題終わり_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/



3.【波形解析】 Ti向けTCモード
 
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少し前にTwitterでMonsto660@DQMSL@VAPEさんが
海外フォーラムから情報を仕入れて話題になった、
iStick40の隠しモードTiモード。

まさかのiiStick40の隠しモードの存在に、
Twitterでは盛り上がりました。 

Tiモードのアンロックの仕方は、

①電源off状態で、UPボタンとパフボタンをおしたまま、20sec待つ。

②電源onした際に、モード切替ボタンを長押しすると、
VW→Ni→Tiと切り替わるようになる。

です。詳しくは、ネタもとの書きForlumを御覧ください!

Oh Yes ... hidden Ti mode@Fasttech
ISTICK 40 TC SWITCH FROM NI TO TI MODE.@PLANET OF THE VAPES


 
なかなか粋なはからいですね!
ただし、公になっていない機能なので、
"でも,どうせ表示だけなんだろー?"なんて、海外でも話題になっています。

では、計測してみましょう!

計測方法は、上記Niの解析でで使用したコイルと同じコイル(もちろんニッケル)で、
同じ設定温度で空焚きしてみて、出力波形を比較しました。

 【NiモードとTiモードの波形比較】
マゼンタがNiモード
黄色がTCモード
です。
151115-00 Ni(Y) and T9(S) compare

途中まで、全く同じ昇圧波形ですが、
電圧の降下するタイミングと、波形後半の安定後の収束電圧
異なります。Tiの方が低い出力で収束しています。

チタンは、ニッケルに比べ、温度変化に対する抵抗値の差が低くなる
特性を持っているので、辻褄はあっています。

実際に、Tiのコイルで使ったことはないのですが、
私から言えることは、iStick40のTiモードは、
ほぼ間違いなく、チタンコイルによるTCに対応していると思います。

(他にTi対応のMODが手元にお爺ちゃん制御のやつしかないので、
"思います"って話ですが…
いずれ、Ti-TCに定評のあるメーカーと比較したいもんです。) 


…しかし、なぜ隠されているのだろう?

[予想1]技術者の自己満足でこっそり入れたモードだから
 
[予想2]実は、同一基板でiStick40V2として、TC対応のモードを出す予定だった。
でも、そうすると旧iStick40がお店で不良在庫になっちゃうから、
その救済処置で入れておいた。

の、どっちかじゃないかなと推測します。
なんにせよ、消費者の私からしてみたら、
Eleafの制御担当者、グッジョブです!!

「配線一本切れば、馬力規制解除!」する某メーカーの乗り物 みたいで、
こういう裏ワザ、私大好きですw



4.iStick40まとめ

iStick40を一言で言い表すと、
はっきりいって、出来過ぎたMODです。

 
安い、

小さい、

ちゃんとTCする、

しかもTiにも対応している。

個人的にはDNAと肩を並べるどころか、
完全に勝っていると思います。

特に、小さい点、安い点、それから電池内蔵である点は、
入門者向けのMODとしては、これ以上にない魅力でしょう。

しかも、どっぷりはまってからも、
サブ機として生きてくるキャラクター。

沼の住人の方も、脇差し代わりのもしもの1台として
購入しても、損はない逸品だと思います。 

Vape shopさんの立場でも、
在庫としては、最高の商品だと思います。
これから始める方にオススメ出来る機種ランキングの
ぶっちぎりの1位です。(当社調べw)

これに、SUBTANK miniでも一緒に買わせたら、
最初からゴールみたいなもんです。

いろいろめんどくさくないし。

煙草に対して代替したい初心者の方
「オススメないですか?」と聞いてきた際に、
正に知りたいのは、本機種、iStick40で間違いないと思います。


惜しむべきは、電池内蔵かつ小型ゆえのスタミナ不足ですね。
波形に沢山ノイズが乗っているのも、気になっていましたが、
それも、小型ゆえに犠牲になった点だと思います。
でも、吸ってて感じるようなものではありません。

スタミナと、ノイズを強化した、18650の並列供給に
対応した本MODの兄弟機種が出れば、すべて解決するでしょうが、
旧iStickシリーズとほぼ同サイズであることからも、
この小ささは、Eleafの譲れない拘りだったんでしょうね。

その制約がなくなったTC60は…
上記弱点も克服された、最強機である可能性があると思います。

06 TC60





いやー、それにしてもすげぇわ、Eleaf…

以上で、iStick40の解析記事を終わります。




【次回予告】
次回の解析対象は、KOOPOR miniの予定です!…が、
その前に何時もお世話になっている
Vape Power小山店さんから、今話題のkoi-koiの提供をしていただきましたので、
珍しくリキッドレビューを行おうと思っています!

まだ吸ってないのですが、とても楽しみです!

あと、本記事を書く際に、iStick解析中に、「コレは!」と思ったけど、
マニアック過ぎて取りやめたボツネタが少し有りますので、
こちらも、時期を見て記事にするかもしれません。