VAPE MOD研究所

電子タバコのMODの計測と評価…というニッチなジャンルの日記

カテゴリ:MOD解析 > Vapor flask KX-40D

こんにちは。rujiAです。

前回の記事で、次はDNA30の記事書きます!なんていっておきながら…
…ごめんなさい、今回は違います。
今回はVapor flask DNA40 clone kangxin KX-40D、
本Blog内での通称Flask-KXの続編です。 

ツイッターで相互フォローして頂いている、うふふのけいちゃんさんから
"設定温度を振ってみて、コットンを空焚きしてみていただけませんか?"との
リクエストがあり、この検証を行います。

【検証の狙い】
Temperature protection、温度FBは、言うまでもなくコイルの温度を検知し、
設定温度以上にコイルが熱くならないように調整する機能です。 

つまり、 Flask-KXが実際に温度FBできていれば、コットンを空焚きした際に、
どこかの温度で、コットンが焦げなくなる温度が有るはずです。

もし、どこまで温度を下げても、コットンが焦げ付いてしまうようであれば、
「温度FBの成立が怪しいね」ということが分かります。

ちなみに、海外ではこの検証方法が流行っているようで、
Youtubeなんかで"Cotton Burn Test"で検索すると、
いくつか動画が出てきます。

設定温度はわかりませんが、
SMOK のM80では、コットンが引火して燃え尽きてしまうようで、
「Smokさん、いまいちだね」という評価であるようです。
 

ただ、実際の使用には美味しく吸える程度の成立性は有るようで、
Japan Vape TVさんなんかは、機能に対して高評価なようです。

ちなみに、本家DNA40では、こんな感じになるようです。
(14:40あたりで、結果が見れます。)


 設定温度に応じて、コットンの焦げ具合にグラデーションがかかっていますね。

【測定機材等】

1.アトマイザ治具
DSC_0471

今までの解析記事では、メタルクラッド抵抗をコイルの代わりに使用していましたが、
温度FB機を評価する際は、実際にNi200のコイルを使用して計測する必要があったため、
アトマイザを接続する治具を作成しました。

2.Ni200コイル
AWG27G、内径30mmの16LAPで1.55[Ω]ほどです。
DSC_0463

DSC_0459


以上を結線します。
ハーネス分の抵抗が増えますので、若干抵抗値が上がります。

DSC_0475



 【測定結果】
測定は、すべて出力上限25Wにて20秒程度通電を行いました。


早速ですが、結果の画像です、

まずは、400[degF]設定から、50[F]単位で200[F]まで測定しました。
SANY0001


400[degF] … すこし焦げ目がつく
350[degF] … すこしだけ色が変わる
300[degF] … 変化なし
250[degF] … 変化なし
200[degF] … 変化なし

400[degF]以下の設定においては、
コイルが真っ黒に焦げるようなことはありませんでした。

と、いうわけで、この時点でFlask-KXにおける、温度FBは成立している
判断することが出来ました。
上記全てにおいて、煙が発生することはなく、
400[degF]設定時において、すこし焦げた匂いがするくらいでした。


続いて、400[degF]設定よりも上の設定時における検証です。

SANY0008


こちらは、下記のような結果になりました。
600[degF] … 煙が発生した。焦げて焼き切れた。
550[degF] … 煙が発生した。明らかに焦げた。
500[degF] … 煙が発生した。焦げ目がついた。
450[degF] … 少し煙が発生した。500[degF]よりは薄めに焦げ目がついた。 

<番外編> 
温度FBオフ … 4秒程で出火!! コイル接触部分が燃え尽きる。 

SANY0011
(結構びっくりしました。)
 

と、いうわけで、 繰り返しになりますが、
Flask-KXは、温度FBを行っております。 

実際の使用においては、コットンがリキッドに浸っていることから、
350[degF]~500[degF]強くらいの設定がスイートスポットなんだろうな、
とおもいます。

コットン使用においては、550[degF]以上の必要性は無いのではないでしょうか…。

rujiAは380[degF]あたりで使用することが多いです。
当然ですが、ドライバーンによるイガり等は、発生したことがありません。

ちなみに、出力波形を見る分には、DC-DCコンバータにて
変圧を行っており、本家DNA40にちかいハードウェア設計なようです。

<出力波形:550[degF]設定時>
01-08 550F 25w 2s

 あとで制御手法については詳しく書く予定ですが、
ざっくり言えば、最初にガーッ!と電圧かけて、
温まったら弱電圧でじわ~っと電圧かけて、 
ちょっと冷えたら、ぱっ!ぱっ!ぱっ!と強めに電圧を
与えるようなイメージですね!(擬音を多用してみました。w)


ちなみに、コイルに対して息を吹きかけてみたら、
コイルの温度低下を検知して、電圧をあげています。
なかなか賢いですね。応答性も問題無いです。

01-09 380F 25w 2s 行きフー
「フッ!フッ!フーッ!」と息を吹きかけてみましたが、
私の息の吹きかけたタイミングに、25w相当の電圧まで
昇圧しているようです。


個人的には、なかなか好感が持てるCloneだと思います。
特に、制御基板と制御設計が、手を抜いていない印象です。

ま、生産ラインのおばちゃんは、手を抜いている可能性があるので、
オススメはしませんが、リスク(※)を理解出来る人で、
温度FB機種を試してみたい人には、ちょうどいい製品だと思います。

※リスク:例えば、中身の配線が雑だったら、なんだって起こりえます。使用者の感電や、電池の爆発…等 




今後は、時が来れば、本家DNA40の比較なんかも行う予定です。
YiHiや、M80なんかも、レンタルでも基板単体でも、提供してくださる方がいれば、
出力を計測して、記事にいたしますよ!
 

こんにちは。rujiAです。

…これまで数回に渡り、X6についての解析記事を書いていて、
未だ完結に至っていない当Blogですが、ここで別のMODについての記事を書いちゃいます。

なぜなら、新しいMODが昨日届いて、個人的に今HOTな話題だからです!
X6の記事も、そのうち完結させますが、まずはさわりの部分だけ、
このMODについて記事を書かせていただきます。

今回は、最近の日本のVapeシーンで流行っている
温度フィードバック機能(以下温度FB)MODである、↓について書きます!

 DSC_0322

このMODは、本家温度FB基板であるDNA40を搭載した、
Vapor flask V3 を模した 製品です。所謂Cloneですね

Cloneについては、いろいろな意見がありますが、
当ブログでは、あまりその辺に触れずに書かせていただきたいと思います。


この製品の制作は、KangxinというChinaの企業で、
MODの挙動を観察した限り、中身の基盤もDNA40とは別のものが入っている様です。
その辺を主張したいのか、電源投入時のオープニング画面で、"KX-40D"と表示されます。



00 opening 基板名


本Blogでは本家Vapor Flask V3と呼び分けるために、
便宜上このCloneを、Flask-KXと呼ばせていただきたいと思います。

今回は、このFlask-KXのファーストインプレッションについて書くことにしまして、
出力特性については、以降の記事にて詳しく書きたいと思います。


では、早速書いていきましょう。


ちなみに、購入は、下記サイトで行いました。
VF V3 Style Temperature Protected 40W Clone - Black@Focalecig.com



【パッケージ】
DSC_0311
VAPEグッズでありがちな、厚手の紙でできたパッケージです。
ところどころボコボコと打痕のような凹みが有り、私の手元に来るまでの
長旅の様子を想像させます。

【開けたトコロ】
DSC_0314
なんでか、"もしかして、店頭でディスプレイしてた?"と思うくらい、
ホコリが表面につきまくってました。なんか、糊のようなものでベタベタしている部分もあったので、
パーツクリーナーで拭いておきました。The 中華!ってかんじで、なかなかワクワクさせる演出です。w


【見た目や大きさ等】

手にとってまず最初に感じた印象は、
"あれ?意外と小さいんだな"という事です。
18650サイズの電池を2つ使うし、
形状から、本物の酒壺くらいだろうから、
Nintendo DSくらいのサイズかと思っていましたが、
実際には、手のひらに収まるサイズと言っていいと思います。

BT50と比べると、確かに横幅が有りますが、
格で言えば、個人的には、HANAのDNA30やBT50と同じクラスと思ってもいいと思います。
DSC_0315

そして、何よりこの酒壺の形状が、最高に絶妙です。
指がMOD全体を覆って、人差し指に丁度パフボタンがきて、
裏側は、親指の腹が丁度ハマってホールドしやすいようになっています。

本当に、酒壺の形状でVape作った、本家Flaskmanさんは天才だと思いました。
DSC_0347-2
…、と思ったけど、よく考えたら、
そもそも酒壺の形状を作った人が、まずは天才ですね。w

とにかく、この形状は、デザイン重視のものではなくて、
ホールド性を追求した結果の究極の形と言っても過言ではないと思います。

まぁ、そんなわけで、見た感じはバリとかもないですし、
適度に重みもあって、質感はそんなに悪く無いと思います。

けれど、外見上の残念なポイントが一つありました。

【残念ポイント1:電池蓋】
私はFlask-KXに、フラットトップの電池を使っているんですが、
背の低いフラットトップでも、電池蓋が締まりきれなくて、少しはみ出ています。
SANY0007-2

なんていうか、Cloneらしいといえばらしいんですが、
てっきりガワは完全コピーかと思っていたのに、なんでこんなことになっているんだろう…
海外の比較記事でも、"Cloneは本家Flaskよりも、若干背が小さい"との記載があった気がしたので、
ここにそのしわ寄せが来ているのかもしれません。


【中身】
外見は、そこそこ立派なんですが、
中の処理がテキトーだと、感電するかも…と少しばかり恐ろしくなりまして、
早速開けてみました。

DSC_0338


液晶のガイドステーの精度とかは、問題なさそうです。

DSC_0339

中身の配線は、お世辞にも丁寧とは言いがたい仕事です。
線も、ムダに長くて押し込めてあったりするし、
ポディング材も、取り敢えずてんこ盛りです。

まぁでも、無いよりはてんこ盛りのほうがいいし、
一応ポディング対象の場所を見ても、
絶縁のためのツボは抑えてありそうだったので、
開けてみてひとまず安心しました。


ただ、この感じだと、このCloneがある程度流行ったりなんかして、ラインの負荷が上がると、
作業者的にはどんどん雑になっていくと思うので、
Flask-KXの全部が、平気か?といえば、確実にNoだと思います。

本物のVapor Flaskは、このへんはもっときれいなんじゃないかな、と思います。
(WEBで分解写真探しましたが、無かったので確認はできず)

中身に関しては、値段なりと言ったところでしょうか。

基板も引き抜いて見た目の写真を撮ろうかと思いましたが、
引き抜いたら後戻りが大変そうだったので、やめておきました。

【残念ポイント2:充電ポート】


これね…ほんとうに残念なんですが、

無いんですよ。充電ポート…。



DSC_0316-02

本家は、背面に有るようなんですけどね…
rujiAは、BOX-MODはUSBで充電して、
電池を入れ替えずに運用するスタイルだったので、
ちょっと不便です…。

そして、まともな充電器を持っていなかったので、
昨日さっそくAmazonで充電器を購入しました。(お急ぎ便でw)

<余談>
多分、私が購入したFocalecigは、この点について気づいているようで、
私の購入したMODのページでは、↑のような背面の写真の公開がありません。
全部、表側だったり、絶妙に手で隠したりしていて、気づかないように写真を撮っています。
…よく考えていますね。w



【その他】
ひとまず、すでに買ってあったNi200でコイルを巻いてみました。
DSC_0320
はじめての非Microcoilのビルドでしたが、
意外とうまくいきました。ただし、抵抗は若干低めの1.1[ohm]となってしまいました。
Niは、冷間時の抵抗値が本当に低いですね。

で、肝心の温度FBですが、液晶の挙動や、煙の出方を見る限り、
ちゃんと機能出来ているようです。

そして、昨日から丸1日かった限りでは、
急にリセットしたり、吸い始めでバッテリーの警告がでるようなこともなく、
安定して運用できています

その他、細かい挙動もチョイチョイ本家DNAとは
違う部分があるようなので、おそらく、現在発覚している、
本家DNAのSoftware bugなんかも、コイツに限っては、
無いんだろうなと思っています。

Kangxinさん、なかなかやりますね…
(摂氏表示の切り替え機能はなかったが。w)

Vapor Flask DNA40のCloneについては、いくつか種類があるようですが、
私の手元にあるFlask-KXは、パッケージこそ違うものだったものの、
その他の特徴から、下記の物と同じものではないかと考えています。

Vapor Flask V3 Clone Review@Vaping Cheap
Vapor Flask DNA 40 Clone Review @Youtube

Flask-KXについては、海外では上記以外にも、
レビューされている方が多くて、しかも、以外に好評が多いです。

本家Vapor Flask DNA40の最大の特徴である、
温度FBがちゃんと動作しているためだと思います。

 
かくいう自分も、1日つかった限りでは、思っていたよりもデキがよく、
割と気に入っているというのが正直なところです。
(ステッカー貼っちゃったりしてます。w)
SANY0006-02


ただ、個人的には温度FBが、コーヒーリキッドでタール状の物質が発生する現象
に対する決定的な解決策になったらいいな、と期待していたのですが、
いろいろ試した限りでは、あのドロドロは温度に関係なく、リキッドの消費量に対して、
比例して発生するようですね…

DSC_0351-02

まぁでも、普通のBOX-MODとMicrocoilでガンガン吸うよりは、マシなのかも?
もう少し、いろいろ試して検討してみるつもりです。


ひとまずは、こんなところでしょうか。
ファーストインプレッションとしては、ひとまず以上になります。


[余談]
次のMOD解析記事を、X6の最終編にするか、Flask-KXの性能評価編にするか、
 それともDNA30の記事にするか、迷っております・・・。

今だったら絶対Flask-KXの方が旬だよなぁ~…なんて思ってはいますが… 
うふふのけいちゃんさんからも、試験のリクエストが有ったので、
DNA40の記事かなぁ、やっぱり。 

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