VAPE MOD研究所

電子タバコのMODの計測と評価…というニッチなジャンルの日記

タグ:Control

こんにちは!rujiAです!

本日は、VAPTIO社のレギュレーテッドMOD、S150の解析を行います!

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本MODは、海外のVAPEショップ
HEAVEN GIFTS様に提供して頂きました!
HGlogo


Thank you very much for the this offer!


1.S150概要

S150(以下本MOD)は、VAPTIO社が設計、製造を行っている
温度フィードバック制御搭載のMODです。

VAPTIO社ってどこだろう?聞きなれないな。
と思った方がほとんどなのではないでしょうか?
私もその一人です。w

なんでも、アメリカ設計、中国製造のメーカーなのだとか。

公式サイトはこちら。


本MODの主な特徴等は、
まちゅりさんの秀逸な記事を見ていただくとして(手抜き)
最大の特徴は、ATC:Accurate Temperature Controlという機能でしょう。
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"Chip in Coil Design"と書いてあります。
直訳すると、「チップ内蔵コイル設計」。
で、絵には、いかにもプロセッサがチップ内部に入っている、
とでも言わんばかりです。

ん~、ほんとかなぁ?
というのが私の最初の感想。

でも、こういう新テクノロジに挑戦していく姿勢、
私きらいじゃないヨ!w







2.外観等

箱はこんなのに入ってきます。
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裏側。白もあるんですね。
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中身。
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で、こいつが本体です。
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超かっこいい!


私黒ベースのワンポイントで赤みたいな
色合いが超ツボなので、見た目は完全に気に入りました。
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バッテリーは、18650のデュアルスタックです。
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握った感じも、手のひらにアールがかった側面が
フィットして、大きさはちょうどいいなと感じます。
やっぱ、側面はアール形状がいいですね!

 
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ボタンも、握ったまま操作しやすいです。
シンプルな見た目に見えてますが、
ちゃんと考えてていいと思います。
 
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スターターなんで、アトマがついてきます。
例のATC対応コイルが装着されているクリアロマイザーです。
 
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コイルには、飛散防止の網がついてます。
 
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リキッドチャージは、上部の蓋がこんな感じで開きます。
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シリンジボトルやユニコーンボトルであれば、
チャージしやすくていい方式ですね。

オーリングも色んな所に入っているし、
いろいろたくさん考えてくれているみたいで、
好印象な設計でした。

さて、では、外観の話はこの辺りにして、
メインディッシュにいきましょう。

3.-1 TC計測
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普通のニッケルのRDAで、目標温度400FでTCしてみました。

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うーん?…いくつか解せない点が有ります。

ひとまず、良い点としては、ノイズがほぼ無いと行っていい綺麗な波形ですね。
ハード的な設計は、ちゃんとしてそうです。

ぱっと見の印象としては、プリヒート後のガッツリ降圧な部分がないので、
Starplatの波形にちょっと似てるかも?FF成分多めか?と
思いましたが、右肩上がりの波形で、
また違った観点の制御設計思想なのかな、と思っています。
 
(普通は、TC中のコイル温度は高止まりになる傾向なので、
殆どのTC-MODでは、通電時間に応じて出力を絞っていく方向になる。
 →普通は右肩下がり。)

解せない点としては、ノイズではなく、
波形が小刻みに波々と振動しているのも気になります。

もしかして、なんか凄いことやってる…?


と、ここまではどっちかっていうとポジティブな印象だったんですが、
一番意味不明なのは、ここのカットオフです。

 
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私は、この波形計測時に、約20秒間パフボタンを押しっぱなしなのですが、
約11秒で、「Over 10s Protection」と画面に表示されると同時に、
↑のカットオフを開始します。

ソコまではいいんですが、そのままボタンを押し続けていると、
何食わぬ顔して、2秒後また通電し始めます。

多分、ソフト的には、11秒でカットオフ制御の割り込みが
入っているのですが、割り込みが入っている裏では、普通に通電ロジックが
動いている様な構造なのだと思います。
まぁ…ぶっちゃけていうと制御仕様に起因するバグの可能性が高いと思います…。
ちょっといけてない。

ちなみに、10秒プロテクションなのに、11秒かかっている理由は、
定周期タイマーで0秒から数えちゃってるからだと推測します。
(0~10まで数えたら、数11個数えてる。w プログラマあるあるですね。w





3.-2 BreathingTest

これちょっとのせるのが心苦しかったんですが…

とりあえず、波形を見てもらいましょう。


空焚き状態のコイルに対して、息を吹きかけてみました。
その波形がこちら。

03-10

赤い点線部分が、私が息を吹きかけた部分です。

フッ!フッ!フーーッ!と、
三回息を吹きかけて、最後は長めに息を吹きかけました。


…ところが、本MODは、私の息の吹きかけに対して、
全く反応致しません。


FB系を行っているならば、PIDのP項とD項が極端に低い、
ということなのかもしれませんが…
なんか、そういうことでも無いような気が…

前項で、FF成分多めかも?と書きましたが、
むしろ、FF成分とI項のみで制御しているのかもしれません。

かなり斬新な制御設計ですが、
フィードバッグ系としてはかなりイマイチだと思います。





3.-3 VW計測

さ、気を取り直して、VW計測の計測です。

まずは、MINの波形から。1[W]狙いの設定で計測です。

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VWでも波々してますね…

矩形波じゃないので、傾き分も考慮すると、
波のピークが0.92[V]。
ボトムが0.68[V]程度で、RMSだと0.789[V]程度です。

使用した実負荷(擬似コイル)が、0.647[ohm]なので、
実測値で0.962[W]くらいです。

そこそこ優秀ですね!


次に、60[W]
DS0001

こちらは、波のピークが6.36[V]。
ボトムが5.68[V]程度で、RMSだと6.00[V]程度でした。

同じく実測値でいうと、55.64[W]くらいのい出力になります。

こちらも、そこそこ優秀ですね!
VW機種としては、普通に使えそうです。



ちなみに、VWを計測していて分かったのですが、
計測中に、液晶に表示されている抵抗値の表示が、
0.8[ohm]ほど周期的にちらついていました。

このことから、出力の波波しているゆらぎは、
MODで認識している抵抗値のチラつきに起因しているのかも?
と推測しています。

他のMODに見られない特徴であることから、
もしかしたらATC用のコンタクトの構造等に起因しているのかもしれませんね。





4.ATCコイル分解

ほんとにプロセッサが入っているのかなぁ?と、凄く気になったので、
いろいろ調べてみました。

とりあえず、このMODは510コネクタに少し特徴があって、
ポジティブピンの真ん中に、何かの端子があります。
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便宜上、ATC端子と呼ばせて頂きます。


アトマ側で、この真中の端子の抵抗値をかみてみたところ、
およそ94,000[ohm]ありました。
 
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明らかにVapeのコイルの抵抗値じゃあないですね。

で、これが、ATCコイル。

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コイルをひっくり返したのが、下図。真ん中の金色のところが、
ATC端子部分に接続されるようになっています。

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ATCコイル端子部分と、プラス端子は、
6.2M[ohm]の抵抗値です。
ま,不導体と思っておいていい抵抗値でしょう。
 
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で、分解してみました。

プラス極側を引き抜いてみたら、ATC端子から、
何かがぴょいんと伸びています。

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更に分解してみます。

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この線の先にくっついている球上のものが、いわゆるチップなのか…?
でも明らかにプロセッサではないでしょう。

マイナス極側も分解してみました。

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ああ、なるほどな…

飛散防止網をみて、なんとなくやりたいことが分かってきました。

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何かの金属が、網に絡めてあります。


恐らく、私が引き抜いた時に、ATCコイル端子側から伸びてる線から、
ちぎれてしまったけど、本来はつながっているものだと思います。


私の考える、ATCコイル制御の正体は、ひとことで言うとこうです。


"飛散防止網の温度を、専用センサにて高精度でセンシングしてTCする。"


つまり、コイル温度ではなく、ミストの温度を計測しよう!
という試みなのだと思います。

昨今のTCは、コイルの抵抗値から、温度を推定しています。
つまり、普通のTCだったら、コイルはコットンに熱を与える
アクチュエータであり、かつ温度を計測するセンサーの役割もあるわけですね。

しかし、Vapeのコイルは、いわゆるサブオームのような、
超低抵抗である場合が殆どなので、精度よく温度の推定を行うには、
高精度な抵抗計測が出来る高級なハードウェアが必要です。
 
しかも、工業製品ですので、構成部品の抵抗のバラツキなども考慮すると、
場合によっては製造工程で部品を全数検査をして、
捨てなければならない部品が大量に発生するかもしれません。

さらに、かなりのW数を出力しながら計測するので、
ソフト的にもすこし小難しいロジックが必要だと思います。


そこで、VAPTIOは、

「より高精度に温度を計測するなら、アトマイザーに対して
 コイルとは別にセンサーを埋め込むべきだ。」

と考えたのだと思います。
さらに、
「センサー自体が、温度に対して大きく抵抗値が変化すれば、
 きっと部品のバラツキも相対的に小さくなって、無視できるぞ。
 それなら、高い部品も必要ないし、捨てる部品も発生しないかも!

と思ったのでしょう。

そして、
「どうせセンサで温度図るなら、
 ミストの温度を見たほうが、味に寄与しそう!」と思い、
飛散防止網を通過するミストの温度を測ることにしたのだと思います。


なかなか良い発想だと思います!
私も、アトマに別のセンサを仕込む手法は、
今後のTC系を激的に進化させる方法の一つだと思っていました。


ただ、なぜそれで「チップ内蔵設計コイル」ということに
なってしまったのかは、不明。www

営業さんが先走っちゃったのかな?w


5.総括

VAPTIO S150、如何だったでしょうか?

TCが、正直いい制御とは言えないシステムではあるものの、
ATCコイルの仕組み自体は、やったことに価値があるシステムだと思います。


そして、VW機としては、そこそこの性能を有していることから、
マニアな貴方のコレクション用に、オススメしたい逸品です。

見た目は結構かっこいいので、見た目が気に入っていて、
かつ「どうせ俺TCの使わないし」というVeperさんなら、
不便なく使うことが出来ると思います。

個人的にはこういうチャレンジングなメーカーは大好きなので、
これからもVAPTIO社の製品は、
積極的にWatchしていきたいと思っています。 


VAPTIO S150
$65.00
HEVEN GIFTS




こんにちは!rujiAです。

本日は、日本の中部地方の一部Vaperの間では、密かに人気のMOD! 
LAISIMO社 S3のレビューと解析を行います。

00-00TOP


1.概要 

LAISIMO社 S3は、最大出力200WのTC-MODです。

LAISIMO社といっても、馴染みのない方がほとんどだと思いますが、
最近人気のSnow WlofのMODを製造しているメーカーになります。

私は、本MODを下記海外サイトのMOD紹介記事で発見致しました。


もともと、VaporFlaskのような、吸いながら見れる
天井液晶で2本バッテリーのMODが私のツボだったのにプラスして、
メタルな感じがなかなかカッコイイ!とおもい、購入に至りました。

簡単に特徴を書くと、

・天井液晶
・18650デュアルスタック
・最大出力200W
・TCは、Ni200、チタンはもちろん、ステンレススチールにも対応。
・そしてなんといっても、製品は見た目かっこいいの!
・それでいて安い。

といったところでしょうか。

詳しくは、まちゅりさんの秀逸な記事を参照しましょう!w

LAISIMO S3 200W TC MOD 【VAPE・MOD】@まちゅられ


ちなみに、見た目のクオリティの高さから、
静岡電子煙草協同組合のメンバー全4名中、
3名が所持しており、
メンバー間では、"公式MOD"の愛称で呼ばれています。w


2.見た目等

箱です。
 
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200W!の表記が誇らしげです。



裏側。スペックなどが書いてあります。

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箱も結構しっかりしていて、化粧箱の蓋が磁石で
パチンと閉じるタイプです。


本体を見ていきましょう。

最初に結論から言いますが、
値段を一切考慮しなくても、恐ろしく質感がいいです。

6倍以上の値段で買ったTHINK VAPEのDNA200を完全に上回っています。w

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バッテリー蓋は、マグネットタイプ。
こちらもパチっと収まって、全くがたつきが有りません。

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大きさは消して小さくは有りませんが、
角が丸みを帯びていて、手によく馴染みます。
私は成人男性の中ではかなり手が小さい部類ですが、
良好な握り心地だと思っています。

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ボタンはパフボタン、プラス/マイナスボタンともに側面についていて、
吸いながら持ち替えることなく操作ができます。
かなり考えてデザインされていると思います。


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3.出力計測結果

03-00


では、毎度おなじみの出力計測結果です。
これだけ見た目や箱が凝っていると、
出力結果はどうなのか気になりますね。

かなり不安?いやいや、逆に超期待ですよ
(ゲテモノ的な意味でw)

では、いきましょう。

3.-1【TC】コットンバーンテスト

まずは、基本ということでコットンバーンテストしてみました。

結果はこちら。
03-10


お、ちゃんと設定温度に応じて
コイルの温度が変わってるっぽいですね~!

TCはできていると判断できます。
 
まぁ、このへんは序の口といったところか…

CBT時の波形がこちら。
03-11


当然ながら、設定温度に応じて、出力収束線も変わってそうです!
優秀~!!

…と、いいたいところですが、一点気になった点が。

こやつ、プリヒート後のカットオフをしていませんね。

参考に、DNA40のコットンバーン時の波形を載せておきます。

03-12DNA


上記画像のオレンジ線で囲った部分ですが、
出力が一定時間0[V]近傍に有ります。

これは、MODがプリヒート時の温度変化量から、
「うわ!温度上るの速すぎ!ヤバヤバ!!!」てなかんじで、
出力をカットオフしていると予想されます。

しかし、本MODは、そういったカットオフの形跡が有りません。


カットオフのロジックを実装していないのかなぁ…とも思ったんですが、
350[degF]設定時に、途中で謎のカットオフをしています。(下記画像オレンジ点線内)

03-13 350F


推測ですけれども、ソフト上でのカットオフの条件に、
不都合な構成があるのではないかと思います。

実使用時に生じる困りごととしては、
ドリッパーでTCを使用していると、
正常にカットオフが働くMODと比べて、イガり易くなることが予想されます。


まちゅりさんがBlogで書いていた、
"OVERTIMEになるまで加熱し続ける"と言うのは、
この部分を感じたのだと思います。


なので、味が薄くなったら、粘らずさっさとリキチャしましょう!


3.-2 温度フィードバック(TC)評価

TCの計測評価です。
目標温度250[degF]でひたひたにリキッドに浸したコットンで
計測しました。

参考に、同環境でTCを行ったDNA40の波形と重ねあわせてみます。

シアンが本MOD、LAISIMO S3。
黄色がDNA40です。

03-20 S3vsDNA


びっくりするほど似ています。w

むしろ、気持ちLAISIMOの方が安定傾向にあるかも?
 

LAISIMOもevolvの制御をお手本に制御設計したんでしょうね。

ここまで似ているということは、TCRの設定値も、
DNA同等のものが入っていると思います。

つまり、TCはかなり優秀です!

ちなみに、本MODはプリヒート時のリミット出力を指定できないのですが、
本環境ではおよそ40[W]程度であると推測できます。


3.-3 Breathing Test

当Blogでお馴染みの、息吹きかけテストです。
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赤い点線で囲った部分が、私の息の吹きかけに
応じてMODが昇圧した箇所です。

こちらは、DNA40と比べると、
昇圧が遅くて、降圧がDNA同等という特徴があります。
 
多分、上記で載せたTCの波形を踏まえて考察すると、
昇圧と降圧でPID制御のゲインを持ち替えているのかなぁ、
という感想です。

DNAに比べて、昇圧時はD成分が弱めで、
高圧時はPIDともにDNA同等、といったところでしょうか。

D項は扱いにクセみたいなものがあって、
しくじると瞬間的に出力が上がってしまうので、
ビビって安定方向に設定するべく、弱めにしてるんだろうな、と思います。
(個人的には気持ちはよくわかります。w)


3.-4 VW評価

お次は、VWの計測評価です。
ハーネス抵抗込で0.647[ohm]の実負荷に対して、
計測を行いました。

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MODの上は0.6[ohm]になっているので、
およそ0.05[ohm]ほど低めにズレがあります。

まぁ、承知で使うなら問題ないと言っていいレベルでしょう。


まずは、最低出力の5[w]から。

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安定している波形だと思います。

平均で実出力1.8[V]ですので、実測で5.0077[W]ですね。

優秀優秀!


次に、MAX出力!…と言いたいところですが、
まだ当研究所の治具が200[W]に対応できる環境でないので、
ギリギリ安全に計測できる60[W]で計測致します。

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こちらは、平均で6.12[V]ですので、
実測で57.89[W]ですね。


こちらも優秀だと思います。

VWはも、60[W]までなら、かなり優秀です!

やるなLAISIMO!


4.総括LAISIMO S3

どうでしょう?

この性能で$40切りですよ!

私は、別の商品が品切れでそのお詫びの
クーポンコードがあったので、$16で買えましたw

これで、この性能、そして外観のクオリティですよ!

私的には大満足の逸品です。


このクオリティ、この価格で量産できるってのは、
LAISIMOやりますね、と思わざるを得ないといったところです。
 
一点残念なのは、出力が箸にも棒にもかからないくらいの
ゲテモノを期待していたのに以外に超まともだったこと
USBチャージが出来ない点ですが、スタックとはいえ18650が2本で
1日持ち歩くには十分電池がもつし、その分安くなっていると思えば、納得です!

(バッテリーチャージャー持ってない人は、
 Nitecoreとかちょっといいチャージャーも一緒に買っちゃいましょう!)


さて、LAISIMOに限らずですが、最近の中華MODは、
昇圧も降圧も、リニアDC-DCコンバータなやつが殆どだし、
TC中にハンチングするような波形のものは殆ど無いし、
レベルがかなり上がっていることを実感しました。


制御のレベルは、安い中華オーセンメーカーでも
DNA40に追いついていると思います。

私的には、ある程度熟成した今から、
各社中華オーセンメーカーがどの様に独自進化させるか、
とっても楽しみです!

さぁ、ここからが本当のTC制御戦国時代だぜ!!

(とかいって、例のEvolvパテントやFDA規制問題で一斉に撤退したりして。w)


こんにちは!rujiAです!

今回は、 SMOK社 Xpro M80 pluseのレビューを行います。 

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こちらは、E-cigareteショップの、Angelcigs様よりご提供頂きました。
ありがとうございます。


00 logo

Thank you for the products offer!


1.SMOK Xpro M80 Pluse概要

さて、まずはSMOK Xpro M80 Pluse(以下M80)
概要から説明させていただきます。

M80は、電子タバコ業界において、China系のメーカーとしては老舗の
SMOK社の製品になります。

特徴といたしまして、
・4400mAhの大容量バッテリー(公式によると、18650が二個入っているらしい)、
・最大80Wの高出力
・先代のBT50では一部不評だった降圧回路のバージョンアップ
・そして、満を持してのオリジナルストラテジによる
 温度管理(以下TC:Temperature Control)搭載

といったところが挙げられます。

発表当初は、名実ともにSmokのフラッグシップモデルとして、
デビュー…する予定でした。

しかし、当BlogのVF cloneの記事で書いたとおり、
海外レビュワーによるコットンバーンテストにて、
コットンが発火する現象が多発



「温度FB超イケてねー!」という評判が海外で広まりまして、
国内外にて華々しいデビューを飾る予定が、
日本では発売前に悪評が広まってしまい、
取扱っているShopが少ないことも相まって、
現在では、あまり一般的ではないMODとなっているのが現状です。

しかし、海外ではオリジナルチップ搭載で有る点や、
安価な価格設定である点が評価されてか、そこそこ人気があるらしく、
海外サイトVapingCheapでは、2015ベストTC-MODランキングで
5位を獲得しているという側面もあります。











2.外観等

M80と、BT50を並べてみました。

DSC_0930


 正面から見ると、M80の方が、横に長く、高さが低いですね。

DSC_0931

上から見ると、少し薄いのが分かります。
実物を見たことがないのですが、恐らく、M22系と同程度の厚みなのかな?と
思っております。

写真で見ると、横に長さがある分、大きく見えますが、
前述したとおり、高さや幅がBT50より少ないので、握ってみると、
あまり大きさは感じつ、私としてはちょうどいい範囲かな、と思います。

DSC_0932


ちなみに、ご覧のとおりで、天井は、M22,M50系と同様に、
天井板を、ネジで締めるタイプです。

 
DSC_0936
 
裏側には、ベントホールと充電&Firm Update用のマイクロUSB端子があります。
表記を見ると、なにげに2Aまでいけるようなので、IPAD用の2AUSBチャージャー等で、
急速充電ができるかもしれません。(当方未検証)
4400[mAh]の大容量バッテリーですので、なかなか嬉しいですね。

ちなみに、電池交換はできません。











3.コットンバーンテスト
DSC_0940

前述したとおり、Youtubeに、海外レビュアーによるコットンバーンテストで、
「燃えたよ!」って動画はよく見かけるのですが、
DNA40なんかでやっているような、何degFの時どうだったか、みたいな結果は
見かけたことがなかったので、やってみました。

Ni200のコイルは0.141[ohm]のものを使用。
DSC_0927



M80で読み込むと… 
DSC_0928
 
0.18[ohm]でした。すこしオフセットしていますね。


少なくとも、DNA40やKangxinのKXシリーズよりは、
誤差が大きいということになります。



以下コットンバーンテストは、出力設定30W、通電時間約20秒で行いました。


【1.目標温度200F】
まずは、最低出力設定です。 

が、この時点で少し焦げ臭い・・・。

コットンを外してみると、





01-00 200F 焦げた

案の定少し焦げているというw

すでに出オチ感が漂っております…
 
【2.目標温度:250F】

 01-01 250F リアルスモーク

ここで、なんとリアルスモークが発生

しかも、コイルからコットン引き抜いたら、
熱せられた部分が炭になっていてちぎれてしまいました

 
【3.目標温度:300F】

安定のリアルスモークです。
01-02 300F コットン焼き切れる

そして、コイルに接している部分のコットンが、燃えてなくなりました。






【4.目標温度:350F】

同上。

安定しています(煙量が)。



【5.目標温度:400F】

ここにきて、通電中の様子に変化が。

01-03 400F コイル赤熱

 
コイルが赤熱化するようになりました。

煌々と輝いております。

 
【6.目標温度:450F】
 
同上


【7.目標温度:500F】
 
同上




と、いったところで、
M80は900[degF]まで目標温度を設定することが出来ますが、
コレ以上は何の意味もないと判断し、やめました。 


以上のコットンバーンのテストリザルトが、こちらです。



【M80 コットンバーンテスト 結果】 
01 CBT_result

 
ご覧のとおりで、最小設定値である、200Fの設定ですら、うっすら焦げてます。

ちなみに、以前記事にした、Kangxin製のVF Cloneの結果はこちらこちら

 


Twitterで めがねハードコアさんも言っていましたが…
SMOKは、温度を管理する気があるんでしょうか?

200Fと250Fと、300F以降で、いずれも焦げているながらも、
焦げ具合が若干異なることから、
一応、設定温度に応じて出力を調整しようとする意思はありそうですね。

ただ、けっきょく最小設定でも焦げちゃってるから、この時点では、
温度を、管理/制御/フィードバックする意思は…無さそうかなと思います。


ちなみに、私のM80のファームバージョンは、最新のV0007-1
つまり、最新版でも、コットンバーンテストでは、300F以上でコットンが燃えつきてしまうという
結論になりました…。


ちなみに、

「もしかしたら、ドライコットンでは比熱容量が低すぎて、
MODが温度管理の操作をする前に炭になっちゃうから成立しないのでは?
つまり、実はリキチャされていれば温度FB成立する…?」


という仮説をたてて、目標温度200Fにて、
コットンにグリセリンを染み込ませてテストをしてみましたが…
01-04 200F グリありでも焦げる


うん、関係ありませんね。
焦げます。




では、事項にてTC時における、波形の解説をしたいとおもいます。
 










4.[MOD Analysys]TC時の出力波形

まずは、こちらを見ていただきましょう。
前述したコットンバーンテストにおける、目標温度300F時の波形です。

【目標温度300F 出力30W コットンバーン】
01-02 300F 30W 20s 空焚き・比較用


当Blogを読んでくださっている方には、気づいた方も
いらっしゃると思いますが、TC時、M80はPWM制御をしています。
 
KangxinのTCの波形と比べると一目瞭然で、
まったく出力調整の方法が違うことがわかります。


では、今度は、TCを行っている状態で、
息を吹きかけてみましょう。

ちなみに、VF Cloneのときは、息がかかって温度が低下したことを
MODが検知し、自動的に出力調整してました。

参考に、その時の波形はこちら


【目標温度300F 出力30W 息吹きかけ】
01-01 300F 30W 20s 息吹付け くぼんでるところが息かけたとこ

そんなに変わっていないように見えますが、
赤い点線で囲った、すこし波形のピークが落ちているところが、
丁度息を吹きかけているところです。

息の吹きかけに応じて、出力が下がっているように見えます。
 
と、こう書くと、 
「あ、なんだ!コイルの温度に応じてフィードバックしてるじゃん!」
思われるかもしれませんが、残念ながら、それはおそらく違います
 
息を吹きかけた時は、コイル温度は下がる傾向なので、
ここは、出力を上げる方向が、正解です。



おそらく、ここで、出力のピークに変化があったのは、
コイル温度の変化で、コイルの抵抗値自体が低くなったことによって、
MODの出力電圧の降下が発生したのだとおもいます。

つまり、コイルの温度変化に応じて、
成り行きで出力が変わった
にすぎません。 



すなわち、M80は、Temperature Control、
温度管理をうたっていますが…

実際には、フィードバック制御はしておらず、
温度を管理をしていない
といえます。(キッパリ)




「でも、一応温度の設定に応じて、コットンの焦げ具合が変わってるじゃん!
だから、何もしてないなんてことはないでしょ!」と思うかもしれません。

そう、一応、制御はしています。
ただし、実際に行っている制御は、制御の世界では、オープン制御と呼ばれる制御方法だと思います。

オープン制御は、別名、予測制御といったりもします。
予測というと、なかなか聞こえはいいですが、
要は、「現状は関係なく、やりっ放し」ということです。


実際には、おそらく、Ni200コイルの冷間時の抵抗値から、

「こんなもんなら、XXX[W]で熱しておけば、
コイルの抵抗変化量をかみして、
そのうち目標温度のOOO[degF]にだいたい収束するだろうな。」

と判断して、それっぽい出力を出し続けているだけだと思います。


もしそうならば、ぶっちゃけ…
Ni200で普通にVWしているのと何も変わりません







と、ここまで聞いて、M80はダメダメだな!と思ったそこのあなた!
ちょっと待って下さい!



といっても、このMOD,
悪いところばっかりでもないんです!
というわけで、次にVWの時の出力波形について解説させていただきます。
 








5.[MOD Analysys]VW時の出力波形 

まずは、こちらを御覧ください。
MAX出力、80Wの波形です。

【抵抗:0.5[ohm] 80W】
8V



ちょっと乱れてるところはあるものの、そう、
M80は高出力だと、DC-DCコンバータで昇圧をします。

ちなみに、抵抗値0.5[ohm]に対して、電圧が6.4[V]ほど出ているので、
オームの法則より、計算し、

電力[W] = (電圧[V])^2 / (抵抗[ohm])

に当てはめて計算すると、
電力[W] = 81.92[W]

というわけで、問題なく公称の80[W]近傍が出ています。



では、下限の出力はどうでしょうか

【抵抗:0.5[ohm] 6W】
87V 実際PWMでわからんV


そう、低出力時は、PWM制御になるんですね…

【[拡大]抵抗:0.5[ohm] 6W】
8V


PWM制御時のピーク電圧は、約3.6[V]。
ちなみに、液晶表示1.86Vに対して、RMS値が
1.81Vととても近いので、SMOKのPWMの考え方は、
RMS基準なようですね。(私の見解とは違うw)


つまり、3.6V以上の電圧を要求するような使い方をした場合、
M80は高出力なVW機と同等の品質の出力をします。

3.6V以上なら、例えばSUBTANKのように0.5[orm]だったら
26[W]以上の設定で使うなら、高出力で、電池持ちもいいMOD
としての活路が生きてきます。

ちなみに、私の知っている限りでは、
このように、高電圧時はDC-DCコンバータで昇圧し、
定電圧時にはPWM制御で降圧するような回路構成は、
Eleaf社のiStick20なども同様の構成となっています。
 
余談ですが、そういった意味で
Eleaf初のTC-MODである、iStick40の実力にも注目しています。


6.考察 ~"な~んでそんな構成なの?"という問いに対するrujiAの妄想~
 
すなわち、恐らくSMOKは、ハードウェア(=基板実装)の構成的に、
BT50系と同様に、DC-DCコンバータによるフラット変圧時には、
最低降圧値が3.6[V]までしか対応できないDC-DCコンバータ回路の
構成になっている(※)…しかし、BT50のときに、低出力を望むユーザーから、
不満があったことを考慮して、安価である、制御ロジックによる降圧、
すなわちPWM制御に対応した、ということなんだと思います。

※:BT50は、約3[V]以下に電圧を降圧することが出来ない構造になっていました。


まぁ、SMOKのハード設計の不都合を、
プログラマの頑張りで救ってあげたってことだとおもいます。
しかし、この、3.6[V]以下はPWM制御にて降圧する構成が、
TCが不成立になってしまう要因
となってしまいました。

恐らく、PWM制御にて、温度FBで使うような弱電圧を実現
しようとすると、コイルの抵抗値を、うまく計測できないんでしょう。

すなわち、現在のコイル温度を計測することができず、
コイル温度に応じた出力調整をすることができない。
だから、フィードバック制御をすることができない


rujiAの予想妄想では、
M80は当初、TCを持たせる計画はなかったんだと思います。
 
私のM80誕生の妄想シナリオは、下記です。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 
①M80は、BT50やM80シリーズの後継機として、
ただの高出力で電池容量が大きいBOXMODとして開発していた。
 
ハードは既にM80系の上位互換的な発想で作った基板でいくと決めていた。

③開発もいよいよ終盤!というところで、
ゴリ押しのマーケティング担当者(っていうか社長)から、

時代はNi200を使ったTCってやつらしいぞ!M80にその機能のせろ!
DNA40の丸パクリの動作でいいから!どうせソフトなんかタダなんだろ?」という
むちゃくちゃな急ハンドルみたいな指示がでる。w

④技術者的には、「いやいやいやいや!無理っすよ!だってDNAはフルDC-DC変圧だけど、
我々のは低出力時PWMだから!いまさら成立性とか保証できないよ!」と言ったハズ。w

⑤社長「まぁ、、技術のことはよく知らないけどさ。お前がそういうなら…
…じゃあいいよ。残念だね。君の今年の春節無いね~~。残念だね~~。
やるっていうなら、今日のお昼のきゅうり丼も超大盛りだったのにねー


⑥技術者「…(きゅうり丼はどうでもいいけど、正月がなくなるのは嫌だ!)やります…」
(…とはいったものの、ガチTCはできないから、
ニッケルヒーターの原理で、なんとなく温度が収束するような制御手法でお茶を濁そう…。)
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みたいなことではないかと。w

 
つまり、最近のSMOKの雰囲気にありがちですが、
MODの基本構造の身の丈にあった機能要求ではない、
背伸びした設計になってしまったんですね。


その後SMOKの技術者がどうなったのか、気になります…。
失敗を責めない、人道的な会社であることを祈っております…


7.まとめ

てなわけで、総評です。

率直にM80は、買いか?という質問に対して、
 
私的には、有り。但しTCには期待してはいけない。
という風に思っています。

有りの理由は、高出力のVW機としては、
十分すぎる性能を有しているからです。

事実、現在も、VF Cloneに加えて、サブ機として、
BI-SOのReVO専用ドリッパーとして、M80を持ち歩いています。

DSC_0923


ビルドは、28Gの内径3.5mm、10回巻Dualコイルで1.41[orm]です。
 
余談ですが、甘くてガンクの出やすいリキッドは、サブΩで吸うよりも、
高ohmで30W程度の出力で吸ったほうが、甘さもでるし、
ガンクのつきも少ない気がします。
 
上記設定だと、6.5[V]の電圧が必要ですが、M80なら余裕のよっちゃんです。
しかも、電池持ちもいい。

前述の私の勝手な予想妄想では、
M80の基本設計は、高出力VW機の設計だったとおもうので、
要はそういう運用をしてあげれば、優秀なMODとして、
十分に活躍
してくれます。

しかも、今買うと滅茶苦茶安いんですね。

50ドルきってます。


50ドル切って、しかも内蔵電池で急速充電可能なら、
全然有りな選択だと思います。

ただし…
繰り返しになりますが、TCには微塵も期待してはいけません。
 
M80のハード設計では、たとえ何度ファームのアップデートがあっても、
TCを完璧に成立させることは、限りなく不可能であると考えるからです。

というわけで、いろいろと、物議をかもしだした本製品ですが、

わるい製品じゃないんです!(TC以外は)
根は良いやつなんです!


そんな本製品ですが、不人気ゆえに、あえて選択!
という選択もあるとおもいます。


SMOK Xpro M80 Pluse
$49.99
Angelcigs



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