VAPE MOD研究所

電子タバコのMODの計測と評価…というニッチなジャンルの日記

カテゴリ: MOD解析

こんにちは。今回は、Lambo社 A8のレビュー&Mod解析になります。
 DSC_0563
こちらはLamboの取り扱いを行っているFASHOW社より提供をうけました。
こんなニッチなジャンルのBlogに商品提供して頂いて、ありがとうございます…

私なりに、
精一杯しゃぶり尽くさせていただきます。 



まずは、普通のレビューからやらせていただきます。


【ケース外観】
最初の画像でも分かる通り、A8は専用ケースがついてきます。
これが、まぁまぁ大きいです。
比較に、BT50を並べてみます。
DSC_0564

おじさんが持ってそうな、サイドバックより少し小さいくらいのサイズだと思います。

【ケース中身】
DSC_0565
中身は、本体の他に、充電器と交換用コイルと、取扱説明書が入っています。

他にも、カードホルダー等が有ります。
使い方によっては、最低限のクレジットカードなんかを入れれば、
コレひとつでお出かけできますよ!っていう
コンセプトなのかどうかはわかりませんが、
電子タバコの使用用途を考えれば、
もう少し小さいサイズにしていただきたかったですね…
ただ、開閉のボタンマグネット等、パチっとはまるし、
ケースの質感は結構良いです。


【本体】
DSC_0566
かなり長さが有ります。
ですので、使っていてどこかに無くしてしまった!ということはなかなか無いでしょう。
持ち運びには若干難があるかもしれませんが、
握って吸う分には、悪くないサイズだと思います。

【アトマイザ】
抵抗値は、2.2[ohm]だったと思います。
センターピンから吸気するタイプだし、
V2アトマイザのような古いタイプだろう、と思っていましたが、
使っている部品はたしかにV2アトマイザっぽいですが、
一応ボトムコイル設計になっていて、
最近のクリアマイザーのトレンドは意識しているのかな、というかんじです。
DSC_0679
 
センターにも、LAMBOとレーザー刻印されていて、なかなか凝ったデザインです。


 【出力調整/5クリックロック】
 こちらのA8は、VVのMODとなっており、
ボタン入力により、出力を4段階に調整することができます。
三回クリックしてから、点滅中にクリックするたびに、
赤(3.2[V]) → オレンジ(3.7[V]) → 緑(4.2[V]) → 白(4.8[V]) →赤…
ときりかわります。

DSC_0687DSC_0688DSC_0689DSC_0691

4段階出力切り替え、3回クリックで出力調整モードとなることから分かる通り、
A8はX6とは異なる系統の制御基板であることがわかります。

また、ボタンを5回クリックすることで、ロックモード(電源オフ)
にすることもできます。
この辺りは、基本を抑えている感じですね。

ロックモード状態で、5回クリックすると、ロックから復帰します。

ロックモード突入 or 復帰時に、ボタンが各色に変化しながら
点滅する儀式のモードがあるのですが、LEDの発色が良いので、
なかなか綺麗です。w
(作ってる人も、ここ作った時は結構楽しかったんだろうな、と思いますw)


【試飲】

DSC_0684

Vape DudesのDr.VenkmanをチャージしてVapingしてみました。

ちなみに、チャージするときは、一般のクリアマイザーのように、
タンク部分を逆さまにしてチャージします。

DSC_0681


吸った感想は…

エアフローは、重めではあるものの、思っていたよりはそこそこ通ります。
TaifunGT初代なんかよりは軽いドローです。

煙の量も、V2アトマイザよりは良いとおもいます。
温度FB機種で、RDAにチャージしてから5~7回Vaipingした後の
ミスト量よりは、ボリュームが有ります。

一応、PCのモニターを狙撃できる程度の輪っかも作れました。
DSC_0685-2

味の方も、Venkmanの特徴である、"ポカリみたいな味"がちゃんとでています。
これなら、いくつかのリキッドに対して、ブラインドテストしても、
Venkmanを言い当てることが出来るくらいの味の再現度は有ると思います。


ただ、私の個体だけかもしれませんが、
しばらく吸っていると、ジュルってきました。
ボトムコイルの構造上、個体によっては、漏れが発生するかもしれません。

【レビュー総括】
中国製のオリジナルな電子タバコですが、
ケースしかり、見た目しかり、
企画している人たちの、"Non-cheapに作りたい!"という意思は伝わります。

ただ、正直な感想からいうと、
大きくて、持ち運びに難儀な点が、
使用用途を選ぶな、と思いました。

作り手のやる気は感じるので、今後の商品展開に期待したいと思います。


レビューとしては、以上になります。



…そして、ここからが当Blogのメインコンテンツになります。


[Mod Analysis]Lambo A8

DSC_0568

【出力解析】

まいどの解析セットで、出力波形を計測してみました。
DSC_0567

驚いたのが、このMOD,PWM制御ではありません。


【出力波形:赤】
アトマイザ抵抗:-[ohm](アトマイザオープン)
出力設定:3.2[V]
 00-00 0o red

X6の出力波形とくらべて貰えば一目瞭然ですが、
PWMの特徴である、矩形波の細かいON-OFF波形がありません。 

それどころか、一切の出力のよどみもなく、3.3[V]を一定で出力しています。

他の出力設定も同様で、安定した出力波形になっています。

【出力波形:オレンジ】
アトマイザ抵抗:-[ohm](アトマイザオープン)
出力設定:3.7[V]
00-01 0o orange

【出力波形:緑】
アトマイザ抵抗:-[ohm](アトマイザオープン)
出力設定:4.2[V]
00-02 0o green



バッテリーを昇圧していると思われる、4.8[V]設定ですら、
DNA系の制御基板の出力よりも安定した電圧
となっています。 

【出力波形:白】
アトマイザ抵抗:-[ohm](アトマイザオープン)
出力設定:4.8[V]
00-03 0o white
 

MODのサイズ的に、
「どうせ18650が中にはいってて、PWMで降圧してるだけなんだろ~な」
と高をくくっていましたが、いい意味で裏切られました。

しかも、狙いの電圧設定に対し、0.1[V]以内の高精度で出力しており、
正直rujiAはどういう手法で制御しているのかわかりません。w

【表:各出力設定におけるターゲット電圧と実出力】
01-00 出力誤差

出力誤差3[%]という驚きの結果に…w


ただ、あくまでVV機なので、アトマイザの抵抗値に応じて出力を
切り替えるような昨日はありません。

1.5[ohm]抵抗の実負荷を接続して通電すると、電圧降下がおきました。
【出力波形:白】
アトマイザ抵抗:1.5[ohm]
出力設定:4.8[V]
5or, white 電圧降下

そして、この抵抗値で、何度かチェーンして、バッテリーを虐めていると、
波形が崩れるモードが発生致しました。

【波形崩れ】
5or, white 波形崩れ

【波形崩れ:拡大】
3ms

 この波形だけ見ると、DC-DCコンバータの特徴に似ていますが、
やはり、私にはよくわかりません。
ので、A8がどうやって制御しているのか、なんとなく予想がついた方が
いらっしゃったら、是非教えて下さい。


【解析結果総評】
VV機としては、超優秀!だと思う。
ただし、アトマイザーは高抵抗が良いと思います。


以上です。



ところで、私も、今週末の埼玉のVapeイベントに行こうと思っています。
黒い、VF-cloneか、本記事にも登場した、青いBT50を持って行っていると
思いますので、もし見かけたら、お気軽にお声がけください♪
(私のHNは、"るじあ"と読みますので、そんな感じで読んでくれれば、振り返ります!)
 

 

こんにちは。rujiAです。

前回の記事で、次はDNA30の記事書きます!なんていっておきながら…
…ごめんなさい、今回は違います。
今回はVapor flask DNA40 clone kangxin KX-40D、
本Blog内での通称Flask-KXの続編です。 

ツイッターで相互フォローして頂いている、うふふのけいちゃんさんから
"設定温度を振ってみて、コットンを空焚きしてみていただけませんか?"との
リクエストがあり、この検証を行います。

【検証の狙い】
Temperature protection、温度FBは、言うまでもなくコイルの温度を検知し、
設定温度以上にコイルが熱くならないように調整する機能です。 

つまり、 Flask-KXが実際に温度FBできていれば、コットンを空焚きした際に、
どこかの温度で、コットンが焦げなくなる温度が有るはずです。

もし、どこまで温度を下げても、コットンが焦げ付いてしまうようであれば、
「温度FBの成立が怪しいね」ということが分かります。

ちなみに、海外ではこの検証方法が流行っているようで、
Youtubeなんかで"Cotton Burn Test"で検索すると、
いくつか動画が出てきます。

設定温度はわかりませんが、
SMOK のM80では、コットンが引火して燃え尽きてしまうようで、
「Smokさん、いまいちだね」という評価であるようです。
 

ただ、実際の使用には美味しく吸える程度の成立性は有るようで、
Japan Vape TVさんなんかは、機能に対して高評価なようです。

ちなみに、本家DNA40では、こんな感じになるようです。
(14:40あたりで、結果が見れます。)


 設定温度に応じて、コットンの焦げ具合にグラデーションがかかっていますね。

【測定機材等】

1.アトマイザ治具
DSC_0471

今までの解析記事では、メタルクラッド抵抗をコイルの代わりに使用していましたが、
温度FB機を評価する際は、実際にNi200のコイルを使用して計測する必要があったため、
アトマイザを接続する治具を作成しました。

2.Ni200コイル
AWG27G、内径30mmの16LAPで1.55[Ω]ほどです。
DSC_0463

DSC_0459


以上を結線します。
ハーネス分の抵抗が増えますので、若干抵抗値が上がります。

DSC_0475



 【測定結果】
測定は、すべて出力上限25Wにて20秒程度通電を行いました。


早速ですが、結果の画像です、

まずは、400[degF]設定から、50[F]単位で200[F]まで測定しました。
SANY0001


400[degF] … すこし焦げ目がつく
350[degF] … すこしだけ色が変わる
300[degF] … 変化なし
250[degF] … 変化なし
200[degF] … 変化なし

400[degF]以下の設定においては、
コイルが真っ黒に焦げるようなことはありませんでした。

と、いうわけで、この時点でFlask-KXにおける、温度FBは成立している
判断することが出来ました。
上記全てにおいて、煙が発生することはなく、
400[degF]設定時において、すこし焦げた匂いがするくらいでした。


続いて、400[degF]設定よりも上の設定時における検証です。

SANY0008


こちらは、下記のような結果になりました。
600[degF] … 煙が発生した。焦げて焼き切れた。
550[degF] … 煙が発生した。明らかに焦げた。
500[degF] … 煙が発生した。焦げ目がついた。
450[degF] … 少し煙が発生した。500[degF]よりは薄めに焦げ目がついた。 

<番外編> 
温度FBオフ … 4秒程で出火!! コイル接触部分が燃え尽きる。 

SANY0011
(結構びっくりしました。)
 

と、いうわけで、 繰り返しになりますが、
Flask-KXは、温度FBを行っております。 

実際の使用においては、コットンがリキッドに浸っていることから、
350[degF]~500[degF]強くらいの設定がスイートスポットなんだろうな、
とおもいます。

コットン使用においては、550[degF]以上の必要性は無いのではないでしょうか…。

rujiAは380[degF]あたりで使用することが多いです。
当然ですが、ドライバーンによるイガり等は、発生したことがありません。

ちなみに、出力波形を見る分には、DC-DCコンバータにて
変圧を行っており、本家DNA40にちかいハードウェア設計なようです。

<出力波形:550[degF]設定時>
01-08 550F 25w 2s

 あとで制御手法については詳しく書く予定ですが、
ざっくり言えば、最初にガーッ!と電圧かけて、
温まったら弱電圧でじわ~っと電圧かけて、 
ちょっと冷えたら、ぱっ!ぱっ!ぱっ!と強めに電圧を
与えるようなイメージですね!(擬音を多用してみました。w)


ちなみに、コイルに対して息を吹きかけてみたら、
コイルの温度低下を検知して、電圧をあげています。
なかなか賢いですね。応答性も問題無いです。

01-09 380F 25w 2s 行きフー
「フッ!フッ!フーッ!」と息を吹きかけてみましたが、
私の息の吹きかけたタイミングに、25w相当の電圧まで
昇圧しているようです。


個人的には、なかなか好感が持てるCloneだと思います。
特に、制御基板と制御設計が、手を抜いていない印象です。

ま、生産ラインのおばちゃんは、手を抜いている可能性があるので、
オススメはしませんが、リスク(※)を理解出来る人で、
温度FB機種を試してみたい人には、ちょうどいい製品だと思います。

※リスク:例えば、中身の配線が雑だったら、なんだって起こりえます。使用者の感電や、電池の爆発…等 




今後は、時が来れば、本家DNA40の比較なんかも行う予定です。
YiHiや、M80なんかも、レンタルでも基板単体でも、提供してくださる方がいれば、
出力を計測して、記事にいたしますよ!
 

こんにちは。rujiAです。

今回はですね…
いい加減X6のシリーズを終わらせたいと思います。
DSC_0354-02

当Blog開設時から、やってきた本X6シリーズですが、
ちょっとダラダラやりすぎたな、と内心反省しております。

最近は、書きたいものが沢山あるので、
X6の話は本記事でサクッと終わらせます。

さて、まずは毎回恒例のおさらいです。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
【解析結果】Kamry? X6はこんなMODでした

1.電圧調整方法は、PWM制御によるもの。
2.PWMの周期は25[ms](0.025[秒]/周波数40[Hz])。
3.出力電圧の考え方は、実行電圧値。(Vrms。非Vavg。)
4.最大パフ時間は10[sec]。
5.抵抗計測はしていない。(少なくとも制御には使っていない)
6.アトマイザ断線検知/バッテリーショート等のフェールセーフ機能はない。
7.バッテリー保護のための低電圧検知制御有り。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

これまで、過去記事にて、1.~5.まで説明しました。

過去記事はこちら↓。

早速、続きの説明に移ります。

【6.アトマイザ断線検知/バッテリーショート等のフェールセーフ機能はない。】 

例えば、DNA30なんかは、
アトマイザの抵抗が在り得ないくらい高い時に、
アトマイザの断線を検知して、↓のように警告文を出してくれます。
DSC_0353-02

しかし、X6は、"5.抵抗計測はしていない。(少なくとも制御には使っていない)"でも
説明したように、アトマイザの抵抗に応じて、制御を変えるようなロジックが
実装されていないため、特になにもしません。

故に、断線で通電ができなくとも、低すぎる抵抗値になったとしても、
X6の残バッテリーなりに、ありのままの振る舞い
をします。


…上記を読んで、X6でSUBOHMアトマイザを使おうとした人ならば、
違和感を覚えるかもしれません。

「いやいや、低すぎる抵抗だったら検知するよ。だって俺X6でSUBOHM使えなかったもん」と。

その通りで、X6はSUBOHMのアトマイザを使うと、自動で出力をカットしてしまう機能があります。

しかしその動作は、実は抵抗値検知による動作ではないのです。

詳しくは、事項"7.バッテリー保護のための低電圧検知制御有り。" で説明致します。



 【7.バッテリー保護のための低電圧検知制御有り。】 
これは、そのままですね。
バッテリー出力が、 約2.7[V]程度まで低下した際に、
(多分)過放電によるバッテリー死亡を防止する目的で
通電を自動でカットする機能があります。

リチウム電池の放電終止電圧は、2.75[V]とされるケースが多いので、
そのあたりの電圧を狙って上記閾値を設定しているものと思います。

…さて、ここまで読んでお気づきの方がいらっしゃるかもしれませんが、
"6."で書いた、"X6はSUBOHMのアトマイザを使うと、
自動で出力をカットしてしまう機能"の正体は、
実はこの定電圧検知制御によるものなのです。

実際にSubohmに通電した時の下記出力波形を見て下さい。

 【出力設定:高() アトマイザ抵抗0.5[ohm]】
■500[ms/Div]
青波形

つまりは、X6のバッテリーの最大電力性能に対して、アトマイザの抵抗が低すぎて、
電圧降下が起きている状態になります。

PWM制御を行っている状態においても、同じです。

 【出力設定:高() アトマイザ抵抗0.5[ohm]】
5Ω 500ms 電圧降下する

【最後の部分を拡大】
5Ω 10ms 最後の方面白い
もう、最後の波形なんて、大分0[V]に引っ張られており、
電池さんに対して、かわいそうな気持ちになってきます。

お恥ずかしい話なのですが、rujiAは実はあまり電池の仕組みや現象については
詳しくないので、上記に関して、これ以上の説明はできませんが、
電池の気持ちになって考えてみると、

電池「うわーん、流しても流しても、全然間に合わないよ~!」

なんて言いながら、
最後に過労死寸前で定期健診で引っかかって会社からの業務指示による強制有給取得
のような状態だと思うので、多分、ものすごいブラック企業良くない状態なんだと思います。

例えば、V2アトマイザだけ使っていれば、
特に気にする問題でもないかとは思うので、
X6が設計された当時の仕様としては、そんなもんでも十分だったんでしょうね。


ここ半年ほど、X6は良くないと言われる場面が多いですが、
rujiAとしては、操作の不都合なんかよりも、昨今のSUBOHMのクリアマイザーが
簡単に手に入る状況においては、バッテリー性能を超える低抵抗を検出できない
という設計が、最大の欠陥だと思っています。

設計がX6位古いMODでは、概ね言える問題なのかもしれませんが、
X6の罪深い点は、今でも楽天のランキング上位に入るくらい
無駄に流行っている点
だと思います。

つまり、無駄に流行っていて、そして値崩れした現在においては、
よくわからず入門用にX6を買ったビギナーが、次のステップとして
SUBOHMをくっつけてしまうことが、頻繁に起きえます。
→最悪、訳もわからず爆発事故につながる可能性あり

そんなことにならないように、
rujiAは毎晩神様にお祈りしてから寝ております。


【X6について感想】
と、いうわけで最後は、ネガティブな話になってしまいましたが、
個人的には、SUBOHMさえ使わなければ、
そこまで悪いMODじゃないんじゃないかな、と思っています。

02


今となっては、私が使うことは皆無と言っていいほどありませんが、
「電子タバコってどうなの?」と興味を持ってくれた知り合いへのレンタル用に、
二軍落ちしたシングルコイルのドリッパーとともに、レンタル用に活躍中です。

改めて握ってみても、サイズ的には手頃だし、
VAPEに興味をもった人にも、引かれたりしない良いサイズだと思っています。
(やっぱりいきなりBOXMODだと、抵抗が有るようで、引いちゃうことが多いですね)


てなわけで、総評としては、
入門用には、そこまで悪くない(でも、SUBOHMは、勘弁な!)

てなとこでしょうか。
これにて、長きに渡ったX6の解析記事を終わりにいたします。


【次回予告】

次の解析記事の対象MODですが、
すでに先日、Vapor Flask V3 DNA40 Clone (Flask-KX)について記事を書いてしまいましたが、
メインでの解析記事は、HANA MODS DNA30について書きたいと思っています。

DSC_0358-02


私の初BOXMODーMODにして、今でも前線で活躍する機会の多いMODです。

機能としては、オーソドッグスではあるものの、
BOX-MODの草分け的存在ではないかとおもうので、
今後様々なMODを評価する際のベンチマークにする意味でも、
まずはこのDNA30の評価を行う必要があるに違いない、と考えています。


最後まで本記事を読んでいただいて、ありがとうございました。

こんにちは。rujiAです。

…これまで数回に渡り、X6についての解析記事を書いていて、
未だ完結に至っていない当Blogですが、ここで別のMODについての記事を書いちゃいます。

なぜなら、新しいMODが昨日届いて、個人的に今HOTな話題だからです!
X6の記事も、そのうち完結させますが、まずはさわりの部分だけ、
このMODについて記事を書かせていただきます。

今回は、最近の日本のVapeシーンで流行っている
温度フィードバック機能(以下温度FB)MODである、↓について書きます!

 DSC_0322

このMODは、本家温度FB基板であるDNA40を搭載した、
Vapor flask V3 を模した 製品です。所謂Cloneですね

Cloneについては、いろいろな意見がありますが、
当ブログでは、あまりその辺に触れずに書かせていただきたいと思います。


この製品の制作は、KangxinというChinaの企業で、
MODの挙動を観察した限り、中身の基盤もDNA40とは別のものが入っている様です。
その辺を主張したいのか、電源投入時のオープニング画面で、"KX-40D"と表示されます。



00 opening 基板名


本Blogでは本家Vapor Flask V3と呼び分けるために、
便宜上このCloneを、Flask-KXと呼ばせていただきたいと思います。

今回は、このFlask-KXのファーストインプレッションについて書くことにしまして、
出力特性については、以降の記事にて詳しく書きたいと思います。


では、早速書いていきましょう。


ちなみに、購入は、下記サイトで行いました。
VF V3 Style Temperature Protected 40W Clone - Black@Focalecig.com



【パッケージ】
DSC_0311
VAPEグッズでありがちな、厚手の紙でできたパッケージです。
ところどころボコボコと打痕のような凹みが有り、私の手元に来るまでの
長旅の様子を想像させます。

【開けたトコロ】
DSC_0314
なんでか、"もしかして、店頭でディスプレイしてた?"と思うくらい、
ホコリが表面につきまくってました。なんか、糊のようなものでベタベタしている部分もあったので、
パーツクリーナーで拭いておきました。The 中華!ってかんじで、なかなかワクワクさせる演出です。w


【見た目や大きさ等】

手にとってまず最初に感じた印象は、
"あれ?意外と小さいんだな"という事です。
18650サイズの電池を2つ使うし、
形状から、本物の酒壺くらいだろうから、
Nintendo DSくらいのサイズかと思っていましたが、
実際には、手のひらに収まるサイズと言っていいと思います。

BT50と比べると、確かに横幅が有りますが、
格で言えば、個人的には、HANAのDNA30やBT50と同じクラスと思ってもいいと思います。
DSC_0315

そして、何よりこの酒壺の形状が、最高に絶妙です。
指がMOD全体を覆って、人差し指に丁度パフボタンがきて、
裏側は、親指の腹が丁度ハマってホールドしやすいようになっています。

本当に、酒壺の形状でVape作った、本家Flaskmanさんは天才だと思いました。
DSC_0347-2
…、と思ったけど、よく考えたら、
そもそも酒壺の形状を作った人が、まずは天才ですね。w

とにかく、この形状は、デザイン重視のものではなくて、
ホールド性を追求した結果の究極の形と言っても過言ではないと思います。

まぁ、そんなわけで、見た感じはバリとかもないですし、
適度に重みもあって、質感はそんなに悪く無いと思います。

けれど、外見上の残念なポイントが一つありました。

【残念ポイント1:電池蓋】
私はFlask-KXに、フラットトップの電池を使っているんですが、
背の低いフラットトップでも、電池蓋が締まりきれなくて、少しはみ出ています。
SANY0007-2

なんていうか、Cloneらしいといえばらしいんですが、
てっきりガワは完全コピーかと思っていたのに、なんでこんなことになっているんだろう…
海外の比較記事でも、"Cloneは本家Flaskよりも、若干背が小さい"との記載があった気がしたので、
ここにそのしわ寄せが来ているのかもしれません。


【中身】
外見は、そこそこ立派なんですが、
中の処理がテキトーだと、感電するかも…と少しばかり恐ろしくなりまして、
早速開けてみました。

DSC_0338


液晶のガイドステーの精度とかは、問題なさそうです。

DSC_0339

中身の配線は、お世辞にも丁寧とは言いがたい仕事です。
線も、ムダに長くて押し込めてあったりするし、
ポディング材も、取り敢えずてんこ盛りです。

まぁでも、無いよりはてんこ盛りのほうがいいし、
一応ポディング対象の場所を見ても、
絶縁のためのツボは抑えてありそうだったので、
開けてみてひとまず安心しました。


ただ、この感じだと、このCloneがある程度流行ったりなんかして、ラインの負荷が上がると、
作業者的にはどんどん雑になっていくと思うので、
Flask-KXの全部が、平気か?といえば、確実にNoだと思います。

本物のVapor Flaskは、このへんはもっときれいなんじゃないかな、と思います。
(WEBで分解写真探しましたが、無かったので確認はできず)

中身に関しては、値段なりと言ったところでしょうか。

基板も引き抜いて見た目の写真を撮ろうかと思いましたが、
引き抜いたら後戻りが大変そうだったので、やめておきました。

【残念ポイント2:充電ポート】


これね…ほんとうに残念なんですが、

無いんですよ。充電ポート…。



DSC_0316-02

本家は、背面に有るようなんですけどね…
rujiAは、BOX-MODはUSBで充電して、
電池を入れ替えずに運用するスタイルだったので、
ちょっと不便です…。

そして、まともな充電器を持っていなかったので、
昨日さっそくAmazonで充電器を購入しました。(お急ぎ便でw)

<余談>
多分、私が購入したFocalecigは、この点について気づいているようで、
私の購入したMODのページでは、↑のような背面の写真の公開がありません。
全部、表側だったり、絶妙に手で隠したりしていて、気づかないように写真を撮っています。
…よく考えていますね。w



【その他】
ひとまず、すでに買ってあったNi200でコイルを巻いてみました。
DSC_0320
はじめての非Microcoilのビルドでしたが、
意外とうまくいきました。ただし、抵抗は若干低めの1.1[ohm]となってしまいました。
Niは、冷間時の抵抗値が本当に低いですね。

で、肝心の温度FBですが、液晶の挙動や、煙の出方を見る限り、
ちゃんと機能出来ているようです。

そして、昨日から丸1日かった限りでは、
急にリセットしたり、吸い始めでバッテリーの警告がでるようなこともなく、
安定して運用できています

その他、細かい挙動もチョイチョイ本家DNAとは
違う部分があるようなので、おそらく、現在発覚している、
本家DNAのSoftware bugなんかも、コイツに限っては、
無いんだろうなと思っています。

Kangxinさん、なかなかやりますね…
(摂氏表示の切り替え機能はなかったが。w)

Vapor Flask DNA40のCloneについては、いくつか種類があるようですが、
私の手元にあるFlask-KXは、パッケージこそ違うものだったものの、
その他の特徴から、下記の物と同じものではないかと考えています。

Vapor Flask V3 Clone Review@Vaping Cheap
Vapor Flask DNA 40 Clone Review @Youtube

Flask-KXについては、海外では上記以外にも、
レビューされている方が多くて、しかも、以外に好評が多いです。

本家Vapor Flask DNA40の最大の特徴である、
温度FBがちゃんと動作しているためだと思います。

 
かくいう自分も、1日つかった限りでは、思っていたよりもデキがよく、
割と気に入っているというのが正直なところです。
(ステッカー貼っちゃったりしてます。w)
SANY0006-02


ただ、個人的には温度FBが、コーヒーリキッドでタール状の物質が発生する現象
に対する決定的な解決策になったらいいな、と期待していたのですが、
いろいろ試した限りでは、あのドロドロは温度に関係なく、リキッドの消費量に対して、
比例して発生するようですね…

DSC_0351-02

まぁでも、普通のBOX-MODとMicrocoilでガンガン吸うよりは、マシなのかも?
もう少し、いろいろ試して検討してみるつもりです。


ひとまずは、こんなところでしょうか。
ファーストインプレッションとしては、ひとまず以上になります。


[余談]
次のMOD解析記事を、X6の最終編にするか、Flask-KXの性能評価編にするか、
 それともDNA30の記事にするか、迷っております・・・。

今だったら絶対Flask-KXの方が旬だよなぁ~…なんて思ってはいますが… 
うふふのけいちゃんさんからも、試験のリクエストが有ったので、
DNA40の記事かなぁ、やっぱり。 

こんにちは!rujiAです。

さて、今回で4回めになるX6の解析記事になりますが、

なんやかんやで長引いてしまっていますねぇ。
私の記事を書くスピードも早くなくて、ちょっとまったりしすぎかな、と思います。
(申し訳ないです。)

そもそも、X6なんて終わってるMODに時間かけてんじゃねーよ!」って
思ってらっしゃる方もいるとは思います。

ですが、まずは、私のVape遍歴の最初のMODであり、
他のMODの評価の基準となっている(た)X6に対して
じっくり語っておきたいと思っています。

ちなみに、X6について語ったら、
次はDNA30について書きたいと思っています!
(乞うご期待!)

ひとまず、前回までのおさらいで、解析結果言えること↓。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
【解析結果】Kamry? X6はこんなMODでした

1.電圧調整方法は、PWM制御によるもの。
2.PWMの周期は25[ms](0.025[秒]/周波数40[Hz])。
3.出力電圧の考え方は、実行電圧値。(Vrms。非Vavg。)
4.最大パフ時間は10[sec]。
5.抵抗計測はしていない。(少なくとも制御には使っていない)
6.アトマイザ断線検知/バッテリーショート等のフェールセーフ機能はない。
7.バッテリー保護のための低電圧検知制御有り。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

これまで、過去記事にて、1.~3.まで説明しました。

過去記事はこちら↓。
[Mod Analysis]Kamry?社 X6 Vol.1
[Mod Analysis]Kamry?社 X6 Vol.2 -PWM制御解説編-
[Mod Analysis]Kamry?社 X6 Vol.3



では、さくさく進めたいと思います。

【4.最大パフ時間は10[sec]。】

そのまんまですね。
通電時間が10秒以上あった場合は、自動でカットしてくれる機能があります。
制御設計マニアとしては、設計者に10秒っていう時間の妥当性
を問い詰めたいところですが、まぁ概ね10秒も吸い続けるような人なんて
おらんやろ、ってことなんでしょうね。

このへんは、EleafのiStickも同じく10秒で自動で通電が切れます。

クラウドチェイサーな方は、いらんことしやがってとなるんでしょうかね。

ちなみに実波形はこちら。↓

何れも下記設定で測定しております。
■アトマ抵抗値…1.5[Ω]
■1time/div…2000[ms]

【出力設定:低()】 
5 10sec

【出力設定:中()】
5 10sec

【出力設定:高()】
5 10sec


[Note]
【出力設定:中()】にて波形が縞模様になっているのは、
モアレとよばれる表示上の現象のためで、
独特の制御をしているとかいうわけではありません。 


5.抵抗計測はしていない。(少なくとも制御には使っていない)
これは、以降の6.と7.にも関係ある話なんですが、
書いている通り、X6はアトマイザの抵抗値に合わせて、
出力を調整するような機能がありません。

X6の公証出力電圧とは、
あくまで、抵抗無し時のX6からコイルへの入力電圧が、
各出力設定値、(4.2/3.8/3.3 [V])なのであり、
真の回路(コイル)に対する出力電圧は、出たとこ勝負な設計となっています。


まぁでも、VVなMODってもしかしてみんなそうなのかな?
すくなくとも、手持ちのDNA30は、目標Wに追従するために、
コイル抵抗に合わせて、MODの出力を調整しています。

(他のVV機種については、将来的に、
iStickの解析記事の時にでも掘り下げてみましょう。)


以下、例として、各コイル抵抗時における出力高()
実際のコイルに対する電圧値の実波形を載せます。
 
画像の波形画面左下あたりにある"Vmax"の数字に注目してみてください。

【コイル抵抗:∞[ohm](アトマイザ無し)】
0Ω 10ms


【コイル抵抗:1.5[ohm]】
5Ω 10ms


【コイル抵抗:1.0[ohm]】
0Ω 10ms

【コイル抵抗:0.5[ohm]】
(!注意!X6のサブオーム通電は、推奨外です。よいこはまねしないでね!)
5Ω 10ms


もちろん、出力波形の周期とDutyは、各抵抗値の波形すべて変わらず
25[ms]の73.3[%]です。

X6は、PWM制御でのパルス変調のみを電圧の調整手法として
いるようですので、この時点で、アトマイザのコイルの抵抗の
ことは、特になーんも考えてないんだろうな、ということがわかります。

Vmaxを表にすると、↓のようになります。
【Vmax表】
00-00 Table

もし、抵抗に応じて、回路に対する電圧を常に、設計電圧としている設計ならば、
せめて1[ohm]より上の抵抗時はすべて同じ出力になるかと思いますが、
上記結果では、そうはなっていません。

まぁ、つまり、出たとこ勝負な設計なわけです。

…まぁ、当時はこれでもよかったんでしょう。
私は当時のことは知りませんが、VVが出た時点で、かなり革命的だったようですしね。

メカMODチックに、とにかくバッテリーの実力やヘタリ具合なりに出力
するしかないようなものから考えれば、三段階出力が調整出来るだけマシです。

その点、 最初に昇圧回路とフィードバック機構を取り入れた
テクニカルMODは優秀ですね。
最近は、温度F/B制御が、VAPE界の最新トレンドですが、
当時はかなりのイノベーションだったと思います。
(私もリアルタイムではないけれど、DNAを最初に触った時は、"すげー!"って超びっくりしました。)

最初に開発した人(会社)は、一体誰だったんでしょう。
レベルの高さで言えば、Evolv社なのかなぁと思っています。 


【ちょっと脱線】

bernoul

VAPECHKさんで、
VAPECHK「ぼくの考えたさいきょうのMODを買う権利をやろう」係というのを
やっているようなんですが、次のVAPEの電子制御のトレンドについて、考えてみました。

以前もちょっと書きましたが、いずれ流行りとして来るのは、
エアフローフィードバックコントロール(以下AirF/B)かな、と思います。
狙いは何なの?というと、「ミストの濃さを自動調整してくれる」ということです。

現在トレンドの温度フィードバックの狙いは、極端な話、
焦げの防止」が最大の目的だとrujiAは認識しています。

これっていうのは、焦げ=マズーと考えると、温度制御は、
不味いを防止する受動的な機能であるとrujiAは考えています。

上記に対して、AirF/Bは、美味さをアクティブに実現することができる機能
になると確信しています。

美味さは、ミストの好みの濃さである、とrujiAは思っています。
つまり、AirF/B制御は、ミストの濃さを任意の濃さにコントロールするんです。

じゃあ、濃さってどうやってコントロールできるの?というと、
要は人が吸っている量に対して、コイルの通電時間や
出力電圧を調節してあげればいいんです。

具体的な手法としては、例えば、下記のようなのを考えています。

_/_/_/
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
1.ユーザーが、アトマを加えて、吸い込む
2.その際、アトマイザ内のセンサにて、時間あたりの吸入空気量([g/time])を算出
3.上記、吸入空気量に応じて、予めユーザーが設定した好みの濃度になるように、
出力電圧/通電時間を算出して、コイルに通電。
4.いつ吸っても、丁度いい濃さでウマー!
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


…どうですか?もちろん、乗り越えるべき課題は多いですが、
Vapeが美味くなるために進化し続けていくならば、必然的に辿り着く手法に違いないと、
rujiAは考えています。


当然、一番のネックになるのは、アトマイザ内に設置するセンサでしょう。

多分、アトマイザのサイズで吸入量を算出するなら、
薄い金属片に歪みゲージを貼り付けたセンサで、アトマイザ内の空気圧を
測定する方法(一部ではSpeed dencity方式と呼ばれています)を使用することになると
思いますが、日本国内のセンサメーカーによる空気圧計は、そこそこのお値段がします。
(末端価格で1万円くらい?)
それだと、アトマ単体でもへたしたら3万とかになっていまうかもしれませんね。

なので、チャイナのメーカーさんが、そのへんをどう安く作ってくれるか?
というところにかかっていると思います。
アトマのエアフローを、実測したことはないので、
なんとも言えませんが人の肺活量の範囲をかんがえたら、
実は作っちゃったら安くできちゃう可能性もあるんじゃないかな、と思います。

もし実現するなら、Evolvみたいに、自社で開発した技術を
いろんなMODメーカーに提供するスタイルがいいんじゃないでしょうか。

絶対高くても、現在のVAPE沼にハマってらっしゃる方々をみていると、
買う人は絶対いるだろうな~と思います。


未来の技術を提案(妄想) するのは、どんなジャンルでも面白いものですね。

VAPECHKさんにお願いすれば、作ってもらえるのかな?w
 

こんにちは!rujiAです。

では、今日もパチ物X6の解析記事の続きを書きたいと思います。


まずは前回までのおさらいです。
解析の結果、私のX6 はこんなMODだということがわかりました。

 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
【解析結果】Kamry? X6はこんなMODでした

1.電圧調整方法は、PWM制御によるもの。
2.PWMの周期は40[ms](0.04[秒]/周波数25[Hz])。
3.出力電圧の考え方は、平均電圧値。(Vavg。非Vrms)
4.最大パフ時間は10[sec]。
5.抵抗計測はしていない。(少なくとも制御には使っていない)
6.アトマイザ断線検知/バッテリーショート等のフェールセーフ機能はない。
7.バッテリー保護のための低電圧検知制御有り。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
 


本日は"2."以降について書いていこうかと思っていますが、
ここで2つほど訂正がございます…

"2."と"3."について重大な誤記がありました。

"2."は正しくは"2.PWMの周期は25[ms](0.025[秒]/周波数40[Hz])。"で、
"3."は正しくは"3.出力電圧の考え方は、実行電圧値。(Vrms。非Vavg)"です。

従いまして、正しい解析結果は、下記になります。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
【解析結果】Kamry? X6はこんなMODでした

1.電圧調整方法は、PWM制御によるもの。
2.PWMの周期は25[ms](0.025[秒]/周波数40[Hz])。
3.出力電圧の考え方は、実行電圧値。(Vrms。非Vavg。)
4.最大パフ時間は10[sec]。
5.抵抗計測はしていない。(少なくとも制御には使っていない)
6.アトマイザ断線検知/バッテリーショート等のフェールセーフ機能はない。
7.バッテリー保護のための低電圧検知制御有り。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


よって、本Blog中のすべての記事にて、該当箇所を15/02/22中に
すべて修正いたしました。申し訳ありませんでした。
(この記事を書いている途中で、「あれ、なんかおかしいな…」と気づきました。)





では、気を取り直させて頂いて…


"1."については、先日記事にしましたが、
一つのMODの解析記事に対する1項目なのに、
ちょっと長くなりすぎてしまったと反省しております。

そこで、今回からは
各項目について、言いたいことだけ書くような形を目指して、
なるべくもうちょっとあっさり目に、書いていこうかなと思っております。
(それでもクドいかも…)

ですので、もし読んでいる中で、
"用語の意味がわからん!"や、 "そもそも言ってることの意味がわからん!"
という部分があったら、BlogやTwitterにて教えてください。

よろこんで個別に解説させていただきます。(要望が多ければ、スピンオフして記事にします。)



さて、では早速解説していきましょう!


【2.PWMの周期は25[ms](0.025[秒]/周波数40[Hz])。】
 5orm
■アトマ抵抗値…1.5[Ω]
■1time/div…10[ms]

上記波形を見ていただくと解るように、25[ms]のPWM制御による
電圧変動を1パターンとして繰り返していることが分かります。 
"PWM制御って何?"という方は、こちらの過去記事を参照して下さい。

すなわち、X6は25ms中、何%の時間を0[V]とするか、で
任意の電圧を再現しようとしています。

この、1周期の時間25msですが、
良いか、悪いか、でいうと、カンタル線の、
パフボタン入力後の温度の立ち上がりスピードを考えると、
悪くはない数字だと思います。
0.1秒とかだと、遅っせーな!ってかんじですけどね。


(画像はイメージ)
01-01
カンタル線を空焚きした時の
真っ赤っ赤になるまでの時間あたりの色の変化を見る分には、
圧倒的に不足している、ということはなさそうです。

過去記事の例で言うと、りゅう君が熱湯風呂に使ってから、
脳が肌の温度の異常上昇を認識して、「熱゛ーっ!」っとリアクション
するまでの時間に対して、十分短い時間といえるのではないでしょうか。

このへんは、サブオームアトマイザ前提のバッテリーMODだったら、
もっと速い周期にて設計する必要があるかもしれませんね。
そう考えると、PWM制御のMODは、設定された周波数に応じて、
使用できるアトマイザの抵抗のレンジが決まっている
と、言えるとrujiAは考えています。

2Ω前後のアトマイザを使う事が前提のX6なら問題無いと思います。


【3.出力電圧の考え方は、実行電圧値。(Vrms。非Vavg。)】
VrmsとVavgについての考察を、下記記事にてGabishさんが
解説してくれております。

PWMのワナとお詫び

上記GabishさんのBlogにも書いてありますが、
最近のVape界隈では、Vrmsによって電圧を求めることが
正解とされているようです。

が、rujiAとしては、電子タバコにおいる、電圧の考え方としては、
Vavgが正しいと考えています。


理由は、Vrmsの運用は、出力波形が正弦波の場合である事が前提だから です。
正弦波というのは、The波!ッて感じの、下図のような波形のことです。

【イメージ:正弦波】
02-00 sign wave

上記、正弦波に対して、X6や、その他のPWM制御のMODは、
デジタルチックにカックンカックンしている波形、
いわゆる矩形波(くけいは)です。

【イメージ:矩形波】
02-01 square wave
 
従って、PWM制御のVAPE-MODの場合は、
Vavg計算で電圧を求めるのが正しい、と考えています。

従って、rujiAは、X6の出力電圧に関する考え方は、
実際の波形からすると間違っており、下記Vavgの式にて
算出するのが正しいと考えています。


[Vavg計算式]
最大出力4.2[V]において、
1周期中の4.2[V]の時間をx[%]とした場合、
目標電圧値Y[V]

Y = 4.2 × (x/100)


つまり、1周期25msにおいて、4.2Vの時間がx%なら、
この式で、再現したい電圧Y[V]が求められるね!っていう考え方です。

もし、Vavgの考え方で作られたPWM制御のMODで、
そうではない制御のMODの同電圧設定時の吸った感じと比べた際に、
辛めに感じるのであれば、使用しているアトマイザに対して、
PWMの周波数設定が、低すぎるか、
Gabishさんが上記Blogで触れているように、そもそもピーク電圧が
高すぎて、一瞬でコイルが熱すぎる状態になっているか、
のどちらかだと思います。

過去記事におけるりゅう君の例で言うと、前者は、
りゅう君が、熱いお風呂と氷風呂に、一回あたりに浸かっている時間が長い
→結局は熱湯と氷風呂を交互に入ってるだけで、ただツラいだけ

ですし、後者は、
そもそも熱湯風呂が、溶解炉並に熱い
→足を入れた瞬間りゅう君がケロイド状になってしまい、ツラいというレベルじゃない
 
といったところですね。


各電圧設定におけるアトマイザ無し時の
出力波形と、結果は以下のとおりです。
すべて、スケールは1Div/10msになります。

出力波形の下に、
説明書に乗っている電圧設定値[メーカー公称値]
最大出力4.2[V]でRMSで計算した際の理論値[RMS計算値]と、
RMSで計算した実際の値[RMS実際値]と、
最大出力4.2[V]でVavgで計算した際の理論値[Vavg計算値]と、
実際のピーク電圧から求めた値、[Vavg実際値]を載せておきます。

…けれども、実際にBlogを読んでくださる方のお気持ちとしては、
もううんちくは結構なので、手っ取り早く、公称値に対して実際どんなもんよ?

てなところを知りたいだろうな、と思っておりますので、
[メーカー公称値][Vavg実際値]だけ目立つように色つけておきますね。 

【出力設定:低()】 
02-02 red 10ms na orm
[メーカー公称値]:3.6[V]

[RMS計算値]:3.59[V]
[RMS実際値]:3.34[V]
[Vavg計算値]:3.08[V]
[Vavg実際値]:2.90[V]


【出力設定:中()】
02-03 viored 10ms na orm

[メーカー公称値]:3.8[V]
[RMS計算値]:3.96[V]
[RMS実際値]:3.65[V]
[Vavg計算値]:3.74[V]
[Vavg実際値]:3.51[V]


【出力設定:高()】
02-04 blue 10ms na orm

[メーカー公称値]:4.2[V]
[RMS計算値]:4.2[V]
[RMS実際値]:3.92[V]
[Vavg計算値]:4.2[V]
[Vavg実際値]:3.92[V]


と、いうわけで、すべてのケースにおいて、
メーカー公称値よりも、実際値が低かったですが、
これは、私のX6のバッテリーが、ちょっとお疲れ気味だからであって、
フレッシュな状態のX6で計測すれば、少なくとも青設定時は4.2[V]ほど
出力するのではないかと思います。

しかし、紫設定において、メーカー公称値とRMS計算値が
0.16[V]もズレていうというのは、どういうことなんだろうか…

赤出力時の理論値が、Vrmsのほうが近いので、
設計者はVrmsで計算しているんだろう、と仮定しましたが、
紫出力で言えば、Vavg理論値のほうが近く、
On-Duty比89%という数字の意図がさっぱりわかりません
…ただ単に設計者が適当なだけ?


…とまぁ、こんなトコロで、本日はこのへんで閉めておきたいと思います。

次回以降でまた、"4.最大パフ時間は10[sec]。"から解説していきたいと思います。 

 

こんにちは!
rujiAです。

前回の記事では、

"本Blogの6記事目にして、やっとこさのメインテーマ(への導入)記事になります。

なんつって、始めておきながら、
結局は、大陸の技術者も育っておるわい…

などという、
まるで山深い奥地で暮らす仙人が、成長した弟子に送るような超上から目線の感想
で閉めておきながら、肝心の解析に関する話が全くないというお見苦しい
展開で終了してしまい、申し訳ありませんでした。


まぁでも、このBlogは、よくも悪くも、そんな感じで、
Vapeに関連して、私の思ったことを、書いていって、
それを見て、読んでくださった方が何かしら思ってくれたらいいな、なんて思っています。
(つまるところ、私自身の自己満足です!)

時には、おかしなことも書いてしまうこともあると思いますが、
たいてい晩酌しながら書いてるので、所詮酔っ払いの戯言だなぁなんて広い心と、
生暖かい視線で見守っていただければと思います。

ちなみに、なにかご感想が有りましたら、コメント欄までなんなりとどうぞ!
どんな感想でも励みになります。




さて、また前説が長くなってしまいますので、早速本題に移ろうと思います。



【Kamry? X6計測結果】

00 x6計測


 まずは、計測結果からわかったことについて箇条書きにしてから、
それぞれの項目について書いていこうと思います。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
【解析結果】Kamry? X6はこんなMODでした

1.電圧調整方法は、PWM制御によるもの。 
2.PWMの周期は40[ms](0.04[秒]/周波数25[Hz])。 
2.PWMの周期は25[ms](0.025[秒]/周波数40[Hz])。
3.出力電圧の考え方は、平均電圧値。(Vavg。非Vrms) 
3.出力電圧の考え方は、実行電圧値。(Vrms。非Vavg。)
4.最大パフ時間は10[sec]。
5.抵抗計測はしていない。(少なくとも制御には使っていない)
6.アトマイザ断線検知/バッテリーショート等のフェールセーフ機能はない。
7.バッテリー保護のための低電圧検知制御有り。

※取り消し線部分については、当記事最下部の"お詫び"を御覧ください。 
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/



ちなみに、波形測定機器は、当Blogでは毎度おなじみのHANTEK 1008になります。

では、順番に説明していきたいと思います。


【1.電圧調整方法は、PWM制御によるもの。】
これについては、以前書いたオシロスコープの見方の記事にて解説したとおりになります。

ちなみに、PWM制御をおこなっている波形というのは、こんな↓波形になります。

[出力波形1:3.2[V](赤)設定]
0Ω 10ms
■アトマイザ接続…無し
■Time/div…10[ms]
■出力設定…3.2[V](赤)


次項にて後述いたしますが、X6は、ピーク電圧4.2[V](↑の例では4[V]弱ですが)の
1周期(25[ms])において、0[V]の時間の割合を
コントロールすることで、任意の低電圧を実現しています。

おそらく、PWM制御について知らないほとんどの人が、
「なんのこっちゃ?」と思っていると思うので、
熱湯風呂を例にして、PWM制御ってなに?ってのを
説明してみたいと思います。


00-01 熱湯風呂
「押すなよ!絶対押すなよ!」


さて、ここで、架空の人物、りゅう君という青年がいます。

りゅう君の趣味は、VAPEと、お風呂です。
いつもは、かなり熱めのお風呂に入ることを持ちネタにしているが多い
りゅう君ですが、この日はりゅう君の住んでいる街では、
記録的な猛暑日でした。

りゅう君も、その日は外ロケだったため、
仕事中に容赦なく照りつける太陽のせいで、もうヘロヘロ。

そのため、
「今日は、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かって、のんびりしよう。
そうだな。大体32度くらいの超ぬるいお風呂がいいな!」、な~んて呟きながら、
仕事を終えて、帰路を帰っていました。


ところがどっこい!
そんなことも知らず、りゅう君のお母さんは、
この日も仕事に疲れて帰ってくるりゅう君のために、
そこそこ熱いお風呂を準備していました。その温度設定、42度

ぶっちゃけ、いつものりゅう君の好みからしたら、
かなりぬる目で、リアクション芸をするには適温な温度でしたが、
その日は前述の理由で、もう体が32度のお風呂に浸かるきマンマンになっていたので、
りゅう君は、そりゃーもう超~~がっかりしました。

02-00 ryu gakkari

しかしながら、ど~~しても今日はぬるめのお風呂に入りたいりゅう君。

頭を捻って考えました。



02-01 閃き



悩みに悩んだかいがあって、りゅう君に
いいアイディアが降りてきました!


りゅう君「氷水を用意すれば、ぬるいお湯を再現できるぞ!要は、こういうことだ!↓」

02-02 idea



 つまり、1秒間において、
76[%]を42度のお湯で浸かって、残り24[%]の時間を0度の氷水に浸かれば、
お湯の温度は42度でも、俺(りゅう君)の体は32度として感じるはずだ!
という理論です。



なぜ、お湯を氷水で割るという発想が沸かないのかは、さておいて、
PWM制御とは、上記りゅう君の考え方を地で行く理論です。




上記の例の、お湯の温度42度を、ピーク電圧4.2[V]に、
氷水の温度0度を、出力カットの0[V]に例えて考えれば、イメージしやすいかと思います。


つまり、X6のPWMの考え方を、りゅう君の例に当てはめて考えると、
前述した、"1周期(40[ms])において、0[V]の時間の割合を
コントロールすることで、任意の低電圧を実現"というのは、
つまり氷水につかる時間を調整することで、42度以下の
任意の温度を実現しようとしているのとおなじこと
をやっているのです。


ずーっとお湯に浸かっていれば、42度だし、
上記例のように、お湯:氷水の時間を76:24にすれば、32度にできるし、
お湯:氷水の時間を90.5:10.5にすれば、38度にすることもできます。

このりゅう君の例と、[出力波形1]のグラフを合体させると、
要はこういうことです。
02-03 Hakei

…若干置いてきぼりにしてしまいそうな図ですが、
グラフが上がったり下がったりしている様子が、りゅう君がおふろと氷水を
行ったり来たりしている様子に脳内補完していただければ、理解は完璧です。



それをやっているりゅう君の姿を想像すると、どう考えてもネタですが、
0.000001秒以下で物事を判断できる電子制御の
マイコン(CPU)の世界では、十分通用します。


さて、ではこのPWM制御のMODにおけるメリットとは、なんでしょうか?

それは、ひとえにコストが安いことだとおもいます。


この、PWM制御という手法は、所謂組み込み系マイコンと呼ばれる
一般的な電子制御機器用のCPUに標準で備わっている事が多い機能になります。
 
そのため、プログラムを作っている人の立場から言っても、
機能の使い方さえ知っていれば、わざわざ作らなくても最初から実装されているし、
ましてや電気回路の部分で、変圧を実現するための回路も必要ないのです。

要は、作る側からしたら、簡単だし、楽

楽=設計に時間がかからない=低コスト=安い! 

だし、

余計な部品いらない=安い!

で、まぁ要は、安い!なのです。


といったところで、PWM制御について、簡単に説明いたしましたが、
皆さんなんとなくわかっていただけたでしょうか?

きっとりゅう君の気持ちごと、心で理解していただけたことかと思っております。

そんなわけで、今回の[Mod Analysis]Kamry?社 X6 Vol.2は
ここまでといたしたいと思います。

素朴な疑問、ご感想、「っていうか、それ違うし!」というツッコミ、
りゅう君のVape遍歴等、何か有りましたら、お気軽にコメント欄までどうぞ! 



次回は、"2.PWMの周期は25[ms](0.025[秒]/周波数40[Hz])。"から順に、
また解析の解説をやっていきたいと思います。



※お詫び※
X6の解析結果について、誤記がありました。
従来は、
"2.PWMの周期は40[ms](0.040[秒]/周波数25[Hz])"、としていましたが、
"3.出力電圧の考え方は、平均電圧値。(Vavg。非Vrms)"
正しくは、
"2.PWMの周期は25[ms](0.025[秒]/周波数40[Hz])"
"3.出力電圧の考え方は、実行電圧値。(Vrms。非Vavg。)"

です。
従いまして、15/02/22にて記事中の表記をすべて修正いたしました。
間違った情報を掲載してしまい、心からお詫び申し上げます。 

こんにちは!rujiAです。


長らくお待たせいたしました!

本Blogの6記事目にして、やっとこさのメインテーマ(への導入)記事になります。



今回の解析対象は、以前から予告している通り、
私が初めて買ったMODである、Kamry? X6になります。

00 x6計測


Kamry X6については、ここをご覧になっている皆さんは、
ご存じの方がほとんどだと思いますが、 一応簡単に解説しておきます。


Kamry X6は、ペンタイプの内蔵バッテリーMODです。
はじめに日本で売り始めたお店が、上手にプロモーションしたためか、
つい最近まで、もしくは今現在において、良くも悪くもVapeの入門機として
爆発的なヒットとなりました。

しかしながら、最近ではより高性能かつ低価格なMODが登場してきたため、
いまとなっては、中級者以上のVaperさん方の間では、当時の高評価が見直されつつあります。




まぁ、それはさておいて、このX6、ものすごい流行っただけ有りまして、
巷では、"偽物が数多く出回っている"という噂が広まりました。

【参考記事】
X6の偽物に注意(THE VAPE SHOPの入荷情報)
電子タバコ「VAPE X6」に本物と偽物がある!?(VAPE COLLECTION)

まぁ、もともとが中国製ですからね。
特に、本物を真似て作られた製品が、"クローン"なんて呼ばれて普通に取引されている
Vape業界にとっては、まぁ当然っちゃ当然の流れかな、なんて思います。


と、まぁ、X6についての簡単なご紹介はこんなところにして、
話は私のKamry?社 X6の話になります。
私のX6は、去年の8月ころ、ヤフオク!にて5000円程度で購入いたしました。

…ここまでを読んでいただければ、"?"が付いている理由お察し頂いていると思いますが、
私のX6は、十中八九、パチ物であると考えられます。

怪しいポイントは、そりゃあもう山の様にあります。

【怪しい その1:510スレッドの中に、穴が開いていない】

↓まぁ、ご覧のとおりです。

01no-hole

…ところで、オリジナルには開いていると言われる、
510の穴ってそもそも何なんでしょうね?
まさか、ベントホール?
んなコタないと思いますが、ベントホールだったら、
なかなかシャレで済まない位置だと思います。(^_^;)
まぁ、ベントホール開いてないのも、危ないですが…

_/_/_/15/02/16加筆_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
Twitterにて教えていただきましたが、
オートバッテリー用の穴だそうです。

さすがに、ベントホールなんてことは、有りませんでした。
ちなみに、X6自体にオートバッテリーの機能はない
ので、「余った部品を安く仕入れて使っていたんじゃないかな」
とのことでした。
(蒸気機関さん、教えて頂いてありがとうございました!)
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/




【怪しい その2: なんか、ケースが変】

↓Webで見かけた本物と言われているX6のケース
02 original case


↓私のケース
03 my case

お分かりいただけますか?
X6を入れる側と、反対側のポケットが何故か逆です。

X6の向きと、反対側に入れるリキッドの向きを合わせられないし、
…通りで使いにくいと思ってました。



【怪しい その3:そもそも、ケースにKamry社のステッカーがない】

↓まぁ、見ての通りです

04 no-label




…とまあこんなかんじで、ここまででも、
どう考えたって巷で出回ってるKamry社のX6とは別物なことは明らかですが、
もう一点、上記以外に、決定的に他のX6とは異なる点があります。

しかも、私にとってはむしろ好印象な本物との違いになります。

それは、

【怪しい その4:電圧調整時のクリック数の違い】
です。




X6の仕様における特徴として、出力電圧を三段階で調整できることがあります。

三段階は、それぞれ、

低出力:3.6[V]。ランプの色は赤。
05 red


中出力:3.8[V]。ランプの色は紫。
06 purple


高出力:4.2[V]。ランプの色は青。
07 blue

となっています。


この出力調整の方法なんですが、付属のマニュアルでは、
"素早く(時間失念)5回クリックにより、出力が変わる"となっていたと思います。

私は、友人が使っている正規品と言われているX6についても使用したことが有りますが、
これが、また使いにくい…

何故かと言うと、電源ON、電源OFFも5回クリックなんです。


つまり、電源OFF状態から、高出力で使いたいときは、
電源ONで5回、出力切り替え低→中→高で10回を押さないと、
高出力設定までたどり着けません

この点については、上記にて上げたJapan VAPE TVのYuuさんも、
X6がアカン理由のひとつにあげているくらい、野暮ったくてイケてない仕様です。



…そんな本家X6に対して、私のパチもんX6は、
何故か出力調整のイベント発生が3回にて設計されています。
しかしながら、電源off、電源onのコマンドは、5回に設計されています。

さらに、私のX6の優れている点は、電源ON時に、前回電源OFFした状態の
出力設定から再開する点
です。


つまり、日頃から4.2[V]ばかり使っている人でも、
毎回15回クリックする必要がなく、一般的な今どきのBOX MOD同様、
とり出したら5回クリックで、いつもの設定で吸える状態になるのです。


此処から先は、私の個人的な推測になるのですが、
私のX6は、所謂パチ物には間違いないと思います。


しかし、上記の出力調整コマンドの違いについては、
おそらくパチ物の製造元の
設計者による、いわゆる粋な計らいなんではないかと。


この、パチ物X6の設計者は、おそらくJapan VAPE TVの Yuuさんと同様、
Kamry社のオリジナルX6の電圧調整のイケてなさに、
憤りを感じていたのだと思います。

そこで、
どうせパチ物つくるなら、オリジナルより良い物作ってやるぜ!!」といった心意気で、
電源のON-OFFのイベントとは別に、
別コマンドによる電圧調整のイベントを用意したのだと思います。

ここまで読んでらっしゃる方は、
またまた…たかがちょっとした違いに対して、大げさだなぁ…」なんて
思ってらっしゃるかもしれませんが、
このちょっとした違いを実装するには、
設計段階での大変さがぜんぜん違うのです。

後に語る、計測結果の特徴から判断するに、少なくとも私のパチ物X6の制御部分は、
電気回路によるアナログ的な制御ではなくて、マイクロコントローラーによる電子制御、
つまり、プログラムを使用した電子制御設計が行われているものと思います。
(注:本物はX6についてはわかりません。)


私の経験上、この電源ON-OFFイベントが5回/出力調整が3回のプログラムを設計仕様は、
オリジナルの電源ON-OFFも出力調整も5回の仕様とくらべて、ソースコードの行数で考えると、
ざっと見積もって3倍以上違いがあると思います。

つまり、そんな面倒くさい仕様変更は、どう考えたって、
X6の動作をコピーした担当者のミスによるような
偶発的なアクシデントによるものでは在り得なくて、

明らかに電子制御系を設計した人間の、意思入れがある、ということになります。
(実際は状態遷移のパターンもそんなにないと思うので、長く見積もったって、
プロのプログラマならデバッグも含めて1weekで終わる仕事量とは思いますが…)


とはいっても、パチ物を生業にしている企業は、手っ取り早く儲けたいから
パチ物に手を付けるわけで、そんな中で、オリジナルよりも、
よりよいものにするために、もう一手間を加えているというのは、紛れも無い事実…。

この考察に行き着いた際に、私は、このパチ物X6の電子制御系の設計者に、
同じ技術者として何かこみ上げるものを感じました。

それまでの、中国の偽物、といったら、
より多く売るために、より安価に製造するべく、
安全を犠牲にし、オリジナルの見た目だけ似せて、
改悪して、それでいて責任なんて取るつもりもない、
といったような製品を思い浮かべていました。


たしかに、クローンや、パチ物は、産みの苦しみの末に製品を送り出した、
オリジナルの開発者からしたら、親の敵並に許しがたい存在には違いないでしょうが、
その場合、憎むべきはパチ物の販売会社のTOPや商品企画をした人が第一であり、
諸悪の根源なのではないかと思います。

このパチ物X6の電子制御系の設計者は、上記のようなただ儲けたいだけの悪い人たち
比べたら、私は完全に悪とは思いません。
当然、社会的にも、道徳的にも、パチ物は許される存在ではないし、
その技術者も、パチ物作成の一翼を担っていることには違いはありませんが…

しかしながら、少なくともこのパチ物X6を設計した技術者は、
「今より良い物つくろう!」と考えている、本物の技術者だ!…と思い、
ちょっと熱くなったわけです。

そんなリアルエンジニアが、パチ物製品を作っている会社にもいるのなら、
いつか、かつての日本製品がそうなったように、中国製品が価格も品質でも、
世界一になる日も、もしかしたら、来るかもなぁ
、なんて思いました。




…と、だいぶ話が脱線しましたが、以上が前置きになります。

ここから評価記事を書こうと思いましたが、
大脱線により、かなりの長文になりましたので、
とりあえずこの前置きをX6評価記事の第一部と致します。(ぉぃ

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