VAPE MOD研究所

電子タバコのMODの計測と評価…というニッチなジャンルの日記

カテゴリ: 技術解説

こんにちは!rujiAです。

最近、お仕事の終了が遅くて、更新がまた滞り気味になって申し訳ありません!
本日も、Starplat基盤搭載RUSMODの解説記事の続きを書きたいと思います!

00-01


■過去記事■
[Mod Analysis]RUSMOD (Starplat) vol.1
[Mod Analysis]RUSMOD (Starplat) vol.2

2.[vsDNA40]TC波形計測/評価
 
では、解析の中でもメインディッシュ的なコンテンツ(だと私は思っている)、
TC波形のDNA40との比較です。

03-00


こちらの波形は、前記事で書いたとおり、
見やすくする目的でフィルタ処理しております。

まずわかるのが、出力の収束電圧に差があります
これは、DNA40と本MODとで、抵抗に応じた温度推定の
ロジックに違いがあるためだといえます。

結論から言うと、同じ設定温度にしても、
本MODはDNA40に比べて、低めに出力する傾向があります。

この傾向は、前記事CBTにてDNA40のほうがやけ気味だね!って
結論とも一致いたします。


従って、Starplat基盤のMODでVapingする場合、
DNA40よりも気持ち高めの温度設定するべきである、
ということが言えます。


どっちが温度正確なの?という事が、気になる方もいらっしゃると
思いますが、私はコイルの温度を測ることができる計測器
を持っていないので、私としては、解りませんというのが
正直ベースの答えになります。


ちょっと脱線w_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

【TC-MODの温度計測性能について】

現在のTC-MODを初めて使用する場合、

設定温度何度にしようかな…?
何度が一番美味しいの!?

皆さんちょっと悩んだんではないかな、と思います。

rujiA的には、
とりあえず400[degF]で吸ってみて、
薄ければ20[degF]ずつ上げて様子見、
濃ければ20[degF]ずつ下げて様子見、
という運用がいいんじゃないかな?と思います。

で、例えば
「○○○のリキッドは、30[W]の480[degF]がうまい!」

みたいな話が合っても、あくまで参考程度にして、
結局は自分でうまいと思う温度を見つける必要があると考えています。

それは、2つの理由があるからです。
1.MODに応じて温度の推定方法が異なる
2.結局はフィードバックの目標値はコイル抵抗値

1.に関しては、本解析が示すとおりで、
基盤の設計メーカーごとに、温度推定の考え方がいくつかあるからです。
例えば、今回でいえば、StarplatsはTCRを温度と抵抗は線形の比例関係だと
考えているし、Evolvは、コイル抵抗vs温度の関係を、非線形の
2次元関数だと思っているから、表のデータでもっています。

簡単に図示すると、こんなかんじ

【イメージ図】
03-01


つまりは、MOD作ってる人によって、温度の算出の考え方が違うから、
”おすすめの設定”があっても、その人の使ってる環境と
同じ環境(MOD)じゃないと、
実際のコイルの温度違うくなるよ!=味も同じじゃないよ!

てことです。
 
とはいえ、目を細めて判断すれば、
MOD違っても温度は大体同じようなところに
あるだろうから、参考にはなりますけどね!

まぁだからこそ、おすすめ設定はあくまで、ひとまずの出発点
としておいて、鵜呑みにしないで、
結局は自分のMODやアトマで、
お気に入りの設定を見つけるべきだよ!
っていうことです。
 

特に、融点の違う色んなフレーバーがいっぱい混ざってて、
設定によって味がコロコロ変わるお高いリキッドなんかは、
特にこのことが言えそうだな、と思っています。
リキッドによっては、10[degF]違えば、意外と雰囲気変わりますもんね。


…で、ここで「とはいえ、どっちが温度としては正確なの?」という話ですが、
多分、Evolvは実測値に近いデータを入力していると考えられるため、
Evolvの方が正確だと思います。
 
でも、私は、このどっちのMODの方が温度計測が正確?
という話題は、とてもナンセンスなのではないかと思っています。

ぶっちゃけ、推定温度なんて、「大体あってるっぽい」
っていうレベルでいいんです。

何故か?という理由が、
2.結局はフィードバックの目標値はコイル抵抗値
だから!ということになります。

我々はTCを行う際に、温度を設定していますが、
MODさんは、実際は

「今、自分が通電しているアトマの抵抗値が何Ωだ。」

ということしかわかりません。
(実際には電圧しかわからないとか言う話は割愛w)

けど、我々TCユーザーは、「目標△△Ωで!」という指示をしようにも、
いまいちピンとこなくて、使い勝手が良くないから、
MODさんと我々の意思疎通の共通言語的なものとして、
我々に馴染みの深い、”温度”を使用しています。

我々に、「目標◯◯◯[degF]ね!」
と指示されたMODさんは、制御基板の中で、
プログラムの中に書かれている、
抵抗値と温度の変換表と、設定温度が書かれた注文票を
にらめっこしながら、

「フムフム…オイラのご主人は◯◯◯[degF]を所望していると…
で、オイラに乗っかってるコイルの室温での抵抗値と、
この変換表から逆算すると…△△△Ωを目指したらいいのね!了解!」

…てなかんじで、都度温度に応じて変化するコイル抵抗値を、
電圧をかけたり抜いたりしながら、一定になるべく保とうと、
出力の加減を繰り返しているわけです。


この、「共通言語が温度だ」ということが事の本質なのですが、
少し困ったことに、"1.MODに応じて温度の推定方法が異なる"で
前述したとおり、MODさんによって、同じ温度設定でも、
受け取り方が違います。

アメリカ人と、イギリス人とで、
同じ単語でもニュアンスが違う!みたいな
話だと思ってくれれば良いですね。
 

でも、言語なんて、相手に通じればなんでもいいんです。


だから、有り体に言ってしまえば、

「このMODの、ちょっと設定温度が
 思った感じとずれてる気がするなぁ…」

…そんなことがあっても、
そこをその子の個性!と受け入れて、

今よりミストを熱くして(濃くして)ほしいか?→じゃあ温度上げよう。
それとも冷やして(薄くして)ほしいか?→じゃあ温度下げよう。
…くらいにシンプルに考えちゃって運用していい話なんですよ!

…ていう話です。

DNA40でTi運用されてる方なんかは当たり前の話ですね!

個人的には、コイルの素材の違いによるTCRの変化と同じように、
コイルの金属量に応じたPIDパラメータの切り替えなんかも
できれば有効そうなのになぁ…とか思っていますが、
そのへんはまた別の機会があればまた脱線したいと思いますw
 

以上脱線w_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


ちょっと脱線がながくなっちゃったので、
1ページすら語りきれてませんが、続きは次回とさせて頂きます。(オイッ!

 


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こんにちは!rujiAです!

本日も、一部で話題のハイエンド機、Dicodes社No.6の解析記事の続きです!



00-06

さて、今日はサクサク行きましょう!


前回は、
・本MODは降圧時になにか制御的な小技を使ってるっぽい!
 その小技のおかげで、味の濃さを実現してるのではないだろうか。
 →エリッヒさん(仮名)すごい。

と言った感じで次回へ続く、としたわけですが、
今回は、BreathingTest によるレスポンス評価の結果と、
計測波形を踏まえながら、その辺の小技について、
制御設計の観点から妄想考察してみたいと思います。 

それでは、参りましょう!


■過去記事■
[Mod Analysis]Dicodes No.6 Vol.1 - 語句解説
[Mod Analysis]Dicodes No.6 Vol.2 - コットンバーンテスト
[Mod Analysis]Dicodes No.6 Vol.3 - [vsDNA40]TC波形






 2.Dicodes No.6解析レポート

2-3.[vsDNA40]Breathing Testによる制御レスポンス評価

01-08


波形計測の結果からいうと、以下の事が言えます。

・息を吹きかけてからの応答性(レスポンス)に関しては、
 本MODも、DNA40も、同等レベルと言える。

ピーク出力は、DNA40の方が高い
 →但し、本MODは前回記事で解説したとおり、降圧波形が緩やか。
  →故に、ピークは低いものの、要求性能としては双方問題ないレベルである。

・外乱印加(息吹きかけ)後の収束性能は、Dicodes圧勝!

これを表にまとめると、レポートの表(下表)になるわけです。

00-07

比較した際の本MODの特徴としては、収束速度が速い!ということが言えるわけです。 


何故か?というところを考えると、
前回記事でも話題に上げた、降圧時の出力波形に違いが有ることがわかります。

01-09



ちょっと丁寧に解説すると、

DNA40は息の吹きかけでコイル温度の低下を検知した後
高いピーク電圧にむかって一気に昇圧していますが、
その後の降圧時に、大きく出力がアンダーシュートしています。



01-09-01


これは、この場面だけ切り取って言うと、
DNA40はPID制御のP項とD項がハイゲイン過ぎ(≒張り切りすぎ)て
温度を上げ過ぎちゃっている、といえます。

毎度おなじみの車の運転に例えると

高速道ををクルージング中に、
前のペースの遅い車を一気に抜こうと思ったら、
必要以上にアクセルを踏みすぎちゃって
前走者を抜いた後にブレーキも併用して減速している
ような感じとでもいいましょうか。


対して、本MODの波形は、コイル温度が安定したと思われる
後半の3回については、目立ったアンダーシュートがありません
01-09-02

こちらは、まるで絶妙なアクセルワークで、節度よく踏んで
じんわりアクセルをリリースしながら優しく元のクルーズ速度に収束させる感じ。 

実にエレガントですね。


これを、実際にどうソフトウェアにどの様にやらせているのか、というと、


そう!vol.1の解析記事で書いた、
フィードフォワード制御を使用している!と推測しています。


昇圧時→高圧時のDNA40の波形の拡大図が、こちらです。
01-09-03

昇圧時と降圧時の波形が、同じような傾きです。
これは、一般的な普通のPID制御の特徴で、
電圧を上げる時も、下げる時も同じゲイン(=加減)
コントロールする制御系であると推測できます。

eVolvの当時の設計思想では、
普通のPID制御でも、セッティングの努力だけで十分TC出来るさ!
という考え方だったのだろうと思います。

当時のDNA40はTC-MODの思うのトップバッターですからね。
まずはベーシックな制御系で!というのは、理解できる考え方です。

例えると、

02-04

アクセルの加減も、ブレーキの加減も、俺の操作速度なら、
同じ位の調整加減でやれば、ドライブできるさ!
…そう思っていた時期が僕にも有りました
」 



しかし、後発のDicodesのエリックさん(仮名)は違います!

コイルってのはなぁ!
降圧するときの職人の微妙な加減が大事なんだ!」

と言ったかどうかはわかりませんが、
Dicodesの波形はこちらです。

01-09-04

DNAと比べると、昇圧の山の高さが低いことも有りますが、
一番の特徴は、ピークを境に、左右非対称な傾きである、ということです。

そのおかげで、降圧時に、アンダーシュートが殆ど無いという、
制御系においては理想の波形を実現しています。
 
実にエレガント


この、非対称な傾きですが、単純なPID制御では実現することが不可能です。
従って、私の推測では、Dicodesは、

・昇圧時は、フィードバック制御(PID)のみ。
・降圧時は、 フィードフォワード制御+弱めのフィードバック制御の協調制御

というように、昇圧時と高圧時で、制御ロジックを持ち変えるような、
少し凝った制御系(小技)をするように設計していると考えています。


例えるならば、
ae90cdaa39c64272ad464fb51167a87d_s

加速するときは、スピードメーターを見ながらアクセル踏んで、
 減速するときは、スピードも横目で見つつ、
 タコメータやエンジンの音を聞きながら
、アクセルをゆっくり抜く。
 …それが上質な車内空間を生むのさ!」

…といった芸当をして、無駄な減速G(=薄いミストの発生) を最小限にする
といったことをしているようなイメージですね。

ゆっくり減速することを考えると、追い越しのための
アクセルの踏み込みも最小限でいい…

そんな感じです。

どちらのほうが、車両(コイル)挙動が安定しているか
おわかりいただけると思います。

もしかしたら、ハイゲインのDNA40の方が、
冷却したコイルが再び目標温度に到達するスピードは速いのかも
しれません。

しかし、私は、TCのメリットは、ミスト濃度の安定ドライコットンの防止
の2つにあると考えています。


だから、ミスト濃度を安定させるために、
ピーク電圧を低くして、出力の変動をなるべく抑える、という
Dicodesの設計思想は、
eVolvよりも私の理想のTCに近いと考えます。


制御設計にフィードフォワード制御も取り入れる、という思想は、
今後のTC制御開発において、トレンドになっていくだろうと思います。



では、次行きましょう!




2-4.VW波形計測
01-10

 
結論から言うと、VWは普通のMODです!w

特に優れている点は無いと思います。 

VWに関しては、過去のDNA40計測の結果と比べると、
DNA40の方が優っていると言えるかもしれませんね。 

出力設定を高くすると、
それに応じて、通電可能時間も短くなる
ように
制御設計しているようです。

もしかしたら、TC時の高精度なリアルタイム出力調整を可能な
DC-DCコンバータだと、VWの精度がトレードオフに
なったりするのかなぁ?
と考察しております。
 

2-5.[総括]Dicodes No.6

長ったらしいので、カットしますw
言いたいことは、このあとの3.まとめで書きたいと思います。 

レポートの総括をお読みになりたい方は、
VAPECHKさんの下記販売ページから
私のレポートが全部読めますので、そちらからどうぞ。w

Dicodes No.6販売ページ@VAPECHK



01-12



以上で、レポート解説終了です!



3.まとめ

Dicodes No.6の解析記事、いかがだったでしょうか?

私としては、制御波形から制御設計者のVape愛が感じられて、
大満足
の解析でしたw


私としては、今後フィードフォワード制御を
もっと積極的に使ったTC-modの登場に期待しています。

Vol.1の記事で、フィードフォワード制御の挿絵に、
スイカ割りしてる間抜けな感じの画像を使ってしまったので、
FF制御にいい印象を持っていない方が多いかも?と思っていますが、

私の考えでは、究極の制御は、
FF制御メインの弱FB制御との協調を、全域で行う制御だと思っています。

なぜならば、FF制御は、テキトーに作ってしまうと、"やりっぱなし"に
なってしまいますが、
条件を絞って完璧に制御ができれば、
”未来予測制御”と呼べる完成度になるからです。

反対に、フィードバック制御は、
結局は「起こった事実」に対してしか動けないので、
どうしても制御内容が後手になってしまうという
仕組み上の限界があります。

ましてや、リキッドでひたひたのコットンなんて、
マイコンの処理速度と比べるとゆっくり温度が伝わるので、
温度の計測周期を高速にしても、やっぱりFB制御では限界があります。

なので、現在の更に良いTCシステムを、テクニカルMODに求めるならば、
過去と現在から、ある程度確定的な未来を推定して、
FF制御をメインにしないと
これ以上のTC機能の進化は望めないと考えます。

そして、予定調和とズレてる!となった時に、
目標を修正するために、弱めにFB制御を利かせる制御こそが、
究極のTC制御である!と考えています。


そういった意味では、本Dicodes No.6は、
一歩踏み込んだシステムを搭載した、革新的な1台だといえると思います!

以上で本MODの解析記事を終わります!




Dicodes No.6販売ページ@VAPECHK

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こんにちは!rujiAです!

本日は、一部で話題のハイエンド機、Dicodes社No.6の解析記事の続きです!



00-05


本日の日替わり画像は、MOD底面の写真です!
半つやのステンレスの質感がポリッシュとはまた違う高級な雰囲気ですね。

ちなみに、私はEfeast26650を使用して計測しましたが、
バッテリー蓋が2スレッド分めり込みます
ニップルトップでも使えるようにとの配慮なんでしょうかね?





さて、前回の記事では、「Dicodesは見たことないくらい安定した出力波形だ!!」
みたいな終わり方で尾を引きながら、次回に続く、としたわけですが、
 
本日は、皆さんお待ちかね!TC時の波形計測です。
Dicodesの制御の確信に迫る内容の記事です。

それでは解析記事の続きを書いていきましょう!

■過去記事■
[Mod Analysis]Dicodes No.6 Vol.1 - 語句解説
[Mod Analysis]Dicodes No.6 Vol.2 - コットンバーンテスト







2.Dicodes No.6解析レポート

2-2.[vsDNA40]TC波形計測/評価


Dicodesを使って、TCでVapingしたことのある方なら
皆さん感じているのではないかな、と思っていますが、
 
DicodesはTC時のミストとても濃く
リキッドの味がよく出ているような印象が私はありました。

計測前は、そのメカニズムは、

「どうせこんな感じで…

01-06-00

ブーストシーケンスのピークを高くして、
時間も長くして、収束温度時の
目標出力をちょっと上乗せ気味に制御してるんだろうな~。

てか、どうせ制御でできることなんて、その程度のことしかないだろうしな…
アコギな世界だよな、Vapeも…

…な~んて、皮肉めいたことを思っていたら、


 

あれま!
Dicodesさんやっぱり只者じゃなかったよ!





という内容の波形だったのです…。

(こういう、「どうせこうだろ!…と思っていたら、ぜんぜん違う」という瞬間が
堪らなく楽しくて、私はVapeの波形計測をしています。w)








下記レポート中の波形は、本MODと、DNA40を、
同じNiのコイル、同じ目標温度、同じ上限出力、で計測した波形になります。

01-06


いや~…………………………

まぁいろいろ驚いたんですけれども…

まずは、結果の1.に書いたとおり、
やっぱり凄く安定しているね、と。
DNAのような細かいハンチングが全くと言っていいほど無い




そして、一番びっくりしたのが、
B-seqから収束波形までの軌跡が、
DicodesとDNA40であまりにそっくり過ぎる
んですよね。



全然別のメーカーなのに、こんなことって有るのかよと思ったんですが、

私の考察では、 DicodesがDNA40のロジックを真似ているのではないか?
と思っています。

これつまり、Dicodesが、
「究極のTC制御システムを作るぞ!」と意気込んで選んだベンチマークが、
eVolvのDNA40だったんではないかということです。





そして、こんなに滑らかな出力は、
制御=(ソフトウェアの工夫)だけでは実現がとっても困難
むしろほぼ不可能だと思っています。


おそらく、所謂CPUも、DNAよりもっと速いものを使っているし、
DC-DCコンバータも、調整レンジがかなり細かいものを
使っているのではないだろうか?と私は推測しています。

私の解析したMODの中では、eVolvがハードウェア面では
最上級の構成のものだろうと思っていましたが、
Dicodesはそれを圧倒的に上回ってるんじゃないだろうか?
と思っています。


実際のところは、基盤の解析とかを生業にしている方に
聞いてみなければ、私にも事実はわからないんですけどね。w 




お寿司で例えると、スシローの大トロ超うまいとおもっていたら、
築地の寿司ざんまいの大トロが、更にぶっちぎりでうまかった!

みたいな話でしょうか?
(例えがチープですみませんw) 






しかし、ネタ(=ハードウェア)も素晴らしい物を使っていそうだけど、
さらに、Vapeが好きすぎる、職人肌の設計者(※妄想です)
握り方で小技を使って、旨さを追求している!というのがDicodesの真髄です! 


冒頭にも書いたとおり、DicodesはTC時、とてもミストが濃いです。
その理由を、出力波形から考察してみました。

01-07
 

注目していただきたいのは、
ブーストシーケンスから TCに切り替わる時の波形です。


DNA40は、下図のように、ブーストシーケンスが終わると、
「カクッ!」と鋭角に(急に)TC時の目標電圧に降圧しています。 

01-07-02





他のTC-MODでもそうなのですが、
TC時に、パフ後1秒ほどで、
ミストの濃度の急激な変化を感じる事があります。

恐らく、上記図でカクッ!と出力が落ちる瞬間に、
発生するミストの量が減っている
のではないかと推測しています。


対して、Dicodesはどうでしょうか?

01-07-03
 B-seq後の降圧の軌跡が、緩やかなんです。

これは、今まで計測したTCの波形には見られない、
特徴的な出力変動です。







車で例えると、DNA含む普通のTC-MODは、
高速道路に合流した際に、アクセルをガツン!と踏んで、
ガーーッ!っと加速し、合流したら直ぐにアクセルを抜いて
ガクンと車両挙動に減速Gが現れているイメージ

対して、Dicodesは、
ガーーッ!っと加速し、合流した後に、
急激な減速Gを嫌い、スーッ…と優しくアクセルペダルをリリースしている。

アクセルペダルで狙ったエンジンブレーキを再現できるなんて、
レーシングドライバーでも中々いないよ!!

みたいな話なわけです。





その結果生じる出力の面積差が、
Dicodesの味の濃さの秘密!なのだと思います。

01-07-04



…なんていうか、好きこそものの上手なれなんてことわざがありますが、
Dicodesのキーマンになっている技術者は、それを地で行っているような
人なんだろうなと、感じました。




多分、設計者は、DNA40を吸いながら、
「こうだったらもっといいのになぁ~…(プハー)」と
普段から理想の制御のことを頭の何処かで考えているような
Vape馬鹿なんでしょうね。(もちろん最大限の褒め言葉です)






金さえ稼げればいいとしか思っていない、
安いMODのマニュファクチャラーにはなかなか出来無い芸事だと思います。

私は、高いハイエンド機よりも、安いMODが好きですが、
こういう場面に直面すると、ハイエンド機の開発者には
心の底から敬意を抱かざるを得ません。



…そんな思いに胸をはせていると…





「馬鹿野郎!一体何回言わせるんだ!!

TC中のコイルは、どうして欲しがってるんだ!?

B-seq後のコットンはどうして欲しがってる!?


いいか!
もっと感じるんだ!
コイルの気持ちになれって言ってるだろうが!!」




…そんな風に、若いMODエンジニアに怒鳴りつける、
職人気質のキーマン、エリッヒさん(仮名)
の姿が目に浮かぶようです…。 


と、本日はここまでにしておきます!

次回は、Breathing Test(息吹きかけ試験)による、
レスポンス評価の波形から、
このあたりの制御構造について、考察してみたいと思います! 


Dicodes No.6販売ページ@VAPECHK


 
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こんにちは!rujiAです!

本日は、一部で話題のハイエンド機、Dicodes社No.6の解析記事の続きです!

ちなみにこのMODのレポートは、全部で12ページに及びました。
私としてもかなりミッチリ見た結果なのですが、
なかなか考察のし甲斐のあるMODでして、
12ページでも、語りたいことが語り尽くせない!というのが正直なトコロです。

ですので、本MODの解説記事については、
レポートをベースに、解説を追記しながら、
分割してちょこちょこと更新していこうと思います。
(平日更新ということでご了承願います。w)

00-04


画像は、510コンタクトの接写。

スレッドの精度も素晴らしくて、アトマがクルクルキュッ!っとはまります。
ハイエンドならではの精度です。

スレッドの近くには、シリアルナンバーらしきものが印字されています。
300番代なので、レアとは言いつつも、世界中に300人以上愛好家がいるみたいですね!

今回の記事からは、
”この出力波形なら、300人以上の違いが判る愛好家がいる理由もわかるぜ!”
とでも言った感じの内容になります。

では、早速前回の記事の続きから参りましょう!

2.Dicodes No.6解析レポート

2-1.コットンバーンテスト(CBT)

念のために、コットンを空焚きして、TCの有無を確認しておきました。
ちゃんとしたメーカーなんで、やるまでもない、とも思いますが、一応。 

というわけで、結果はこちら。

01-04
 
本MODは、250[degF]から600[degF]まで設定できるのですが、
500[degF]の時点で出火しましたので、 試験はソコまでとしておきました。

ちょっとヤキメが付気味に見えますが、まぁ、こんなもんでしょう。
私の環境は、計測ハーネス分で若干抵抗値が上がる方向にずれているので、
実際の運用ではもっと焦げが少なめになるはずです。
(そのうち低抵抗のハーネスを作りたいと思っています。)

重要なことは、設定温度に応じて焼き目が変わっている、
つまり確実にTCしてるねってことです。

で、波形も計測したんですが、それがもう…ビックリ!な波形でして… 

そちらの考察がこちら。


01-05
もともと、ここで言いたかったとは、ブーストシーケンスの
継続時間と収束出力が、設定温度別にちゃんと変わっているし、
ブーストシーケンスの時間とピーク電圧の設定が、DNA40より細かくていいね!って
ことなんですが…

それよりも、一目瞭然のとおり、DicodesはDNA40と
比べて収束後の波形にハンチング(波形の上下振動)が少なく
圧倒的に安定してヌメヌメした波形を出力しています。

この時点で、「こいつ、只者じゃねー!!」と一人でビックリしていました。


これは、DNA40の波形に、ノイズが入ってる!…とか言うことではなくて、
Dicodesは、出力波形がものすごい細かく調整できるし、
温度の計測や、出力の計算の処理周期が、段違いで速い周期で行われている!
…んではないかなと考察しています。


 
車のアクセルの量でたとえると、
DNA40は、アクセルを全開~全閉間で7段階程度で調整できているのに対し、
Dicodesは、20段階くらいで調整しているような感じです。
レーシングドライバーかよ!みたいなことです。

要は、すごく緻密!!

ちなみに、その例で言うと、
Kangxin等のTC黎明期の安い中国産MODは、
アクセルを全開と真ん中と全閉の3段階くらい
でしかできてないような感じです。w

こんな感じで、終始大きな振幅振動的な波形ですからね。

あ、ちなみに、DNAの名誉のために補足すると、
このページの波形だと、各温度を重ねあわせて表示しているので、
DNA40の波形がやたらガチャガチャして見えますが、
これでもDNAはかなり優秀な方なんです! 

この辺についても、次のスライドでもっと詳しく語らせていただきましょう。

…と、いうわけで、次回に続く!

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こんにちは!rujiAです!

本日は、一部で話題のハイエンド機、Dicodes社No.6の解析を行います! 


00-00

 今回の解析記事は、通販Vaperさん御用達の、あの!
VAPECHK社のご依頼で実現致しました!


VAPECHKさん、有難うございます!!

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1.Dicodes No.6概要

Dicodes No.6(以下、本MOD)は、ドイツのDicodes社のMODになります。

こちらの会社は制御基板から自前開発しているメーカーのようでして、
代表製品のひとつであるDicodes2380Tは、海外で解析屋さんの間でも、
「制御波形がかなり安定している!」ということで話題だったようです。


…と、私が知ってるのは、伝え聞いた話でこんなもんで、
他には情報は一切存じておりませんw


世界的にもそこそこレアな商品なようで、
国内での入手先としましては、依頼元のVAPECHKさんが確実かと思います。

Dicodes No.6販売ページ


特徴としましては、

・26650電池仕様
・出力:5 - 60[W]
・最大出力:12[V]
・最大電流:20[A]
・TC対応(Ni200, Ti,
そしてNi-Fe)
 ※Dicodes社は、自社で製造している
  Ni-Feワイアの使用を推奨しているようです。
・人間工学に基づいたデザイン

といったところでしょうか!


この人間工学に基づいたデザインですが、
かなり握りやすくて使いやすいです。

00-01


VaporFlaskのように窪みがあるので、親指ががジャストフィットします。


また、VaporFlaskと違って、ボタンが側面にあることで、
パフボタンと上下ボタンが、人差し指と中指と薬指に
これまたジャストフィットして、操作しやすいですね! 

00-02
 

太さも、26650だから大きすぎるかなぁ?と思っていましたが、
むしろこのくらいのほうが持ちやすいと思います。 

液晶の表示が逆になってしまうことが気にならなければ、
左手で持ってもこれまたジャストフィットします!

00-03

人間工学流石です!


個人的には天井面に液晶が有るということがポイント激高です!

なんでもっと天井液晶の機種増えないのでしょうね?
皆さん、Vaping中の出力変動とか興味ないのかな?(無いのか…) 
天井液晶のDNA200がでたら、即買するのに…と、
私は常々思っております。w 


とまぁ、見た目の話題はこんなもので、実際の解析に移りましょう。 

2.Dicodes No.6解析レポート

さて今回VAPECHKさんからは、
"DNA40と比較して、本MODはどういう位置づけなのか知りたい"
とのことで依頼を受けましたので、
特にTC機能についてDNA40と徹底比較するような形解析レポートを作成しました。 

ですので、本記事も基本はこの解析レポートの記事に添って、
若干補足するような構成で書いていきたいと思います。

表紙

01-00

目次
01-02



2-0.語句説明

このページでは、実際に解析結果を解説する上で、
前置きとして説明したほうがいいだろうなぁ、と思ったことを解説してみました。
01-03

【補足】ブーストシーケンス(B-seq)って?

本記事中でブーストシーケンスと呼んでいる状態は、 
TC開始直後に、高めに出力してコイルの温度上昇を
サポートしてあげる制御状態
を指しています。

私が今まで解析したTC-MODは全部この機能がついています。


02-01 B-seq

車で例えると、一般道から高速道路に入った際に、
高速道路本線の流れに乗るために、アクセルをたくさん踏んで加速している状態
とおんなじような感じです。

この場合、
アクセルの踏み具合は電圧
目標速度はTCの設定温度、 
自車の現在スピードはコイルの温度、とするとわかりやすいかもしれません。

そのとき、ぐーっ!っとアクセルを踏んで加速して本線の流れにのったら、
アクセルを緩めて100[km/h]に巡航するためにエンジンパワーを調整しますよね?
 
この、ぐーっ!っとアクセルを踏んでる状態とおなじように、
TC時に通電し始めでは、MODがぐーっ!っと電圧を上げているんです。

この状態を、私はブーストシーケンス(B-seq)と呼んでいます。 
ちなみに、わたしが便宜上勝手に名づけてるだけなので、
もっと適当な名前があるかもしれません。w

【補足】フィードフォワード制御って?

以前の記事では、「オープン制御」と呼んでいたこともありますが、
今回の記事では、フィードバック制御と対義する形で表現するべく、
フィードフォワードと呼ぶことにしました。(コレは一般的な制御用語です。)
ひとことで言うと、"やりっぱなし制御"です。

フィードフォワード制御は、実行されるとお構いなしに決められたように電圧を調整します。
現在のコイル温度とかは関係ありません。

02-02 FF


スイカ割りで例えるなら、「真っすぐ歩いて5歩先にスイカ!」と十分に測量してから
当てに行くスイカ割りの出来レースみたいなものです。

理論上、スイカの位置が変わらなければ、
速く、簡単で、確実に目的を得ることが出来ます。



【補足】フィードバック制御って?

フィードバック制御は、電子タバコでいうと、もっぱらTCのことを指します。
コイル温度のことを計測しながら出力を調整するように、
常に自分の目標と、今の自分の現在状態を比較しながら出力を決める
制御のことを言います。

02-03 FB



車で例えると、 常にメーターとにらめっこしながら、
目標速度に合わせているような状態
です。


…と、ここまで聞くと、
「どう考えてもフィードバック制御のほうがハイテクだろ常考!」 と思われるかもしれませんが、
そうとも限りません。

SUBOHMのコイルを使用するVAPEのTC環境では、
車で例えると、
何百馬力も有る車で、人通りの多い道を神経使って
速度調整している
ような状態と似ています。

ちょっと踏むと、スピードオーバーしちゃう!はみ出して人轢いちゃう!

…そんな場面では、メーターとにらめっこなんか出来ませんよね?

そういう時に、人間は、「このくらい踏めば、このくらい進む!」と、
無意識のうちに考えて、自分の車線場を見ながら自動的に
自分の操作量=アクセルの踏み加減をフィードフォワード制御しているといえます。

車の例えを多様してきたように、実際に車を運転しているときに、
運転者は、フィードフォワード項とフィードバック項を、
状況に応じて高度に協調
しながら運転しています。

さらにいうと、運転の上手い人ほど、フィードバックよりも、
フィードフォワードの成分が強い!
と言われています。
一般的に、「職人の勘と経験」なんて呼ばれるものは、
いわゆるフィードフォワード項です。

と、いうわけで、一概にフィードバックが優れている!とはいえず、
ある程度制御対象の挙動がわかっていれば、
フィードフォワードの方が優れている場面もあるんですね! 

ちなみに、ちょうど1年ほど前に流行っていた、SMOKBT50に搭載されていた、
時間あたりのVWの出力をプログラマブルできるモードは、
こてこてのフィードフォワード制御です。

あれは、自分の使っているカンタルコイルの比熱なんかをわかっていれば、
カンタルコイルで究極のFF-TCできる可能性のある機能で、
個人的にはとても気に入っていました。
ま、その直後にTCが流行って一瞬で廃れましたが…

…と、大事だと思ったのでちょっと前置きが長くなってしまいました。
今日はこの辺で切り上げて、 明日また続きを書きたいと思います。w

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こんにちは!rujiAです。
 
本日は、Hcigar社HB40のレビューと解析を行います!

01 外観



このHB40は、Twitterで仲良くして頂いている、
うふふのけいちゃんに提供して頂きました。

このHB40は、DNA40という制御基板が搭載されています。
DNA40といえば、基本的に1万円超えの高級MODに搭載される
高級制御基板

そんなDNA40を搭載したHB40を惜しげも無く貸与していただいたけいちゃんには、
感謝してもしきれない程感謝しております!

けいちゃんには、その感謝を表して大量の宇都宮餃子を送らせて頂きました。

02まさし


けいちゃん、ありがとうございます!


1.HB40概要
 
 HB40は冒頭で述べたとおり、中国のHcigar社の製品です。
 
その最大特徴は、温度制御(以下TC:Temperature Control)基板の
先駆者にして決定版である、Evolv社のDNA40を搭載していることでしょう。

03 Evolvロゴ


そして、このDNA40を搭載していながら、
価格を抑えていることも大きな特徴の一つです。

本Blogで以前記事にした、miniVFVFCloneのTC基板である、
Kangxin社のKXシリーズは、こちらのDNA40を参考にして
作られた制御基板になります。
 
安価なTC制御MODには、オリジナルのDNA40ではなく、
KXシリーズのような、DNAの機能を模した中国製基板が使われていることが
ほとんどです。

しかし、このHB40は、オリジナルの基板を使っていながらにして、
他のDNA40搭載MODのに比べ、発売当時は飛び抜けて安かったことから、
日本のVaporの間でも人気となりました。

2.外観等

BT50と並べてみました。

04 正面比較



使っているとそんなに気になりませんが、HBの方が少し背が高いんですね。


上から比較。

05あつみ



厚みはほぼ同じくらいです。





電池蓋は、強力なマグネットによって固定されています。

06裏蓋

初めてマグネット蓋のタイプのMODを使いましたが、
なかなか良いですね!
電池がなくなっても、スペアの電池に
ストレスフリーで交換できます。最近のMODのの主流になる理由がわかります。

ちなみに、本体側のマグネットが、蓋の方にくっついて、取れてしまう
という不具合が結構あるようですが、このHB40ももれなく取れてしまいました。
 
でも、アロンアルファで一度くっつけたら、それ以来とれてくることはありません。
快適そのものです。


あとは、特徴的な部分としては、MODの側面でなく、
正面に、操作スイッチ類や液晶が配置されています。

07サイドスイッチ

 実際に使うまでは、「どうかなぁ~」と思っていましたが、
使ってみると、親指のちょうどいい位置にパフボタンがくるので、
なかなか馴染みます。


 3.波形解析(TC)

では、本Blogメインコンテンツの波形解析です。

08計測風景


まずはTC時の波形解析から行います。

使用したコイルは、Ni20028G11回巻き0.12[ohm]のものを使用しました。

0900 USA


これをHB40で読み込むと…
0901 HB40coil


0.15[ohm]…。
0.03[ohm]ほどオフセットしてしまっています。
 
他の方のDNAの抵抗表示値が、もっと正確なことを考えると、
おそらくは基板ではなく、基板から510コネクタに至るまでの
電流経路に、ボトルネックになっているところがあるんだと思います。

多分、Twitterで話題になった、例のボディアースの箇所かと思いますが…
ひとまずは、このまま計測を進めたいと思います。

先ほどのコイルにコットンを通して、グリセリンを付与して
計測致します。

0903コイル


余談ですが、今回から、このNi200計測用の治具を
作りなおしました。

我ながらなかなかのセンスかと
思いますが、510コネクタ部分の接点がイマイチなので、
また今度作りなおす予定。w

では、早速波形を見ていただきましょう。

【HB40のTC時出力波形】
目標温度:400F
出力上限:30W
0100 [グリアリ]400F 30W 

いやぁ…この波形を見た時に、
「さすがだなぁ…」思わず唸ってしまいました。

唸った理由を説明するために、比較用に、同条件で計測した
VFClone(KX-40D)の波形を添付致します。

[VFClone計測風景]
1000VFClone
 


【VFClone(KX-40D)のTC時出力波形】
目標温度:400F
出力上限:30W
0110 [KX40D][グリアリ]400F 30W 


VFCloneの波形は、大きく上下に振れている(ハンチング)
していることがわかります。
画像中の水色の点線は、触れの中心を、なんとなく
たどったものです。
 
本来だったら、この水色の点線に合わせてぴったり制御すれば、
設定温度(400F)に綺麗に追従するのだと思います。

対して、HB40(DNA40)はどうでしょうか?
0120 [グリアリ][解説]400F 30W 



小刻みに震えながらも、なだらかに降圧しています。

これは、高速道路でクルーズ中の車の運転に例えると
VFClone(KX-40D)は、アクセルを、ベタ踏みしたり、足を離したりしながら
ギクシャクしながら100km/h近傍をキープしている様子。
上り坂でも下り坂でも、アクセルの開閉に合わせて、
車が前後にぎったんばったんしているようなイメージ。

対してDNA40は、目標速度付近になるように、
一定のアクセル開度でクルーズしつつ、
上り坂がきたら、じわっと踏むし、下り坂でも徐減速
になるように、常にふわっと優しくアクセルを操作するようなイメージです。

なぜ、このような違いがあるのか?というと、
フィードバック(FB)制御設計時のパラメータ設定に、
どのくらい時間をかけているのか、の差であると考えます。


_/_/_/_/_/_/以下妄想。_/_/_/_/_/_/

恐らく、Evolvの技術者は、Ni200のコイルを使用したTCを思いついた際に、
「うまくTCをが動けば、こんな感じになるはずだ!」という、
なだらかに降圧する出力の図を、頭に思い描いたのだと思います。

だから、実際にTCをした際に、このような出力波形になるように、時間をかけて、
パラメータを設計/設定したのだと思います。

つまり、Evolvの技術者は、"理想の出力波形"ありきで制御のセッティングを行ったのだと思います。

対して、Kangxinの技術者"コイルの温度がある程度で収束すればいい"という考えで
設計したのだと思います。

制御系のパラメータの設定というのは、とても時間がかかるものです。
コイルの上下限抵抗や、ウイックの湿り具合など、あらゆる環境にて、
同等に動くようにするためには、かなり泥臭い作業をイヤになるほど繰り返す必要があります。

Kangxinの技術者も、DNAが緻密に制御していることは知っていたと思いますが、
販売価格を考えれば、あまりFB制御系のセッティングに時間を掛けることができなかった
のだと思います。

だから、Kangxinの技術者は、開発時に、コイルに温度センサを取り付けて、
「出力波形は荒くても、ある程度温度が狙いの値のところで収束してくれりゃ~いいやぁ」
くらいの手の抜き方で作ったんだと思います。

先ほどの車の例で言ったら、
「だいたい100km/hで走れてるんだから、問題ないだろ?」とでも言いたげな感じで。

_/_/_/_/_/_/以上妄想。w_/_/_/_/_/_/



といったわけで、TCのフィードバック制御の緻密さでいったら、
Kangxinに対して、Evolvの圧勝です。

【コイルに息を吹きかけた際の応答性】
下記波形は、コットンを抜いて空焚きしているコイルに、
息を吹きかけた際の波形になります。
赤い点線で囲った部分が、私がコイルに対して息を吹きかけた瞬間の波形になります。 
0210 [空焚き][息吹きかけ]400F 30W超いい感じ


コイルに息を吹きかけてから昇圧するまでの時間は、
十分なレスポンスを有していて、全く問題がないと言えます。

ちなみに、VFCloneにて同条件でやった波形がこちら。
0310 [KX40D][空焚き][息吹きかけ]400F 30W 

VFCloneも、問題なく息の吹きかけによる、コイルの温度低下反応していますが、
息を吹きかけていない時の保温の方法が全然違いますね。

VFCloneはパルス状に、電圧を加圧して保存していますが、
HB40は、うねうねと出力調整をして、ナントカちょうどいい出力に収束させよう
という意図が感じます。
(「はぁ…。やるなぁEvolv。」 と、ここでも思わずため息が出ました。w)





4.波形解析(VW)

VWも、出力解析してみました。

なかなか面白かったのは、DNA40のパフ中のWの表示は、VW時においても、
設定目標値ではなくて、現在の出力値を表示しているということです。

1.5[ohm]の抵抗に対して、なくなりかけの電池を入れて出力したら、こうなりました。

40W設定しても、あげきれなくて、表示ワット数が33W程度で頭打ちになっていることがわかります。

 
ちなみに、バッテリーを満タンにしたら、正常に40Wの表示になりました。
 
温度制御対応したことによる、副産物的な仕様変更ではないかと思います。


それでは、VWのの波形になります。

【VW波形①40W】
コイル抵抗値:1.5ohm
設定出力:40W
20V] 40W


このとき、液晶上の表示は、8.2[V]ほどでしたが、
実測すると約7.5[V]程度の出力で、若干乖離が有りました…。

抵抗値も、USAOhmメーターで図ると、ハーネス込みで1.59[ohm]ほどでしたが、
液晶表示では、1.69[ohm]になっています。


液晶表示で計算すると、

電力[W] = (電圧[V])^2 / 抵抗[ohm]

で、

電力[W] ≒ 39.79[W]

で、ほぼ40[W]と言えますね。
DNA40的には、ちゃんと40Wを出力していることになっているようです。

ただし、実測値では、抵抗1.59[ohm]で、電圧7.5[V]なので、

電力[W] ≒35.38[W]

で、実際は若干出力不足ということになります。


ちょっと気になったので、各出力設定において、どのくらい割増に表示されるのか
計測して、グラフにしてみました。

0450 VWグラフ

傾向として、低い出力設定の時ほど、最大20%弱程度割増に液晶表示され、
20W以降においては、約8%程割増に表示されることが分かりました。

これは、恐らく、基板のせいではなくて、基板から510コネクタまでの道通不良などに
起因するものなのかな、と思っています。

Twitterで相互フォローして頂いている、ひめぁゃさん考案の、
510口金アース直取り改造をすれば、
改善されるかもしれません。 

ちなみに、最低出力の1W側も計測してみました。
波形はこちら。


【VW波形②1W】
コイル抵抗値:0.5ohm
設定出力:1W
77V] 1W


DNA40は、スペックシート上で、最低電圧1[V]
と謳っているにもかかわらず、表示出力0.77[V]、実測0.59[V]と、
なにげに1[V]以下の出力できてます

(なんで、わざわざ嘘ついてるんだろう…w)




5.総括 HB40(DNA40)

前述しましたが、兎にも角にも、DNA40という基板は、
制御系のセッティングがとてつもなく緻密です。

一品物合わせならいざしらず、量産品における
FB系のセッティング
は、本当に超大変なものです。
それを、真面目にやってのけているEvolvは本当に凄いと思います。

私自身、計測する前から、
「どうせ、Kangxin製の基板と挙動はそんなに変わらないでしょ?」
と斜に構えて計測開始したので、計測波形に違いが会った時はホントびっくりしました。
 
Evolvの職人魂ここにあり!と思ったものです。
制御に対する美学めいたものまで感じた。

だから…
巷で話題になった、電池の残量が減ったり増えたりするとか、
摂氏表示で制御がイケてないとか、その他もいろいろバグの話題があって、
「Cloneのほうがバグがなくていい!」とか言う人もいたりして、(私も言った気がする。w)
 
DNA40の設計者としては、
「いや、ソコじゃないんだよ!俺らの本気の部分は出力波形なんだよ!」
と、非常に悔しい思いをしたのだろうと思います。

 
ただ…ぶっちゃけ、
そんなEvolvのこだわりも使用者に伝わる部分では確実にないと言い切れます。

なぜなら、私自身ここ3週間ほどHB40をメインで
持ち歩いて使いましたが、それまで使っていた
VFCloneとTCに対する性能面での違いを感じたことはなかったし、
波形計測するまで、本当に「どうせ波形も一緒でしょ?」
高をくくっていたくらいだからです。w
 

だから、誤解を恐れず厳しく言ってしまえば、
正直ものすごい緻密な制御だけど、ここまでくると、
ある種作ってる側の自己満足でしか無いとも言えると思います。

ただ、Evolvが出してくる製品で、機能面のバグはいろいろあっても、
SMOKみたいな性能面でダメなものは、絶対無いのだろうと思いました。
 
だから、次期種のDNA200も私は相当期待できると思っています!


余談になりますが、今回の件で、Kangxinの制御基板が、
見た目や挙動は多分にDNAを意識しているものの、
ソフトウェアは完全にオリジナルだということが、
証明できたと思います。
 
たしかに、Kangxin社の制御は緻密さはEvolv製に劣るものの、
性能面では当Blogにて行ったコットンバーンテストでも証明している通り、
必要十分であり、オリジナルのソフトウェアで
このくらいの設計が出来る実力があるのなら、
今後Vape業界にビッグインパクトをもたらす製品を生み出す
可能性もあるのではないか、と感じています。


…といったところで、今回のHB40(DNA40)解析記事は終わりになります。




なんにせよ、このように、

「どうせ、○○○みたいに動かしてんだろ?」

とタカをくくって評価したら、あれま、全然違う挙動!みたいなことがあるから、
MODの出力計測は楽しくてしかたがないのであります。



ちなみに、次回は…



1100IPV4

個人的には満を持しての評価になります、
YiHi製制御基板を搭載したTC機能つきMOD、
Pioneer4you iPV4のレビューを行う予定です!

乞うご期待!


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こんにちは!rujiAです!

今回は、 SMOK社 Xpro M80 pluseのレビューを行います。 

DSC_0929


こちらは、E-cigareteショップの、Angelcigs様よりご提供頂きました。
ありがとうございます。


00 logo

Thank you for the products offer!


1.SMOK Xpro M80 Pluse概要

さて、まずはSMOK Xpro M80 Pluse(以下M80)
概要から説明させていただきます。

M80は、電子タバコ業界において、China系のメーカーとしては老舗の
SMOK社の製品になります。

特徴といたしまして、
・4400mAhの大容量バッテリー(公式によると、18650が二個入っているらしい)、
・最大80Wの高出力
・先代のBT50では一部不評だった降圧回路のバージョンアップ
・そして、満を持してのオリジナルストラテジによる
 温度管理(以下TC:Temperature Control)搭載

といったところが挙げられます。

発表当初は、名実ともにSmokのフラッグシップモデルとして、
デビュー…する予定でした。

しかし、当BlogのVF cloneの記事で書いたとおり、
海外レビュワーによるコットンバーンテストにて、
コットンが発火する現象が多発



「温度FB超イケてねー!」という評判が海外で広まりまして、
国内外にて華々しいデビューを飾る予定が、
日本では発売前に悪評が広まってしまい、
取扱っているShopが少ないことも相まって、
現在では、あまり一般的ではないMODとなっているのが現状です。

しかし、海外ではオリジナルチップ搭載で有る点や、
安価な価格設定である点が評価されてか、そこそこ人気があるらしく、
海外サイトVapingCheapでは、2015ベストTC-MODランキングで
5位を獲得しているという側面もあります。











2.外観等

M80と、BT50を並べてみました。

DSC_0930


 正面から見ると、M80の方が、横に長く、高さが低いですね。

DSC_0931

上から見ると、少し薄いのが分かります。
実物を見たことがないのですが、恐らく、M22系と同程度の厚みなのかな?と
思っております。

写真で見ると、横に長さがある分、大きく見えますが、
前述したとおり、高さや幅がBT50より少ないので、握ってみると、
あまり大きさは感じつ、私としてはちょうどいい範囲かな、と思います。

DSC_0932


ちなみに、ご覧のとおりで、天井は、M22,M50系と同様に、
天井板を、ネジで締めるタイプです。

 
DSC_0936
 
裏側には、ベントホールと充電&Firm Update用のマイクロUSB端子があります。
表記を見ると、なにげに2Aまでいけるようなので、IPAD用の2AUSBチャージャー等で、
急速充電ができるかもしれません。(当方未検証)
4400[mAh]の大容量バッテリーですので、なかなか嬉しいですね。

ちなみに、電池交換はできません。











3.コットンバーンテスト
DSC_0940

前述したとおり、Youtubeに、海外レビュアーによるコットンバーンテストで、
「燃えたよ!」って動画はよく見かけるのですが、
DNA40なんかでやっているような、何degFの時どうだったか、みたいな結果は
見かけたことがなかったので、やってみました。

Ni200のコイルは0.141[ohm]のものを使用。
DSC_0927



M80で読み込むと… 
DSC_0928
 
0.18[ohm]でした。すこしオフセットしていますね。


少なくとも、DNA40やKangxinのKXシリーズよりは、
誤差が大きいということになります。



以下コットンバーンテストは、出力設定30W、通電時間約20秒で行いました。


【1.目標温度200F】
まずは、最低出力設定です。 

が、この時点で少し焦げ臭い・・・。

コットンを外してみると、





01-00 200F 焦げた

案の定少し焦げているというw

すでに出オチ感が漂っております…
 
【2.目標温度:250F】

 01-01 250F リアルスモーク

ここで、なんとリアルスモークが発生

しかも、コイルからコットン引き抜いたら、
熱せられた部分が炭になっていてちぎれてしまいました

 
【3.目標温度:300F】

安定のリアルスモークです。
01-02 300F コットン焼き切れる

そして、コイルに接している部分のコットンが、燃えてなくなりました。






【4.目標温度:350F】

同上。

安定しています(煙量が)。



【5.目標温度:400F】

ここにきて、通電中の様子に変化が。

01-03 400F コイル赤熱

 
コイルが赤熱化するようになりました。

煌々と輝いております。

 
【6.目標温度:450F】
 
同上


【7.目標温度:500F】
 
同上




と、いったところで、
M80は900[degF]まで目標温度を設定することが出来ますが、
コレ以上は何の意味もないと判断し、やめました。 


以上のコットンバーンのテストリザルトが、こちらです。



【M80 コットンバーンテスト 結果】 
01 CBT_result

 
ご覧のとおりで、最小設定値である、200Fの設定ですら、うっすら焦げてます。

ちなみに、以前記事にした、Kangxin製のVF Cloneの結果はこちらこちら

 


Twitterで めがねハードコアさんも言っていましたが…
SMOKは、温度を管理する気があるんでしょうか?

200Fと250Fと、300F以降で、いずれも焦げているながらも、
焦げ具合が若干異なることから、
一応、設定温度に応じて出力を調整しようとする意思はありそうですね。

ただ、けっきょく最小設定でも焦げちゃってるから、この時点では、
温度を、管理/制御/フィードバックする意思は…無さそうかなと思います。


ちなみに、私のM80のファームバージョンは、最新のV0007-1
つまり、最新版でも、コットンバーンテストでは、300F以上でコットンが燃えつきてしまうという
結論になりました…。


ちなみに、

「もしかしたら、ドライコットンでは比熱容量が低すぎて、
MODが温度管理の操作をする前に炭になっちゃうから成立しないのでは?
つまり、実はリキチャされていれば温度FB成立する…?」


という仮説をたてて、目標温度200Fにて、
コットンにグリセリンを染み込ませてテストをしてみましたが…
01-04 200F グリありでも焦げる


うん、関係ありませんね。
焦げます。




では、事項にてTC時における、波形の解説をしたいとおもいます。
 










4.[MOD Analysys]TC時の出力波形

まずは、こちらを見ていただきましょう。
前述したコットンバーンテストにおける、目標温度300F時の波形です。

【目標温度300F 出力30W コットンバーン】
01-02 300F 30W 20s 空焚き・比較用


当Blogを読んでくださっている方には、気づいた方も
いらっしゃると思いますが、TC時、M80はPWM制御をしています。
 
KangxinのTCの波形と比べると一目瞭然で、
まったく出力調整の方法が違うことがわかります。


では、今度は、TCを行っている状態で、
息を吹きかけてみましょう。

ちなみに、VF Cloneのときは、息がかかって温度が低下したことを
MODが検知し、自動的に出力調整してました。

参考に、その時の波形はこちら


【目標温度300F 出力30W 息吹きかけ】
01-01 300F 30W 20s 息吹付け くぼんでるところが息かけたとこ

そんなに変わっていないように見えますが、
赤い点線で囲った、すこし波形のピークが落ちているところが、
丁度息を吹きかけているところです。

息の吹きかけに応じて、出力が下がっているように見えます。
 
と、こう書くと、 
「あ、なんだ!コイルの温度に応じてフィードバックしてるじゃん!」
思われるかもしれませんが、残念ながら、それはおそらく違います
 
息を吹きかけた時は、コイル温度は下がる傾向なので、
ここは、出力を上げる方向が、正解です。



おそらく、ここで、出力のピークに変化があったのは、
コイル温度の変化で、コイルの抵抗値自体が低くなったことによって、
MODの出力電圧の降下が発生したのだとおもいます。

つまり、コイルの温度変化に応じて、
成り行きで出力が変わった
にすぎません。 



すなわち、M80は、Temperature Control、
温度管理をうたっていますが…

実際には、フィードバック制御はしておらず、
温度を管理をしていない
といえます。(キッパリ)




「でも、一応温度の設定に応じて、コットンの焦げ具合が変わってるじゃん!
だから、何もしてないなんてことはないでしょ!」と思うかもしれません。

そう、一応、制御はしています。
ただし、実際に行っている制御は、制御の世界では、オープン制御と呼ばれる制御方法だと思います。

オープン制御は、別名、予測制御といったりもします。
予測というと、なかなか聞こえはいいですが、
要は、「現状は関係なく、やりっ放し」ということです。


実際には、おそらく、Ni200コイルの冷間時の抵抗値から、

「こんなもんなら、XXX[W]で熱しておけば、
コイルの抵抗変化量をかみして、
そのうち目標温度のOOO[degF]にだいたい収束するだろうな。」

と判断して、それっぽい出力を出し続けているだけだと思います。


もしそうならば、ぶっちゃけ…
Ni200で普通にVWしているのと何も変わりません







と、ここまで聞いて、M80はダメダメだな!と思ったそこのあなた!
ちょっと待って下さい!



といっても、このMOD,
悪いところばっかりでもないんです!
というわけで、次にVWの時の出力波形について解説させていただきます。
 








5.[MOD Analysys]VW時の出力波形 

まずは、こちらを御覧ください。
MAX出力、80Wの波形です。

【抵抗:0.5[ohm] 80W】
8V



ちょっと乱れてるところはあるものの、そう、
M80は高出力だと、DC-DCコンバータで昇圧をします。

ちなみに、抵抗値0.5[ohm]に対して、電圧が6.4[V]ほど出ているので、
オームの法則より、計算し、

電力[W] = (電圧[V])^2 / (抵抗[ohm])

に当てはめて計算すると、
電力[W] = 81.92[W]

というわけで、問題なく公称の80[W]近傍が出ています。



では、下限の出力はどうでしょうか

【抵抗:0.5[ohm] 6W】
87V 実際PWMでわからんV


そう、低出力時は、PWM制御になるんですね…

【[拡大]抵抗:0.5[ohm] 6W】
8V


PWM制御時のピーク電圧は、約3.6[V]。
ちなみに、液晶表示1.86Vに対して、RMS値が
1.81Vととても近いので、SMOKのPWMの考え方は、
RMS基準なようですね。(私の見解とは違うw)


つまり、3.6V以上の電圧を要求するような使い方をした場合、
M80は高出力なVW機と同等の品質の出力をします。

3.6V以上なら、例えばSUBTANKのように0.5[orm]だったら
26[W]以上の設定で使うなら、高出力で、電池持ちもいいMOD
としての活路が生きてきます。

ちなみに、私の知っている限りでは、
このように、高電圧時はDC-DCコンバータで昇圧し、
定電圧時にはPWM制御で降圧するような回路構成は、
Eleaf社のiStick20なども同様の構成となっています。
 
余談ですが、そういった意味で
Eleaf初のTC-MODである、iStick40の実力にも注目しています。


6.考察 ~"な~んでそんな構成なの?"という問いに対するrujiAの妄想~
 
すなわち、恐らくSMOKは、ハードウェア(=基板実装)の構成的に、
BT50系と同様に、DC-DCコンバータによるフラット変圧時には、
最低降圧値が3.6[V]までしか対応できないDC-DCコンバータ回路の
構成になっている(※)…しかし、BT50のときに、低出力を望むユーザーから、
不満があったことを考慮して、安価である、制御ロジックによる降圧、
すなわちPWM制御に対応した、ということなんだと思います。

※:BT50は、約3[V]以下に電圧を降圧することが出来ない構造になっていました。


まぁ、SMOKのハード設計の不都合を、
プログラマの頑張りで救ってあげたってことだとおもいます。
しかし、この、3.6[V]以下はPWM制御にて降圧する構成が、
TCが不成立になってしまう要因
となってしまいました。

恐らく、PWM制御にて、温度FBで使うような弱電圧を実現
しようとすると、コイルの抵抗値を、うまく計測できないんでしょう。

すなわち、現在のコイル温度を計測することができず、
コイル温度に応じた出力調整をすることができない。
だから、フィードバック制御をすることができない


rujiAの予想妄想では、
M80は当初、TCを持たせる計画はなかったんだと思います。
 
私のM80誕生の妄想シナリオは、下記です。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 
①M80は、BT50やM80シリーズの後継機として、
ただの高出力で電池容量が大きいBOXMODとして開発していた。
 
ハードは既にM80系の上位互換的な発想で作った基板でいくと決めていた。

③開発もいよいよ終盤!というところで、
ゴリ押しのマーケティング担当者(っていうか社長)から、

時代はNi200を使ったTCってやつらしいぞ!M80にその機能のせろ!
DNA40の丸パクリの動作でいいから!どうせソフトなんかタダなんだろ?」という
むちゃくちゃな急ハンドルみたいな指示がでる。w

④技術者的には、「いやいやいやいや!無理っすよ!だってDNAはフルDC-DC変圧だけど、
我々のは低出力時PWMだから!いまさら成立性とか保証できないよ!」と言ったハズ。w

⑤社長「まぁ、、技術のことはよく知らないけどさ。お前がそういうなら…
…じゃあいいよ。残念だね。君の今年の春節無いね~~。残念だね~~。
やるっていうなら、今日のお昼のきゅうり丼も超大盛りだったのにねー


⑥技術者「…(きゅうり丼はどうでもいいけど、正月がなくなるのは嫌だ!)やります…」
(…とはいったものの、ガチTCはできないから、
ニッケルヒーターの原理で、なんとなく温度が収束するような制御手法でお茶を濁そう…。)
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


みたいなことではないかと。w

 
つまり、最近のSMOKの雰囲気にありがちですが、
MODの基本構造の身の丈にあった機能要求ではない、
背伸びした設計になってしまったんですね。


その後SMOKの技術者がどうなったのか、気になります…。
失敗を責めない、人道的な会社であることを祈っております…


7.まとめ

てなわけで、総評です。

率直にM80は、買いか?という質問に対して、
 
私的には、有り。但しTCには期待してはいけない。
という風に思っています。

有りの理由は、高出力のVW機としては、
十分すぎる性能を有しているからです。

事実、現在も、VF Cloneに加えて、サブ機として、
BI-SOのReVO専用ドリッパーとして、M80を持ち歩いています。

DSC_0923


ビルドは、28Gの内径3.5mm、10回巻Dualコイルで1.41[orm]です。
 
余談ですが、甘くてガンクの出やすいリキッドは、サブΩで吸うよりも、
高ohmで30W程度の出力で吸ったほうが、甘さもでるし、
ガンクのつきも少ない気がします。
 
上記設定だと、6.5[V]の電圧が必要ですが、M80なら余裕のよっちゃんです。
しかも、電池持ちもいい。

前述の私の勝手な予想妄想では、
M80の基本設計は、高出力VW機の設計だったとおもうので、
要はそういう運用をしてあげれば、優秀なMODとして、
十分に活躍
してくれます。

しかも、今買うと滅茶苦茶安いんですね。

50ドルきってます。


50ドル切って、しかも内蔵電池で急速充電可能なら、
全然有りな選択だと思います。

ただし…
繰り返しになりますが、TCには微塵も期待してはいけません。
 
M80のハード設計では、たとえ何度ファームのアップデートがあっても、
TCを完璧に成立させることは、限りなく不可能であると考えるからです。

というわけで、いろいろと、物議をかもしだした本製品ですが、

わるい製品じゃないんです!(TC以外は)
根は良いやつなんです!


そんな本製品ですが、不人気ゆえに、あえて選択!
という選択もあるとおもいます。


SMOK Xpro M80 Pluse
$49.99
Angelcigs



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こんにちは。rujiAです。

前回の記事で、次はDNA30の記事書きます!なんていっておきながら…
…ごめんなさい、今回は違います。
今回はVapor flask DNA40 clone kangxin KX-40D、
本Blog内での通称Flask-KXの続編です。 

ツイッターで相互フォローして頂いている、うふふのけいちゃんさんから
"設定温度を振ってみて、コットンを空焚きしてみていただけませんか?"との
リクエストがあり、この検証を行います。

【検証の狙い】
Temperature protection、温度FBは、言うまでもなくコイルの温度を検知し、
設定温度以上にコイルが熱くならないように調整する機能です。 

つまり、 Flask-KXが実際に温度FBできていれば、コットンを空焚きした際に、
どこかの温度で、コットンが焦げなくなる温度が有るはずです。

もし、どこまで温度を下げても、コットンが焦げ付いてしまうようであれば、
「温度FBの成立が怪しいね」ということが分かります。

ちなみに、海外ではこの検証方法が流行っているようで、
Youtubeなんかで"Cotton Burn Test"で検索すると、
いくつか動画が出てきます。

設定温度はわかりませんが、
SMOK のM80では、コットンが引火して燃え尽きてしまうようで、
「Smokさん、いまいちだね」という評価であるようです。
 

ただ、実際の使用には美味しく吸える程度の成立性は有るようで、
Japan Vape TVさんなんかは、機能に対して高評価なようです。

ちなみに、本家DNA40では、こんな感じになるようです。
(14:40あたりで、結果が見れます。)


 設定温度に応じて、コットンの焦げ具合にグラデーションがかかっていますね。

【測定機材等】

1.アトマイザ治具
DSC_0471

今までの解析記事では、メタルクラッド抵抗をコイルの代わりに使用していましたが、
温度FB機を評価する際は、実際にNi200のコイルを使用して計測する必要があったため、
アトマイザを接続する治具を作成しました。

2.Ni200コイル
AWG27G、内径30mmの16LAPで1.55[Ω]ほどです。
DSC_0463

DSC_0459


以上を結線します。
ハーネス分の抵抗が増えますので、若干抵抗値が上がります。

DSC_0475



 【測定結果】
測定は、すべて出力上限25Wにて20秒程度通電を行いました。


早速ですが、結果の画像です、

まずは、400[degF]設定から、50[F]単位で200[F]まで測定しました。
SANY0001


400[degF] … すこし焦げ目がつく
350[degF] … すこしだけ色が変わる
300[degF] … 変化なし
250[degF] … 変化なし
200[degF] … 変化なし

400[degF]以下の設定においては、
コイルが真っ黒に焦げるようなことはありませんでした。

と、いうわけで、この時点でFlask-KXにおける、温度FBは成立している
判断することが出来ました。
上記全てにおいて、煙が発生することはなく、
400[degF]設定時において、すこし焦げた匂いがするくらいでした。


続いて、400[degF]設定よりも上の設定時における検証です。

SANY0008


こちらは、下記のような結果になりました。
600[degF] … 煙が発生した。焦げて焼き切れた。
550[degF] … 煙が発生した。明らかに焦げた。
500[degF] … 煙が発生した。焦げ目がついた。
450[degF] … 少し煙が発生した。500[degF]よりは薄めに焦げ目がついた。 

<番外編> 
温度FBオフ … 4秒程で出火!! コイル接触部分が燃え尽きる。 

SANY0011
(結構びっくりしました。)
 

と、いうわけで、 繰り返しになりますが、
Flask-KXは、温度FBを行っております。 

実際の使用においては、コットンがリキッドに浸っていることから、
350[degF]~500[degF]強くらいの設定がスイートスポットなんだろうな、
とおもいます。

コットン使用においては、550[degF]以上の必要性は無いのではないでしょうか…。

rujiAは380[degF]あたりで使用することが多いです。
当然ですが、ドライバーンによるイガり等は、発生したことがありません。

ちなみに、出力波形を見る分には、DC-DCコンバータにて
変圧を行っており、本家DNA40にちかいハードウェア設計なようです。

<出力波形:550[degF]設定時>
01-08 550F 25w 2s

 あとで制御手法については詳しく書く予定ですが、
ざっくり言えば、最初にガーッ!と電圧かけて、
温まったら弱電圧でじわ~っと電圧かけて、 
ちょっと冷えたら、ぱっ!ぱっ!ぱっ!と強めに電圧を
与えるようなイメージですね!(擬音を多用してみました。w)


ちなみに、コイルに対して息を吹きかけてみたら、
コイルの温度低下を検知して、電圧をあげています。
なかなか賢いですね。応答性も問題無いです。

01-09 380F 25w 2s 行きフー
「フッ!フッ!フーッ!」と息を吹きかけてみましたが、
私の息の吹きかけたタイミングに、25w相当の電圧まで
昇圧しているようです。


個人的には、なかなか好感が持てるCloneだと思います。
特に、制御基板と制御設計が、手を抜いていない印象です。

ま、生産ラインのおばちゃんは、手を抜いている可能性があるので、
オススメはしませんが、リスク(※)を理解出来る人で、
温度FB機種を試してみたい人には、ちょうどいい製品だと思います。

※リスク:例えば、中身の配線が雑だったら、なんだって起こりえます。使用者の感電や、電池の爆発…等 




今後は、時が来れば、本家DNA40の比較なんかも行う予定です。
YiHiや、M80なんかも、レンタルでも基板単体でも、提供してくださる方がいれば、
出力を計測して、記事にいたしますよ!
 

こんにちは!rujiAです。

さて、今回で4回めになるX6の解析記事になりますが、

なんやかんやで長引いてしまっていますねぇ。
私の記事を書くスピードも早くなくて、ちょっとまったりしすぎかな、と思います。
(申し訳ないです。)

そもそも、X6なんて終わってるMODに時間かけてんじゃねーよ!」って
思ってらっしゃる方もいるとは思います。

ですが、まずは、私のVape遍歴の最初のMODであり、
他のMODの評価の基準となっている(た)X6に対して
じっくり語っておきたいと思っています。

ちなみに、X6について語ったら、
次はDNA30について書きたいと思っています!
(乞うご期待!)

ひとまず、前回までのおさらいで、解析結果言えること↓。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
【解析結果】Kamry? X6はこんなMODでした

1.電圧調整方法は、PWM制御によるもの。
2.PWMの周期は25[ms](0.025[秒]/周波数40[Hz])。
3.出力電圧の考え方は、実行電圧値。(Vrms。非Vavg。)
4.最大パフ時間は10[sec]。
5.抵抗計測はしていない。(少なくとも制御には使っていない)
6.アトマイザ断線検知/バッテリーショート等のフェールセーフ機能はない。
7.バッテリー保護のための低電圧検知制御有り。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

これまで、過去記事にて、1.~3.まで説明しました。

過去記事はこちら↓。
[Mod Analysis]Kamry?社 X6 Vol.1
[Mod Analysis]Kamry?社 X6 Vol.2 -PWM制御解説編-
[Mod Analysis]Kamry?社 X6 Vol.3



では、さくさく進めたいと思います。

【4.最大パフ時間は10[sec]。】

そのまんまですね。
通電時間が10秒以上あった場合は、自動でカットしてくれる機能があります。
制御設計マニアとしては、設計者に10秒っていう時間の妥当性
を問い詰めたいところですが、まぁ概ね10秒も吸い続けるような人なんて
おらんやろ、ってことなんでしょうね。

このへんは、EleafのiStickも同じく10秒で自動で通電が切れます。

クラウドチェイサーな方は、いらんことしやがってとなるんでしょうかね。

ちなみに実波形はこちら。↓

何れも下記設定で測定しております。
■アトマ抵抗値…1.5[Ω]
■1time/div…2000[ms]

【出力設定:低()】 
5 10sec

【出力設定:中()】
5 10sec

【出力設定:高()】
5 10sec


[Note]
【出力設定:中()】にて波形が縞模様になっているのは、
モアレとよばれる表示上の現象のためで、
独特の制御をしているとかいうわけではありません。 


5.抵抗計測はしていない。(少なくとも制御には使っていない)
これは、以降の6.と7.にも関係ある話なんですが、
書いている通り、X6はアトマイザの抵抗値に合わせて、
出力を調整するような機能がありません。

X6の公証出力電圧とは、
あくまで、抵抗無し時のX6からコイルへの入力電圧が、
各出力設定値、(4.2/3.8/3.3 [V])なのであり、
真の回路(コイル)に対する出力電圧は、出たとこ勝負な設計となっています。


まぁでも、VVなMODってもしかしてみんなそうなのかな?
すくなくとも、手持ちのDNA30は、目標Wに追従するために、
コイル抵抗に合わせて、MODの出力を調整しています。

(他のVV機種については、将来的に、
iStickの解析記事の時にでも掘り下げてみましょう。)


以下、例として、各コイル抵抗時における出力高()
実際のコイルに対する電圧値の実波形を載せます。
 
画像の波形画面左下あたりにある"Vmax"の数字に注目してみてください。

【コイル抵抗:∞[ohm](アトマイザ無し)】
0Ω 10ms


【コイル抵抗:1.5[ohm]】
5Ω 10ms


【コイル抵抗:1.0[ohm]】
0Ω 10ms

【コイル抵抗:0.5[ohm]】
(!注意!X6のサブオーム通電は、推奨外です。よいこはまねしないでね!)
5Ω 10ms


もちろん、出力波形の周期とDutyは、各抵抗値の波形すべて変わらず
25[ms]の73.3[%]です。

X6は、PWM制御でのパルス変調のみを電圧の調整手法として
いるようですので、この時点で、アトマイザのコイルの抵抗の
ことは、特になーんも考えてないんだろうな、ということがわかります。

Vmaxを表にすると、↓のようになります。
【Vmax表】
00-00 Table

もし、抵抗に応じて、回路に対する電圧を常に、設計電圧としている設計ならば、
せめて1[ohm]より上の抵抗時はすべて同じ出力になるかと思いますが、
上記結果では、そうはなっていません。

まぁ、つまり、出たとこ勝負な設計なわけです。

…まぁ、当時はこれでもよかったんでしょう。
私は当時のことは知りませんが、VVが出た時点で、かなり革命的だったようですしね。

メカMODチックに、とにかくバッテリーの実力やヘタリ具合なりに出力
するしかないようなものから考えれば、三段階出力が調整出来るだけマシです。

その点、 最初に昇圧回路とフィードバック機構を取り入れた
テクニカルMODは優秀ですね。
最近は、温度F/B制御が、VAPE界の最新トレンドですが、
当時はかなりのイノベーションだったと思います。
(私もリアルタイムではないけれど、DNAを最初に触った時は、"すげー!"って超びっくりしました。)

最初に開発した人(会社)は、一体誰だったんでしょう。
レベルの高さで言えば、Evolv社なのかなぁと思っています。 


【ちょっと脱線】

bernoul

VAPECHKさんで、
VAPECHK「ぼくの考えたさいきょうのMODを買う権利をやろう」係というのを
やっているようなんですが、次のVAPEの電子制御のトレンドについて、考えてみました。

以前もちょっと書きましたが、いずれ流行りとして来るのは、
エアフローフィードバックコントロール(以下AirF/B)かな、と思います。
狙いは何なの?というと、「ミストの濃さを自動調整してくれる」ということです。

現在トレンドの温度フィードバックの狙いは、極端な話、
焦げの防止」が最大の目的だとrujiAは認識しています。

これっていうのは、焦げ=マズーと考えると、温度制御は、
不味いを防止する受動的な機能であるとrujiAは考えています。

上記に対して、AirF/Bは、美味さをアクティブに実現することができる機能
になると確信しています。

美味さは、ミストの好みの濃さである、とrujiAは思っています。
つまり、AirF/B制御は、ミストの濃さを任意の濃さにコントロールするんです。

じゃあ、濃さってどうやってコントロールできるの?というと、
要は人が吸っている量に対して、コイルの通電時間や
出力電圧を調節してあげればいいんです。

具体的な手法としては、例えば、下記のようなのを考えています。

_/_/_/
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
1.ユーザーが、アトマを加えて、吸い込む
2.その際、アトマイザ内のセンサにて、時間あたりの吸入空気量([g/time])を算出
3.上記、吸入空気量に応じて、予めユーザーが設定した好みの濃度になるように、
出力電圧/通電時間を算出して、コイルに通電。
4.いつ吸っても、丁度いい濃さでウマー!
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


…どうですか?もちろん、乗り越えるべき課題は多いですが、
Vapeが美味くなるために進化し続けていくならば、必然的に辿り着く手法に違いないと、
rujiAは考えています。


当然、一番のネックになるのは、アトマイザ内に設置するセンサでしょう。

多分、アトマイザのサイズで吸入量を算出するなら、
薄い金属片に歪みゲージを貼り付けたセンサで、アトマイザ内の空気圧を
測定する方法(一部ではSpeed dencity方式と呼ばれています)を使用することになると
思いますが、日本国内のセンサメーカーによる空気圧計は、そこそこのお値段がします。
(末端価格で1万円くらい?)
それだと、アトマ単体でもへたしたら3万とかになっていまうかもしれませんね。

なので、チャイナのメーカーさんが、そのへんをどう安く作ってくれるか?
というところにかかっていると思います。
アトマのエアフローを、実測したことはないので、
なんとも言えませんが人の肺活量の範囲をかんがえたら、
実は作っちゃったら安くできちゃう可能性もあるんじゃないかな、と思います。

もし実現するなら、Evolvみたいに、自社で開発した技術を
いろんなMODメーカーに提供するスタイルがいいんじゃないでしょうか。

絶対高くても、現在のVAPE沼にハマってらっしゃる方々をみていると、
買う人は絶対いるだろうな~と思います。


未来の技術を提案(妄想) するのは、どんなジャンルでも面白いものですね。

VAPECHKさんにお願いすれば、作ってもらえるのかな?w
 

こんにとは!rujiAです。


【雑談:温度フィードバックについて】
dna40


 BLOG:my VAPE noteさんで、DNA40等の温度フィードバック機能について
とてもわかりやすいの説明図がありました。

狙いの動きについて、直感的にわかりやすくて
凄くいいグラフの絵だと思います。

温度フィードバック制御の狙いは、
VAPECHKさんのBlog記事にもある通り、

ユーザーの欲しいものは、美味しい蒸気であり、出力ではない。
→ 美味しい蒸気 = リキッドに応じたコイル温度


 というところが背景で、だったら温度を直でセンシングできればいいじゃん!ということですね。


ただ、個人的には制御の手法としての温度F/Bよりも、
温度の検出方法に興味があります。
特に、ユーザーのいじわる操作対策がどうなっているのか
という部分が気になります。


温度F/B機能に対して、コイルの材質に指定されている
Ni200(通称純ニッケル)は、電気抵抗の温度係数が大きいことが
特徴の一つのようです。 <参考:東京抵抗線株式会社>

ざっくり探してみましたが、残念ながらニッケルの温度あたりの抵抗値に関する
データシートは見つけることができませんでした。(あとで、腰を据えて探してみます。)


まあ多分、こんなかんじの特性なんじゃないかなと思っています。
下記図はあくまで私の勝手な予想の特性図(要は妄想)なので、
話の参考のみにとどめて下さい。

 ニッケル線温特

つまり、温度に対して、二次曲線であがっていく特性。
これなら、コイル温度が0[deg]のときの抵抗値がわかれば、
コイルの抵抗値から温度がわかります。


しかし、逆に言えば、0[deg]の時の抵抗値がわからないと
たとえニッケルであっても、抵抗値からコイル温度を算出することができません

要は、使用しているコイルの抵抗値と温度を事前にプリセットされていないと、
結局は温度がわからない
のです。

もっというと、パフボタンを押したその瞬間のコイルは、
あるときは、持ち主の寝起きの一服目だから、
部屋の快適温度(例えば20度)かもしれないし、

あるときは、ガンガンすって、バッテリーが死んだ直後、
満タン充電の電池にすぐに入れ替えたときで、
300度とか、熱い状態かもしれないし、

りゅうくんが、罰ゲームの氷風呂に入りながら吸っていて、
凄く低い温度なのかもしれないし、

ただ単に抵抗値を算出しているだけだと、
DNA40の制御用マイコンは、いくつの抵抗を
基準に温度を算出したらいいかわからない
んです。


rujiAの予想では、バッテリー温度と、
MODの出力電圧に対するニッケルの抵抗値の
時間あたりの立ち上がりの特性から、うまく相関関係に基いて、
ニッケルコイルの素の抵抗値を算出しているんじゃないかな~
なんて予想しています。


ああ~!もう解析したくてしょうがない!!!!!


珍しい制御を見て、あれこれ試して反応を見たくなる、
ドSデバッカー性癖をこちょこちょとくすぐられている気分です。


思えば、好きなあの子にイタズラしたくなる、
あの日の感情に似ているかもしれません。

 

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