VAPE MOD研究所

電子タバコのMODの計測と評価…というニッチなジャンルの日記

カテゴリ:MOD解析 > RUSMOD

こんにちは!rujiAです。

本日は、Starplat搭載MODRUSMODの解析記事の最終章です!

00-02
 
■過去記事■
[Mod Analysis]RUSMOD (Starplat) vol.1
[Mod Analysis]RUSMOD (Starplat) vol.2[Mod Analysis]RUSMOD (Starplat) vol.4

では、前回の続きから参りましょう!

3.[vsDNA40]Breathing Testによる制御系評価

さて、前回の記事では、
DNA40を、 常人が乗ったスポーツカー
かたや、本MODことStarplat基盤を、
腕利きドライバーが乗った軽自動車に例えて表現しました。


ポイントは、
1.DNA40の方が、制御周期は速い
2.Starplatは、制御周期はすごく遅いけど、予測制御してるっぽい

 (車の運転の例えで言うと、玄人ドライバーの長年の勘、的な) 
3.Starplatの開発者は、普通のVaping用途だったら、
 ソコソコの制御周期で予測制御すれば十分TCが成り立つはず!と考えていると思う。


といったところかと。

で、本章では、実際ガチンコで比較したらどうなんだろうね?
ってところに迫る内容になっています。


それでは、本編を語らせていただきましょう!レポートのスクリーンショットです。


05-00

特徴の表を拡大したものがこちら!

05-01

 
先に、ちょっと補足しておくと、
当Blogでお馴染みのBreathing Testですが、
RUSMODにはとても分が悪い評価方法となります。

なぜなら、既に制御周期が遅いとわかっているStarplatに対して、
反応速度の速さを評価する試験であるからです。

先の例で例えると、 スポーツカーと軽自動車のアクセルベタ踏みした時の
加速力を比べるようなものです。

なので、この表の結果も、Starplatの結果については、
若干甘めに評価をしているのが正直なところです。


それを踏まえても、結論としては、
TC時の温度の追従性や、反応速度に関しては、
明らかにDNA40の方が優れている、といえます。



特に、Starplatは反応速度が段違いで遅いです。


コイルに対して、息をフッ!とした時に、
DNA40は体感同時くらいの速度で出力が上がりますが、
本MODは、一呼吸おいてから昇圧し始めます。

しかも、ピーク電圧に達するまでに、
制御周期で3サイクル程度かかっているので、コイルの温度が下がってから、
目標の温度まで昇温するのに概ね1秒近くかかっていると考えられます。


1秒というのは、人間の感覚から言っても、
十分体感できる遅延で有ると思います。



なんでそんなに遅いのよ?

というと、Starplatは外乱に対する反応性能を、
そんなに重視していない設計方針
なのだろうと思います。

制御周期を250[ms]にすると決めた時に、
反応性能が悪い結果になるのはわかりきった結果だったはずです。


でも、Starplatの開発者はこう考えたのだと思います。

「温度の追従性能って、そんなに重要か?
 普段使いの軽自動車に、ゼロヨンのタイムとか求めないでしょ?」 

と。

確かに、普段使いの軽自動車に対して、スポーツ性や、
過剰なレスポンスを求める人は、少ないと思います。

TCでVapingする際に、求められるものといえば…
「安定した味だろ」、と考えたのではないでしょうか。


一方evolvはというと、
コイル温度=ミストの発生量=味なのである。
 だから、安定した味を求めるのならば、
 どんなコイルでも、リキッド保持量でも、吸い方でも、
 設定温度へ全力で追従するシステムこそ目指すべき姿なのである!

と考えていたのだと思います。


これ対してStarplatは、温度がビッタリ追従している状態でも、
出力電圧が抜けた際に、味が抜けることに気がついたのでしょう。
で、こう思うわけです。

「実は、コイル温度って、そこまで重要じゃないんじゃないか?
 それよりも、急に電圧を抜くような動きをさせると、味が抜けるから…
 コイル温度が急変しても、急に応答しないほうが実はいいんじゃないか?

と。

で、

 温度のフィードバックなんて、概ね追従できてりゃ良いと思う。
 むしろ出力はあんまり急変しない方がいい。
 
 

 じゃあ、制御周期はそんなに早くない方がいいよね。
 だから250[ms]の制御周期でいいや。

 

 あ、じゃあ安いCPU使えるじゃん!


みたいな流れだったんじゃないかと思います。



実際に、この応答性の悪さが影響する場面は
どういう場面かというと、
ドライ気味のコットンで、じわじわ焚いている時に急に吸うと、
ミストは薄いし、遅れて立ち上がって最後イガるようなことが
あると思います。

でも、実際の運用では、そうなる前に、味の薄さで気づいて
リキッドをチャージする人が殆どだと思うので、
実際そんなに問題にはならないだろうことは容易に想像できます


 
まぁ、つまるところ、本章をまとめると、

・フィードバック制御系としては、本MODはDNA40よりも劣っている。
・でも、実際吸った時がどうかというと、DNA40と同等レベルの性能は有ると思う。
・むしろ、出力が暴れない分、味は濃いかもね。

といったところですね。 






4.VW波形計測

06-00


VWは、優秀な感じですね。
誤差考えても、18650一本の運用だったら、十分優秀と言える性能が有りました。









 5.出力波形のノイズについて
この章は、正直濁すべきか、かな~り迷ったんですが…

でも、ありがたいことに、依頼主のVapechk様に、
掲載許可を頂きましたので、書かせていただきたいと思います。

07-00


vol.2の記事にも書きましたが、本MODは、ものすごいノイズが多いです。
もともと、Vape用のMODは、4.2Vの電池から、高速でOn-Offして
高電圧を取り出す構造なので、ノイズが発生しやすい性質を持っています。

そんななかでも、本MODは、
正直、私がこれまで計測したMODの中で段違いでノイズが多かったです。


でも、出力波形を見る限り、ノイズの中心にある本来の出力は
全然とっちらかっている様子がなかったので、恐らく制御基板上は、
ノイズがのっていないのだと推測しているのは、以前の記事でも書いたとおり。


じゃあ、このノイズはなんなのよ?というと、
恐らく、木製のボディに起因していると思っています。


私の今まで解析したMODは、大体がアルミや真鍮、
ステンレス等の金属製のMODでした。

金属はそもそも電波を通しづらい特性があることから、
制御基板が発生する電波(ノイズ)は、金属ボディによって
シールドされて、外に漏れていなかったのだと思われます。


一方、木や樹脂は、電波を通してしまいます。
当然、木材と樹脂から作られている本MODのボディも、
じゃんじゃん電波を通してしまうわけで、
私の計測環境は、このノイズを拾ってしまったのだと考えられます。


ノイズも、ものすごい奥が深い分野ですので、
私ではこんな程度の考察しか出来ませんが、
まぁ、そんなところで考えています。


仮に、MODの中で、制御基板を金属のケースやアルミの膜等で
閉じ込めてある構造だったら、殆どノイズは外には出ないであろうと思われます。


あ、ちなみに、本レポートのページや、既に前記事でも書いたとおり、
本ノイズは、Vapingする分には、殆ど影響がないと考えて良いと思います。

影響があるかもしれないのは、むしろ使用環境の外部の機器に対してで、
例えば
・医療機器の近く
・音や映像を収録する機材の近く
などでは、特に使用を控えたほうが良いと思います!







6.[総括]RUS MOD(Starplat)

08-00

解析をしてみて、感じたことなどです。
書いてある通りですね。


DicodesとStarplat、
同時期に発売された独自制御基板のMODで、
全然別の人が作ってるのに、フィードフォワードとフィードバックを強調させる、
という同じ手法にたどり着いたってのは、面白い事象だとおもいます。

しかもそれでいて、波形がぜんぜん違うし、
「TCのてこう在るべきだろ!」ていう思想も、全然違ってて、
ほんと、出力解析って面白いなと思いました。

貴重な機会を頂けました、Vapechk様には、
本当に感謝しております!


09-00









以上、RUSMOD(Starplat)の制御解析レポートでした。

いかがだったでしょうか?


超小型、かつ18650駆動で、いろいろな素材のTCのに対応している
Starplatは、Modderさんにとっては、とても興味深い品だと思います。

しかも、制御系のレポートでしたので、触れていませんでしたが、
Dicodesでは対応していないUSB充電にも対応しているので、
個人的には、この基盤を使った、
かっこいい普及機に登場してほしいなと思っています。


いまや、テクニカルといったらTC出来なきゃ話にならない、
みたいな風潮にありますが、
TCつきなら全部一緒かって言うと、全部のメーカーがぜんぜん違う波形で、
ほんと、面白い時期ですね!

しかも、多分、作ってる人たちも、「…ぶっちゃけTCってどういうのがいいんだろう?」と、
迷いながら設計しているところもありそうな雰囲気、と個人的には感じていて、
2016年は、独自基板メーカーがTCのストラテジをブラッシュアップしていく年
なるんじゃないかな、と思っています。

そんな中で、Starplatは、
「コレまでのTCののやり方は、
実際の運用で考えると、ちょっとやりかたズレてるんじゃねーの?」

と、一石を投じるような設計に感じました。

一方で、最近発売が発表されたDNA75は、
18650単体に対応したDNA200の改良機、といったところで、
最近のevolvは守りに入っちゃっているのかな~と感じています。

なので、個人的には、Starplatのような、常識に切り込んでいくような
メーカー同士が、競いあうように、どんどん新しい物を生み出して
切磋琢磨して欲しいと思っています。
(メシの種でやってる本人たちからしてみたら、溜ったもんじゃないだろうけど…w)





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こんにちは!rujiAです。

更新頻度が遅くて申し訳ないです。 
本日も、Starplat搭載MODRUSMODの解析記事の続きを書きます!


00-03

■過去記事■
[Mod Analysis]RUSMOD (Starplat) vol.1
[Mod Analysis]RUSMOD (Starplat) vol.2
では、前回の続きから書いていきたいと思います。
前回は、下記画像の特徴1.についてお話させて頂きました。

03-00



2-2.本MODはハンチングが少なく安定している。

ハンチングというのは、電圧があげすぎたり下げすぎたりして、
とっちらかっちゃってる様子です。


最近のTC-MODは、リニア昇降圧タイプのDC-DCコンバータだと
あんまりKangxinのような酷い例はないように思いますが、
その辺を差し引いても、DNAよりも電圧変動が少なく、安定しているように見えます。

このことから、温度制御の加減のセッティングは、それなりに
セッティング(適合)工数がかかっていると思います。




 

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/恒例の脱線w_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 
当blogでよく言う表現、「ハンチング少なくていいね」ってのは、
FB(フィードバック)制御系での話です。

FB制御システムにおいて、操作量のハンチングが少ない状態、というのは、
目標物が常に目標に追従できており、理想的な制御状態であると推測できます。

実際ハンチングの多い/少ないが、味でどういう差が出るの?
というと、電圧が降下した時は、ミストが薄く、味気なく感じます

フッ!と急に味が抜けるような感じですね。

故に、出力の変動が少なく、安定している波形というのは、
吸い始めから吸い終わりまで、ミストの濃さ=味が安定している
と考えられるわけです。

これはつまり、MODの違いで、味に差が出る!ということが、
実際にいえるであろう、ということです。

要は、MODで味は変わります!

味が変わる気がする…と思ってたあなた!
それ、多分気のせいじゃないよ!!
(TCなら。VWはたぶんあまりかわらない。w)

ただ、逆に最近ちょっと思っているのは、
週間少年ジャンプで連載している人気料理漫画で、
 03-05
味の濃い薄いが不均一な料理のほうが、
 料理全体で均一な味の料理よりも、人間の味覚は、より濃厚な味に感じる
みたいなことを語っているシーンがありました。
(通称:たまごかけごはん理論) 

ですので、例えばわざと狙って出力を定期的に外すような制御の
TC-modなんかがでてきても、面白そうだな~なんて考えています。
そういうモードが選べる基盤なんかも面白そうですよね。

ハンチングしてるように見えるけど、実は狙ってやってるんだぜ!(ドヤ
…みたいな。w

そういうMODは、温度の外乱を与えてやれば
わかると思うので、 Breathing Testの結果が面白い感じになるんだろうなぁ…
という妄想でした。w 

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/以上脱線w_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/



 

3.本MODはB-seq後の降圧波形がなだらかである

これは、DNA40とDicodesの比較の際に上げた寒天と同じような話ですが、
Starplatはもっと顕著に特徴が出ています。

ここで、DNAとDicodesの差をおさらいしてみましょう。

【DNA40 TC波形】
03-02 DNA

DNAは、「はいここまでB-seqね!ガー!スッ!」って感じで、
出力をガッツリかけてガッツリ抜いています。
そして、「はいここからTC!!」て感じで、TCの開始タイミングも明確です。 

【Dicodes TC波形】
03-03 DIC

Dicodesは途中まで一緒だけど、抜くところがガッツリしてなく、
尾を引くように緩やかに引いています。
「はいここまでB-seqね!ガー!スゥーッ…」
って感じですかね。この、スゥーッ…という降圧具合が味噌で、
B-seq後の急激な電圧の急減がないことから、
DNAでたまに感じる味の抜けが無い、という考察は、
前回レビューした通り。

【RUSMOD(Starplat)TC波形(フィルタ済み)】
03-04 RUS

そして、本MOD。
B-seqの降圧状態と、その後のTC開始タイミングの
状態遷移がシームレスで境目がわかりません。
(どこで降圧が終わり、TCのに移行したか、出力波形からわからない) 

「B-seqやってまぁ…TC中~」の様なかんじでしょうか?
(伝わるかなぁ…?)

本MODの設計の観点にひとつは、「降圧時のミストの抜けを防ぐ」であると思います。
B-seq後の降圧に限って言えば、Dicodesの設計思想に近い考え方といえます。

しかし、本MODは、B-seq終了から、TCへの波形の推移の仕方が、Dicodesと違う特徴があります。

降圧はなだらかながらも、
明らかに、「はいこっからTC!」という波形のDicodesに対し、

本MODは、どこからがB-seqの降圧シーケンスで、どこからがTCをしている状態なのか、
はっきりとした境目が見当たりません。

本MODのこの特徴は、
「降圧中のミストの抜けも良くないけど、同様に急に昇圧するのも、
味にブレがでてしまうから、良くないはず!」
という設計思想によるものだと思います。

同じ効果を狙いながらも、手段が違うというのは、
とても面白い結果ですね!


最後の特徴、
4.温度計測、目標出力算出の制御周期は250[ms]周期であると推測できる
ですが、詳しくは次ページで解説いたしたいと思います。

で、次ページ

04-00


このページを要約すると、
フィルタ前の波形をよぉーく観察すると、ノイズの中心に、
一段の長さが250[ms](0.25秒)の階段状の波形があります、ということです。

で、それってどうなのよ?といいますと…
私がコレまで見てきたTCの制御周期としては、ぶっちぎりで遅い周期です。
制御周期の遅さは、制御系としては、良くない方向に働きます。

ただ、本来だったら、遅い制御系は、現在のコイル温度に対して、
制御による出力調整が後手に回ってしまうので、
出力波形が大きくうねる様にハンチングするのですが、
本MODは、そういった挙動がありません

つまり、制御周期が遅いなりに、うまく動くような、
具合のいいソフトウェア設計&セッティングが施されていると推測できます。


さらに、この「制御周期が遅い」ということは、
実は、悪いことだけではなく、我々ユーザーにとってうれしい効果もあります

それは、安いCPUを使う事ができるということです。


実際に使ってみても本MODは特に制御周期の遅さは感じることはないし、
コットンバーンの結果も、十分TCができているという範囲だったことは、
本解析記事のNo.2に書いたとおり。 

つまり!

Starplatは、TCに必要な制御周期を見極めた上で、
安いCPUを、使いこなし、低価格な制御基板を目指しているのでは?と、
私は考察しています。



毎度おなじみ、車で例えて言えば、
良いCPUを使っている制御基板は、スポーツカーだとすると、

Starplat技術者の考えとしては、

「スポーツカーとか普段使い(Vape用途)でいらなくね?
 それよりも、軽自動車(安いCPU)を
 腕の良いドライバー(良いソフト/制御)が乗りこなせばいいじゃん!

的な感じですかね!


で、実際に、常人が乗ったスポーツカーの組み合わせ(便宜上DNA40)に対して、
軽自動車に乗った腕利きドライバーの組み合わせ(本MOD/Starplat)が
同じパフォーマンスになるのか!?

…というところが、


次のページ、”3.[vsDNA40]Breathing testによる制御系の評価”

になるのですが…


次回を待て!




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こんにちは!rujiAです。

最近、お仕事の終了が遅くて、更新がまた滞り気味になって申し訳ありません!
本日も、Starplat基盤搭載RUSMODの解説記事の続きを書きたいと思います!

00-01


■過去記事■
[Mod Analysis]RUSMOD (Starplat) vol.1
[Mod Analysis]RUSMOD (Starplat) vol.2

2.[vsDNA40]TC波形計測/評価
 
では、解析の中でもメインディッシュ的なコンテンツ(だと私は思っている)、
TC波形のDNA40との比較です。

03-00


こちらの波形は、前記事で書いたとおり、
見やすくする目的でフィルタ処理しております。

まずわかるのが、出力の収束電圧に差があります
これは、DNA40と本MODとで、抵抗に応じた温度推定の
ロジックに違いがあるためだといえます。

結論から言うと、同じ設定温度にしても、
本MODはDNA40に比べて、低めに出力する傾向があります。

この傾向は、前記事CBTにてDNA40のほうがやけ気味だね!って
結論とも一致いたします。


従って、Starplat基盤のMODでVapingする場合、
DNA40よりも気持ち高めの温度設定するべきである、
ということが言えます。


どっちが温度正確なの?という事が、気になる方もいらっしゃると
思いますが、私はコイルの温度を測ることができる計測器
を持っていないので、私としては、解りませんというのが
正直ベースの答えになります。


ちょっと脱線w_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

【TC-MODの温度計測性能について】

現在のTC-MODを初めて使用する場合、

設定温度何度にしようかな…?
何度が一番美味しいの!?

皆さんちょっと悩んだんではないかな、と思います。

rujiA的には、
とりあえず400[degF]で吸ってみて、
薄ければ20[degF]ずつ上げて様子見、
濃ければ20[degF]ずつ下げて様子見、
という運用がいいんじゃないかな?と思います。

で、例えば
「○○○のリキッドは、30[W]の480[degF]がうまい!」

みたいな話が合っても、あくまで参考程度にして、
結局は自分でうまいと思う温度を見つける必要があると考えています。

それは、2つの理由があるからです。
1.MODに応じて温度の推定方法が異なる
2.結局はフィードバックの目標値はコイル抵抗値

1.に関しては、本解析が示すとおりで、
基盤の設計メーカーごとに、温度推定の考え方がいくつかあるからです。
例えば、今回でいえば、StarplatsはTCRを温度と抵抗は線形の比例関係だと
考えているし、Evolvは、コイル抵抗vs温度の関係を、非線形の
2次元関数だと思っているから、表のデータでもっています。

簡単に図示すると、こんなかんじ

【イメージ図】
03-01


つまりは、MOD作ってる人によって、温度の算出の考え方が違うから、
”おすすめの設定”があっても、その人の使ってる環境と
同じ環境(MOD)じゃないと、
実際のコイルの温度違うくなるよ!=味も同じじゃないよ!

てことです。
 
とはいえ、目を細めて判断すれば、
MOD違っても温度は大体同じようなところに
あるだろうから、参考にはなりますけどね!

まぁだからこそ、おすすめ設定はあくまで、ひとまずの出発点
としておいて、鵜呑みにしないで、
結局は自分のMODやアトマで、
お気に入りの設定を見つけるべきだよ!
っていうことです。
 

特に、融点の違う色んなフレーバーがいっぱい混ざってて、
設定によって味がコロコロ変わるお高いリキッドなんかは、
特にこのことが言えそうだな、と思っています。
リキッドによっては、10[degF]違えば、意外と雰囲気変わりますもんね。


…で、ここで「とはいえ、どっちが温度としては正確なの?」という話ですが、
多分、Evolvは実測値に近いデータを入力していると考えられるため、
Evolvの方が正確だと思います。
 
でも、私は、このどっちのMODの方が温度計測が正確?
という話題は、とてもナンセンスなのではないかと思っています。

ぶっちゃけ、推定温度なんて、「大体あってるっぽい」
っていうレベルでいいんです。

何故か?という理由が、
2.結局はフィードバックの目標値はコイル抵抗値
だから!ということになります。

我々はTCを行う際に、温度を設定していますが、
MODさんは、実際は

「今、自分が通電しているアトマの抵抗値が何Ωだ。」

ということしかわかりません。
(実際には電圧しかわからないとか言う話は割愛w)

けど、我々TCユーザーは、「目標△△Ωで!」という指示をしようにも、
いまいちピンとこなくて、使い勝手が良くないから、
MODさんと我々の意思疎通の共通言語的なものとして、
我々に馴染みの深い、”温度”を使用しています。

我々に、「目標◯◯◯[degF]ね!」
と指示されたMODさんは、制御基板の中で、
プログラムの中に書かれている、
抵抗値と温度の変換表と、設定温度が書かれた注文票を
にらめっこしながら、

「フムフム…オイラのご主人は◯◯◯[degF]を所望していると…
で、オイラに乗っかってるコイルの室温での抵抗値と、
この変換表から逆算すると…△△△Ωを目指したらいいのね!了解!」

…てなかんじで、都度温度に応じて変化するコイル抵抗値を、
電圧をかけたり抜いたりしながら、一定になるべく保とうと、
出力の加減を繰り返しているわけです。


この、「共通言語が温度だ」ということが事の本質なのですが、
少し困ったことに、"1.MODに応じて温度の推定方法が異なる"で
前述したとおり、MODさんによって、同じ温度設定でも、
受け取り方が違います。

アメリカ人と、イギリス人とで、
同じ単語でもニュアンスが違う!みたいな
話だと思ってくれれば良いですね。
 

でも、言語なんて、相手に通じればなんでもいいんです。


だから、有り体に言ってしまえば、

「このMODの、ちょっと設定温度が
 思った感じとずれてる気がするなぁ…」

…そんなことがあっても、
そこをその子の個性!と受け入れて、

今よりミストを熱くして(濃くして)ほしいか?→じゃあ温度上げよう。
それとも冷やして(薄くして)ほしいか?→じゃあ温度下げよう。
…くらいにシンプルに考えちゃって運用していい話なんですよ!

…ていう話です。

DNA40でTi運用されてる方なんかは当たり前の話ですね!

個人的には、コイルの素材の違いによるTCRの変化と同じように、
コイルの金属量に応じたPIDパラメータの切り替えなんかも
できれば有効そうなのになぁ…とか思っていますが、
そのへんはまた別の機会があればまた脱線したいと思いますw
 

以上脱線w_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


ちょっと脱線がながくなっちゃったので、
1ページすら語りきれてませんが、続きは次回とさせて頂きます。(オイッ!

 


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こんにちは!rujiAです。

本日も、Starplat基盤搭載RUSMODの解説記事の続きを書きたいと思います!
(予告記事から間あいちゃって、ゴメンナサイ!)

00-00


■過去記事■
[Mod Analysis]RUSMOD (Starplat) vol.1


今回の解析記事も、Dicodesの記事同様に、VAPECHKさんに
提出したレポートベースで、書き足りなかったところを補足する構成で参りたいと思います。
では、早速コットンの空焚きテストから参りましょう! 


 
2.RUSMOD(Starplat)解析レポート

02-001


2-0.目次
02-002


2-1.Cotton Burn TestによるTC検証 
02-010
 
ひとまず、CBTについては当然のように出来ていますね。

当Blogで検証しているMODの中では焼けが強く見えますが、問題ないです。
これは検証用のコイルを、今まで3.5mm径だったのに対して、
今回は細めのコイルで組んでしまったためかな、と思っています。

01-00


CBTはコイル温度は同一でも、コットンの量等で焼け方が変わってしまいます
本テストで重要なのは、コットンの焼け方が、設定温度に応じて焼け方が強くなっているよね?
 →焼け方が強くなっている=ちゃんとTCしてるね!ってことです。


そういう意味で、本MODはちゃんとTCできており、問題ありません。

ちなみに、同一条件でHB40(DNA40)の結果と並べると、こんな感じです。

01-02

この環境だと、むしろ本MODの方が、DNAより焼けは弱めですね。


余談ですが、同じ設定温度でも、コットンが焦げる、このことはつまるところ、
コイル径や使用している線材の材質、太さ、使用するコットンに応じて、
温度の設定は適宜変えるべきである、ということを示している、と考えています。

言い換えると、たとえ設定温度と出力上限が一定であっても、
アトマやビルドの違いで、味が変わるということが言えます。

この辺の、「TCってこう考えて、運用するべきである!」的なことについては、
もっとフォーカスしていずれ別記事にしようと思っています。


2.-1CBT波形考察
で、出力出力がこちら。

02-011


…とりあえず、ものすごい高周波のノイズが乗っています。

しかしながら、ノイズの中心にある本来の出力と思われる波形は、
乱れがみられないことから、制御基盤上にはノイズはのっていないと推測できます。

すなわち、たとえて言うと…





「え?怪我?いや全然平気だよ!(ジュースこぼしちゃった)」
02-013


みたいな話です。(なんのこっちゃ!)

見た目がとても大変なことになってるように見えますが
笑顔で返信してくれてるってことは、
ほんとに大丈夫そうだね!良かった!的なこと…なのか?w
(ゴメンナサイ、いい例え&いいフリー素材が見つかりませんw)


ノイズについては後述しますが、rujiAとしては、
Starplat側には問題がないのでは?と考えています。
その証拠に、ノイズの中心にある、MODの狙い出力は
とっちらかっている様子がありません

ノイズもusecオーダーで上下しているので、
実際のコイルの挙動に対しても、悪さをしていない
考えています。


本Blogの解析の対象としてはMODの制御手法に焦点をあてているのですが、
こうノイズでガッチャガッチャしてると本来みたい波形がわからないので、
本記事においては、必要に応じてローパスフィルタを適応して
制御の分析をしていきます。


で、ローパスフィルタを適応すると、こんなかんじになります。


02-012 CBT Filt


注目すべきは、オレンジの点線でかこった、B-seq後の挙動です。
参考に、DicodesとDNA40ではB-seq後こんな感じになっています。

<Dicodes No.6>
02-014 Dicodes


<DNA40>
02-015 DNA


拡大して並べると一目瞭然ですが、
B-seq後最低電圧に一気に急降下してから急上昇しているDicodes,DNAに対し、
本MODは、最低電圧に突入する前に、出力が持ち直して再浮上しているような、
有機的な出力カーブを描いています。
02-016 DIFF


これは、本MODの制御設計は、

出力カットのような電圧急降下 = ミスト濃度が薄くなるから好ましくない

という思想で設計されていると推測しております。


また、昇圧時も、なだらかに再浮上するような動きであることから、
弱めのPIDゲイン+FF成分強めな制御設計ではなかろうか?と推測しています。


PID制御(FB制御)と、FF制御の協調制御という点で言えば、
Dicodesと同様ですが、本MODは、DicodesよりもFF制御の成分が
相対的に強そうな雰囲気です。


例えて言えば、

02-04

DNA40は、「加速も減速も全力!」レーシングカー




ae90cdaa39c64272ad464fb51167a87d_s
Dicodesは、「加減速はゆったり!安定した挙動!」高級リムジン




で、本MODはというと…


02-017
「減速は基本回生ブレーキだぜ!」の、電車


といったところでしょうか?


それぞれ、思想の違い的なところがあるので、
一概に良し悪しは語れず一長一短な部分があるのですが、
本MOD(Starplat)は、より出力の変動が少なくしたい!という
設計思想なのだと思います。


上記思想は、Vapeの用途では、セッティングが上手く決まっていれば、
より味が濃くて、電池が長持ちする方向に貢献しそう
ということが言えます…けど、

私が吸った感じは、味の濃さは、

Dicodes >>> RUSMOD ≧ DNA40 

のような感じで、Dicodesに比べるとソコまで違う感じはしない
ただDNA40たまに急にミストが薄い感じになるのに対して、
本MODはそういうのがなく、相対的に味が安定している様に感じる、
といったところが実際です。


といったところで、コットンバーンのみならず、
若干具体的な制御の考察まで足を突っ込んでしまいましたが、
次回は、制御のもっと細かい部分について、
DNAの波形と比較してレポートの補足をしていきたいと思います!




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こんにちは!rujiAです!

本日は、Modderさんの間で話題の制御基板、Starplatを積んだ高級MOD
RUSMOD#5の解析記事 になります!

00-01
 
今回の解析記事も、Dicodes No.6同様、
VAPECHK社のご依頼で実現致しました!


VAPECHKさん、有難うございます!!

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1.RUSMOD#5概要

RUSMOD#5(以下、本MOD)は、
ロシア人ModderさんがFace bookページ、
RUSMOD box MOD等で販売しているMODになります。
(…で合ってるよね?)


特徴は、スタビライズドウッドと呼ばれる、
木材と樹脂の合剤で構成されたボディ、

そしてなんといっても、
制御部にModderさん大注目
シングル18650 バッテリー対応の制御基板、
Starplat を搭載しているという点でしょう!

1年ほど前では、Modderさんにとって、基盤単体で購入できる
製品としては、DNA40が最もメジャーでした。

dna40


当時はTC基盤としては唯一無二の性能を誇っていたことは、
当blogの解析記事にも書いたとおり。


時は戻って現代ではどうかというと、
TC基盤の性能としては、まだまだ一級品のDNA40

しかし、時代はTi,SSのコイルを使用したTC機が一般的で、
Ni200のTCのしか対応できないDNA40は、若干古臭さを感じます

現在のEvolvの主力製品は、DNA200
当然のように、Ni,Ti,SSに対応している上に、
パソコンに繋げることで、TCR特性をプログラムできるので、
任意の金属製のコイルに対応することも出来ます!

しかしネックは、電圧調整回路が降圧のみの対応のため、
基本的に2セル以上のLI-POバッテリーを推奨した設計であるということ。

つまり、Vaperの皆さんが親しみある18650が基本的に使えません
(使えるけど、放電曲線のプログラムなどが必要です。)

加えて、Li-poバッテリーは、生セルタイプの電池よりも、
扱いにノウハウがいるらしい。

…なーんて神経質な話も重なり、
Modderさん方は現在DNA200搭載製品を敬遠している傾向が有るようです。



そこで巻き返してきたのが、SX350jに代表される、
YiHi社の制御基板。

00 YiHi


18650シングルでも30[W](互換の有る[J]でYiHiは表していますが)で
運用が可能で、デュアルスタックだと、50[W]まで使用することが出来ます。


しかし最大の懸念は、
製造元が中国であるということだと思います…。


私は中国製品大好きですが、まぁそこは人それぞれというところで、
どうやら、敬遠する人もいるらしい、ということでw


で、そんな現代の制御基板業界に、
新星の如く現れた、本MODのに搭載されている、
ロシア製のStarplat!
00 SP



こちらは、18650一本で、50[W]にまで対応しています!

しかも、DNA40では対応していないTiコイルによるTCに対応している上に、
DNA200ほど緻密ではないものの、ユーザーが自分で
TCR係数を指定して、任意の金属のコイルに対応することも出来ます


そして、極めつけは、この小ささ

00SP

 液晶含めて、だいたい10円玉と同じくらいのサイズしか有りません!
スゴイ!

これだけ小さければ、MODの形状にかなり自由度があります


といったところで、世界中のModderさんの心の隙間を埋めるべく
して登場した、ロシア製のStarplat

その性能を評価してみて欲しい
とのことでVAPECHKさんから本依頼が来たわけです

これはもう、制御屋冥利につきる!といった具合の依頼でしょう!



というわけで、次回から解析記事に入りたいと思います。w


ちなみに、私、週末はオフ会には行けないのですが、
別件で関東方面にプライベート出張の予定がありまして、
更新は不定期になる予定です。ゴメンナサイ 


オフ会に行かれる皆さん、

道中気をつけて! & 楽しんで下さい! 



RUSMOD販売ページ@VAPECHK

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